ビジネスBLOG @神奈川中央会
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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第20回目の記事となります。


 二月に入り、確定申告に向けてそろそろ残業をスタートさせようと思っていた草加のデスクの前に南田が立った。

南田:「部長、この間の話の続き良いですか?」
草加:「ああ、いいよ。じゃあいつもの店に行こうか。」

 残業は明日からだなとつぶやきながら草加は鞄を手に席を立った。
 カウンターに座ると目の前には「とんぼ」の3号(山田錦14号酵母)が待っていた。

南田:「支出に含まれる消費税を計算する上での注意点は何でしょうか?」
草加:「課税売上割合が95%未満の場合は、仕入れ税額控除を計算する上で、消費税を
    課税売上に対応するもの、非課税売上に対応するもの、共通のものにそれぞれ区
    分しておかないといけないよね。」
南田:「そうですよね。それは厄介ですよね。」
草加:「南田君は顧問先でチェックをする時にどんな所に気をつけてる?」
南田:「そうですね。車両燃料費の中で、軽油は軽油引取税が含まれるので要注意です
    ね。それから、ゴルフ代にもゴルフ場利用税が含まれます。」
草加:「そうだね。支払った総額の中に消費税以外の税金が含まれている場合は要注意だ
    ね。例えば温泉旅館に宿泊したときの入湯税もこの類だ。もっとも、明細があっ
    て消費税が明記してあれば話は簡単なんだがね。」
南田:「そうですね。領収書だけだと総額表示になっている場合が多いですから明細は残
    しておいて欲しいですよね。」
草加:「そうそう、ゴルフ代の中には緑化協力金みたいなのが含まれている場合もある
    ね。」
南田:「それは、寄付金の性格があるから不課税扱いですね。」
草加:「そうだ。いずれにしても、消費税が含まれているかいないか、含まれているなら
    いくらなのかで迷ったら支払った先に聞くのが一番手っ取り早いんだがね。
    ところで南田君、異動の内示が出たんだって?」
南田:「ええそうなんです。今朝所長に呼ばれて、来月から東京本部勤務という事になり
    ました。」
ママ:「ええっ、南田さん転勤なんですか?寂しくなっちゃいますね。でも、東京本部だ
    ったら栄転?」カウンターの向こうからママが声を掛けてきた。
南田:「そんな事も無いですけどね。」

 お祝い!お祝い!と言いながらまんまるな笑顔で南田の杯に酌をするママに、すいませんと礼を言う声が少しくぐもっているように草加には聞こえた。


 「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の連載『南田君の日常』 は、今回で終了させていただきます。

 長い間ご愛読いただきまして、ありがとうございました。

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第19回目の記事となります。


ママ:「とんぼ、入荷しましたよ。」
南田:「何ですか、とんぼって?」
草加:「海老名の泉橋酒造でこの時期だけに出す生酒で、1号から7号位まであるんだ
     が、ところでママ、今日は何号?」
ママ:「今日は2号です。亀の尾ですね。」
草加:「亀の尾ね。ところで南田君、相談って何?」

 いつもの居酒屋でカウンターに南田と草加が並んで座っていた。

南田:「先日C社の経理担当に消費税の話をしてきたんですが、企業の経理担当者が経理
     処理をする上で、もう少しチェックを楽にする方法は無いんでしょうか?」
草加:「そうだね、収入と支出に分けて考えると良いんじゃないかな?」
南田:「というと?」
草加:「まず課税売上割合だが、これは売上つまり収入についての課税割合だから、
     費用(支出)については不課税か非課税かの判定は必要が無くて、ただ単純に
     消費税が入っているかだけ判定すれば良いと言う事になる。」
南田:「そうですね。」
草加:「さてその収入だが、損益計算書の営業収益(売上)・営業外収益(雑収入等)
     ・特別利益に区分して考えると、営業収益には不課税取引はほとんど含まれな
     いから非課税取引と免税取引(輸出)をチェックすれば良い。」
南田:「どうしてです?」
草加:「不課税取引の三つの要件は国外取引・非事業・無対価だが、企業の売上が非事業
     ・無対価というのは考えられないから国外取引だけ該当することになる。そ
     して何よりも営業収益つまり売上は企業が請求書を作っている筈だからね。」
南田:「そう言われれば確かに。」
草加:「次に営業外収益と特別利益だが、この中には不課税・非課税・免税が含まれる。
     不課税の例としては祝い金・見舞金・補助金・受取保険金・受取損害賠償金等
     があるが、損害賠償金には課税対象になる場合があるから注意が必要だね。」
南田:「そうすると、もうこの段階で課税売上割合は計算できるということになるんです
     ね。」
草加:「そういうことになるね。」
 
