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神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「ビジネスITスキル情報」、「労務管理情報」)による専門家の記事を載せています。

本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の200回目の記事となります。
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最低賃金1,000円超え時代の中小企業の生産性アップの具体策

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第200回 ”ポストキャッシュレス還元”の販売戦略

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「最低賃金1,000円超え時代の中小企業の生産性アップの具体策」に続いて、今回は「”ポストキャッシュレス還元”の販売戦略」がテーマです。

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消費増税とキャッシュレス消費者還元事業のスタート

2019年10月1日から予定通り消費税率が10%に引き上げられました。同時に開始されたキャッシュレス消費者還元事業は月あたり還元上限額があるものの、5%還元は増税%以上の還元%であり、消費者からすると魅力的と受け止められています。

一方、売り手である中小企業のなかにはキャッシュレス消費者還元事業を最大のチャンスと捉えて販売促進を強化する中小企業もあれば、結局はキャッシュレス導入を見送ってしまった中小企業もあります。導入を見送った中小企業のなかには消極的であったのではなく、むしろ方針として見送った企業もあります。

10月上旬にニュースで報道されたように、食品を扱う店舗ではレジでの顧客への説明に時間が掛かったり、誤解からクレームが来たりとバタバタ感が数多く見られましたが、このバタバタ感も徐々に収まっているようです。

 

キャッシュレス消費者還元事業で得た顧客をファンにする

キャッシュレス消費者還元事業の期間中は従来とは異なる顧客も来店する可能性があります。ホームページやブログ、各種のSNSで自店がキャッシュレス消費者還元事業に参加していることをしっかりとアピールしていきましょう。

ポイントは初回に来店した際にファンにしてしまうことです。初回は5%還元の魅力で来店しても、リピート客にするには店舗の魅力を理解してもらうことが必要です。以下のようなことをしていきましょう。

 

【5%還元来店客をリピーターにするポイント】

・レジで自店のコンセプトや商品、サービスのこだわりを説明したカードを渡す

・接客サービスに力を入れる

・初回来店時にメンバーズ入会を促す

・LINE@の登録やインスタ、ツイッターのフォローを促す

 

 

”ポストキャッシュレス還元”を考え始める時

キャッシュレス消費者還元事業は2020年6月末で終了となります。中小企業経営からすれば、2020年7月からが実質的な消費増税とも言えます。今からキャッシュレス消費者還元事業後の販売戦略を考えるようにしましょう。

 

【”ポストキャッシュレス還元”の販売戦略】

・キャッシュレス消費者還元事業期間中に新規に来店した顧客へのアプローチを強化する

・選別購買(顧客が商品やサービスをより厳格に選別する購買)を意識して差別化を強化する

・SNS等で周囲に知らせたくなるようなポイントを付加する

・低価格販売や送料無料の魅力よりも品質や顧客満足の高さをアピールする



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神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「ビジネスITスキル情報」、「労務管理情報」)による専門家の記事を載せています。

本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の199回目の記事となります。
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9月の駆け込み需要と買い控えに対応して経営革新

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第199回 最低賃金1,000円超え時代の中小企業の生産性アップの具体策

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「9月の駆け込み需要と買い控えに対応して経営革新」に続いて、今回は「最低賃金1,000円超え時代の中小企業の生産性アップの具体策」がテーマです。

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10月から最低賃金は東京都1,013円、神奈川県1,011円

2019年10月は中小企業にとって大きな変化の始まりの月になります。

1つは消費税率10%への増税。国は中小企業への悪影響を緩和する目的でキャッシュレス消費者還元事業を9か月間実施するものの、家電量販店は現金支払いであっても10%前後のポイント還元を従前から行っており、また、各種大手チェーン店等でも還元によって消費者離れを防ごうとしているため、キャッシュレス消費者還元事業がどれだけ中小企業経営にプラスになるのか、未知数です。2020年7月からはキャッシュレス消費者還元事業も終了するため、キャッシュレス決済手数料の約3%は中小企業の負担になります。中小小売店(仕入れ再販売型)の粗利益が25~30%であることを考えると、本音では「お客さんに現金で払って欲しい」と考える中小経営者は数多くいます。

もう1つは最低賃金のアップです。2016年から毎年最低賃金がアップしており、2019年10月のアップにより、年平均アップ率は3.1%になります。3.1%アップが4年間も続いているのですから中小企業経営は危機と言えるほどに大変な状況です。


消費者は消費行動で日本経済を支える主体

私は賃金が上がることには賛成です。賃金が上がれば消費が増え、中小企業の売上高も上がります。しかし賃金アップが消費アップにつながらず、よって中小企業の売上高アップにもつながらない場合は賃金アップはむしろ中小企業の雇用意欲を減退させてしまいます。ポイントは、上がった収入を消費するマインドを高めることです。中小企業は日々消費を刺激するために自店の魅力情報のSNS発信等を行っているので、国は「消費者は消費行動で日本経済を支えている」という啓蒙をして欲しいと思います。

 

標語のように使われる「生産性アップ」という言葉

「人手不足を生産性アップで解決する」、「IT活用で生産性アップを図る」等とよく言われます。この「生産性アップ」を一面のみで理解している経営者もいるようです。

その一面とは、経営投入(人件費や時間等)を減らすことで生産性をアップさせるという考えです。間違いではないのですが、もう1つの面に私はフォーカスしています。

それは売上高アップです。生産性=収益÷経営投入ですから、同じ従業員数で売上高を上げれば立派な生産性アップになります。

 

【 「生産性アップ」を単なる標語にせず、具体的、現実的に考える 】

・販売数量を変えずに販売単価を上げる。内容量を増やすか、逆に減らすことで価値を生み出す。

・費用の掛かる新規顧客を狙わず、既存顧客の購入頻度を上げることに専念する。

・利益を生まない事業を切り捨て、確実に収益が生まれる事業に専念する(撤退戦略)。

・過去の事業から生まれた副産物(組織運営ノウハウ等)を売る(新規開発費用の削減)。

・手数料が発生したとしても他社の販路を利用して売る。

・数値計画を作り、組織メンバーで共有し、生産性が上がればどのようになるのかを説明する。




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本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の198回目の記事となります。
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本当に組合活動は革新しているのか 

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第198回 9月の駆け込み需要と買い控えに対応して経営革新

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「本当に組合活動は革新しているのか」に続いて、今回は「9月の駆け込み需要と買い控えに対応して経営革新」がテーマです。

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中小企業でキャッシュレス支払いなら5%が還元される

2019年10月1日の消費増税まであと1か月半に迫りました。景気悪化対策として国は約2,800億円の予算で「キャッシュレス消費者還元事業」を行っています。

「キャッシュレス消費者還元事業」は中小商店等から消費者(個人でも法人でも)がキャッシュレスにて購買(実店舗でもネットECでも)した場合に、決済額の5%が消費者に還元されるというものです。7月下旬から国は広報活動を強化しており、徐々に一般消費者にも浸透してきています。

 

期待と不安が混在するキャッシュレス消費者還元事業

キャッシュレス消費者還元事業で中小企業の売上高ダウンを最小限に抑えようと国は対策をしているのですが、キャッシュレス消費者還元事業に期待する一方で不安を感じる中小企業経営者は少なくありません。

・5%還元で本当に中小企業で買ってくれるのか
・店主は画面操作が不得意なので、支払い時にお客様を待たせてしまうのではないか
・5%還元が具体的にどのようにされるのか等の質問が消費者