 目の前の四合瓶に貼られたラベルの赤いトンボの目が微笑んでいるように見えた。

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第18回目の記事となります。


 運ばれてきたお茶で一服した南田にC社の経理担当が話しかけた。

担当:「非課税取引は、他にどんな物がありますか?」
南田:「有価証券の譲渡も非課税ですね。但し、ゴルフの会員権の譲渡については課税に
    なる場合があります。また、健康保険や労災、自賠責の対象となる医療費が非課
    税ですが、美容整形や市販の医薬品の購入等は課税取引となります。」
担当:「健康診断は課税でしたよね。」
南田:「ええそうですね。また、医療費と同じ理由から非課税となっているのが介護保険
    法や社会福祉法等の給付対象となるサービスです。」
担当:「政策的配慮っていうやつですね。」
南田「そうですね。次に免税取引ですが、輸出取引がこれにあたります。輸出取引には商
    品の輸出だけでなく、国際輸送、国際電話、国際郵便等が含まれます。」
担当:「当社は輸出をしてませんから、これは無縁ですね。」
南田:「そうですね。国際輸送事業、国際電話事業、国際郵便事業もしてませんからね。
    でも、駐留米軍に商品を納入したりすると、この輸出免税に該当することになり
    ますよ。」
担当:「なるほど。米軍に消費税は請求出来ないってことですね。」
南田:「免税ですからそういう事になりますね。」
担当:「でもその免税取引に対応する、仕入れに含まれる消費税額は仕入れ税額控除の対
    象になるんですよね。」
南田:「ええそうです。そこが非課税取引と違うところですね。」
担当:「今日はどうもありがとうございました。」

 気がつけば、窓の外には夕闇が迫っていた。南田はC社の経理担当に別れを告げると、木枯らしの中を家路に着いた。

 ~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第17回目の記事となります。


 食事を終え、南田と経理担当は再びC社に戻ってきた。

南田:「では、続けましょうか。」
担当:「はい。」
南田:「次は非課税取引(課税の対象としてなじまないものや政策的配慮で定められて
    いる)ですが、いくつかある中で主なものを挙げてみましょう。まず、土地の
    譲渡や貸付ですね。」
担当:「駐車場は課税ですよね。」
南田:「そうですね。貸付の場合注意しなければいけないのは、一ヶ月未満の短期の貸
    付と、設備がしてある場合は課税になることです。」
担当:「設備ってどの程度ですか?」
南田:「駐車場の場合、砂利が敷いてあって、ロープで一台ごとの区画がしてあったら
    設備と言えます。次に住宅の貸付です。これも、一ヶ月未満の短期の場合は課
    税となります。」
担当:「ウィークリーマンションは課税ってことですね。」
南田:「そういうことになります。次に預貯金の利子、貸付金の利子、信用保証料、
    保険料、共済掛金等も非課税です。」
担当:「利息に消費税が掛かったらたまったもんじゃありませんよね。」
南田:「そうですね。次に商品券、プリペイドカード等の譲渡。」
担当:「譲渡が非課税ということは、買った時も非課税ということですね。」
南田:「そうですね。例えばスイカのチャージ自体は非課税ですが、それを使った時点
    で課税取引となります。」
担当:「ややこしいですね。」
南田:「そうですね。チャージの費用はいったん仮払金として、使った時点で仮払金か
    ら課税取引の旅費交通費に振替えるのが正しい処理だと思います。」
担当:「なるほど。」
南田:「次に、国等が行う一定の事務に掛かる費用ですが、登記・登録・免許・許可・
    検査・試験・証明・公文書の交付等の事務手数料が非課税です。」
担当:「印鑑証明や住民票の発行手数料ですね。」
南田:「そうですね。車検の時に掛かる諸費用の中に非課税の諸費用がありますが、
    これだと思います。」

 窓の外では、傾きかけた日差しの中で、黄色く色づいた木の葉が木枯らしにゆれていた。

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第16回目の記事となります。


南田:「おはようございます。」

C社の経理担当者と朝の挨拶を済ませると、南田が切り出した。

南田:「月次決算は順調ですか?」
担当:「ええ、今のところ順調です。」
南田:「先日のお電話で消費税の復習をしたいとの事でしたが。」
担当:「はい、月次決算の後で南田さんに仕訳のチェックをしてもらうと時々消費税がら
    みの仕訳の修正をうけますよね。」
南田:「ええ。」
担当:「3年後には消費税率が上がる可能性があるし、もし10%にでもなったら、月
    次決算時点の税抜き試算表と修正を受けた税抜き試算表で結構差が出てくるんじ
    ゃないかと思って、この際だから消費税の復習をさせてもらおうかなと。」
南田:「わかりました。では、消費税の課税取引から始めましょうか。」
担当:「課税取引は、国内で事業として対価を得て行う資産の譲渡・貸付及び役務の提供
    と外国貨物の輸入ですよね。」
南田:「そうですね。では、消費税が課税されない取引にはどんなものがありますか?」
担当:「ええっと、給料手当、交際費の中でも香典、租税公課、保険料なんかですね。」
南田:「そうですね。消費税が課税されない取引には、不課税取引・非課税取引・免税取
    引がありますが、不課税取引と非課税取引の違いははっきりさせておかないと仕
    入れ税額控除の課税売上割合に影響して来ますから注意が必要です。」
担当:「判断のポイントは何ですか?」
南田:「不課税取引(もともと課税取引に当たらない取引)のポイントは、第一に国外取
    引の場合。例えば出張先が海外だった場合の出張費ですが、成田空港までの交通
    費は課税取引ですが、成田空港から外国までの航空運賃は不課税です。第二に事
    業として行っていないもの。例えば、社員が所有していた車両を会社の営業車と
    して使う為に買い取ったとしましょう。この場合は社員が事業として行った訳で
    はないので不課税です。給料手当もそうですね。第三に対価性の無いもの。見
    舞金や寄付金、無償による試供品の提供などがこれに該当します。第四に資産の
    譲渡等に該当しないもの。資産の滅失や盗難がこれに当たります。」
担当:「おっと、もうこんな時間ですね。お昼を食べに行きませんか?」

 続きは午後に、と言いながら二人は席を立った。


~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第15回目の記事となります。


南田:「さんまって秋の刀の魚って書くんでしたよね?もうさんまですか!」

 目の前に出された秋刀魚の刺身を見て南田が声を上げた。

草加:「北海道で獲れた秋刀魚らしいよ。原油高で卸価格も輸送コストも上がって、値
     段少々高めらしいが、この時期に秋刀魚が食べられるのは冷蔵輸送の技術に感
     謝だね。」

 草加の杯には、津久井の久保田酒造の『相模灘 純米吟醸』が注がれていた。二年程前から蔵元の二人の息子が杜氏を務め、評価が高まっている蔵である。

草加:「D社の経費削減はうまくいってるのかな?」

 D社の経費削減の話が出てから一月以上が過ぎていた。

南田:「ええ、社内に経費削減チームを作って取り組んでいるようです。」
草加:「そうか。社内一丸とならなければ実現は難しいからね。」
南田:「広告宣伝費では、新聞にチラシの折り込みを毎月していたのを隔月に減らして、従
     業員が協力してポスティングを始めるそうです。それに、ホームページの開設
     やネット販売を検討中だそうです。」
草加:「継続した広告は麻薬的な所があるから断ち切るのはなかなか難しいが、よく踏み
     切ったね。」
南田:「通信費では、社員の持っている携帯電話が社員の個人契約と会社契約とでまちま
     ちらしいんですけど、これをどちらかに統一してなおかつ携帯の会社を1社に
     絞る為の検討を始めたそうです。それと固定電話については営業所があるの
     で、IP電話を導入したそうです。地代家賃については、倉庫内の在庫を社員
     全員で片付けた結果、1/2の面積の倉庫で充分だという事が判って、在庫の
     移転先を物色中です。」
草加:「ほう。なかなか良い展開になって来てるじゃあないか。」
南田:「そうなんです。やっぱり最初に従業員を巻き込んだのが功を奏したようです。」

 片口に入れられた酒はそろそろ三合目に突入しそうな勢いだった。

~次回につづく~



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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第14回目の記事となります。


 得意先を出た二人は、今朝通った商店街を駅方面へと急いだ。

草加:「この間の所で昼飯を食うか。」

 駅に程近いビルの2階にあるチェーン店の居酒屋に二人は入った。夜は居酒屋だが、ランチタイムはご飯と味噌汁がお代わり自由で安い。奢る側も懐が痛まず、奢られる側も遠慮が要らない。

南田:「他に削減出来る経費はありますか?」
草加:「意外に手を付けられていないのが保険料かな。」
南田:「生命保険ですか?」
草加:「損保も含めての話だが、中小企業は地縁・血縁で保険に加入している場合が多
    い。」
南田:「ええ。D社もいくつか入ってます。」
草加:「銀行の勧めで入ったり、取引先との絡みとか、親戚の勧めだったり。そうやって
    入った保険は補償の内容だとかを詳細に吟味していない場合が多い。」
南田:「ええ。」
草加:「これはD社に限った事じゃなく、すべての会社で定期的に保険の見直しをした方
    が良いと思う。補償の内容が会社にとって本当に必要なものか、或いは○○保険
    会社と××保険会社で補償内容がダブってないかとかね。」
南田:「保険の総点検ですね。」
草加:「そうだね。なかには、一時保険会社が盛んに売った保険で、被保険者を法人役員
    として、役員の退職金の原資を目的としながら節税効果も謳った保険があったが、
    これなんかは会社あっての役員退職金だから、検討の余地大いに有りだね。」
南田:「中途解約は損だとか考えてちゃ駄目ですね。」
草加:「そうだ。要はその保険が会社にとって本当に必要かどうかだね。」
南田:「わかりました。D社に、保険の総点検を勧めてみます。」

 昼休み時間を過ぎたせいか、店内がまばらになりはじめていた。

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第13回目の記事となります。


南田:「おはようございます。」

待ち合わせ場所の駅前に先に着いていた草加に、南田が声を掛けた。

草加:「ああ、おはよう。」

 二人が歩き始めた商店街は、得意先訪問の為に一年ほど前から来ているが、ほんの少しずつシャッターが目立ち始めていた。

南田:「経費削減の件ですが、法定福利費は給与を下げる事によってもう削減されている
    んですよね。」
草加:「ああそうだね。まだ若干下げる余地があるとすれば労働保険のメリット制だね。」
南田:「それってどんな方法なんですか?」
草加:「労災の保険料率は、労災事故の発生率や労災給付の実績をもとに事業の種類ご
    とに決められているんだが、労災事故を無くすように努力している企業には保険
    料を安くしてあげようというのが趣旨だね。」
南田:「へえ。」
草加:「メリット制の対象になるかは、細かい規定があるから、労働基準監督署か社会保
    険労務士に相談してもらった方が安心だが、労災事故を起こしてしまうと以後の
    保険料が増えてしまうので注意が必要だ。」
南田:「ただ安くなる訳じゃないんですね。」
草加:「あとこれはD社では使えないかも知れないが、役員給与を別の形に変えて社会保
    険の会社負担分を減らすという方法もある。」
南田:「どんな方法です?」
草加:「中小企業では役員が会社に事務所や倉庫を貸している事が多いが、その場合の
    家賃を引き上げて、その分給与を下げれば連動して社会保険料が下がる。」
南田:「なるほど。条件としては、変更後の家賃が世間相場より高すぎたらまずいですよ
    ね。それと、変更後の給与で等級が下がるかが問題ですよね。」
草加:「そうだ。それと、役員の年税額がほんの少し増える結果になるはずだからそれは
    了解しておいてもらわないといけない。」
南田:「どっちが得か、考えてみよう。ってやつですね。」

 話しながら二人は今日の訪問先のビルに着き、南田がエレベーターのボタンを押した。

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第12回目の記事となります。

草加:「さてと。経費削減の話しだが、前回は確か役員給与の件を話したよね。そうすると
    次は社員の給与だが・・・」

 いつもの居酒屋に南田とやって来た草加が話し始めた。

南田:「やっぱりリストラですかねえ。」
草加:「いやいや、中小企業ではそれは最終手段だ。大企業なら真っ先に手を付けるだろう
    が、中小企業はもともと社員の数が少ないからそれをしたら会社としての製造能力
    やら販売能力が一気に落ちかねない。」
南田:「そうすると削減は出来ないですね。」
草加:「ところがそうでもない。残業手当や出張手当は削減の余地が有る。作業効率を上げ
    て残業を減らすことが出来れば、残業手当も減るし残業に掛かる光熱費等も減らす
    ことが出来る。」
南田:「作業効率を上げて経費削減かあ。一朝一夕では出来そうもないですね。」
草加:「そうだ。だから従業員の協力が必要なんだ。中には残業手当を当てにしている従業
    員も居るだろうからね。従業員にも危機意識を持って貰わなければうまくはいかな
    い。」
南田:「出張手当は、出張すべきところをしないようにするとかですか?」
草加:「出張も無くしてしまうと、得意先によっては売上に響く可能性もあるから3回を2
    回にしたり、泊まりで行っていた出張先を日帰りに切り替えるとか、策は色々考え
   られる。」
南田:「宿泊が無くなれば、経費は減りますね。」
草加:「日帰りにすると、朝早くに出たり夜遅くに帰ってきたりになるだろうが、早出・残
    業手当を付ければ従業員も納得してくれるんじゃないかな?」
南田:「トータルでは削減出来るということですね。」
草加:「そういうことだね。」

 今日は奮発して、茅ヶ崎は熊澤酒造の「雨過天青」。すっきりした後味が、イサキの刺身と良いバランスで、杯が進む。

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「会計・税務」をテーマとした税理士法人SANO神奈川本部 山崎雄二氏の第11回目の記事となります。

 今回から、経費削減を題材とした南田君の新シリーズが始まります!

南田:「おはようございます。」
草加:「おはよう。」
南田:「早速すいません。先週D社で相談を受けたんですが、経費削減のポイントって何か
     あるんでしょうか?」
草加:「D社ってここ数年赤字が続いてたっけ?」
南田:「ええ。売上が伸び悩みで3年前から赤字になってます。」
草加:「そうか。大胆な経費削減が必要ってことだね。」
南田:「ええ。」
草加:「まず削減目標を立てて、次に経費を科目毎に分析するんだが、削減は社員の協力
    が必要不可欠だからこの段階から社員を巻き込んだほうが良いかも知れないね。
    それと、計画の実行に当たっては経営者としての見栄やプライドは捨てること。
    会社の存亡に係わるという自覚を持って当たらなければ、経費削減ではなく経費節
    約程度で終わる可能性があるからね。じゃあ、具体的に勘定科目ごとに考えていこ
    うか。まず役員給与だ。」
南田:「はい。」
草加:「中小企業の役員給与は、会社の利益や資金繰りのショックアブソーバー的役割が
    あるから赤字に転じた時点で引き下げてはあるだろうが、社員の協力を得て経費削
    減を図ろうとすれば、役員給与として必要最低限の金額を算定してそこまで下げる
    ことが必要だ。」
南田:「経営者としての姿勢を社員に示すということですね。」
草加:「そうだ。経営者が自分の肉を削ぎ落とせないようでは会社の経費も削れる訳がない
    からね。」

 草加が次の言葉を発しようと口を開きかけた時、草加の携帯電話が鳴った。得意先からだ。話が長引きそうな様子を感じ、南田は手で合図を送り草加の席から離れた。

~次回につづく~

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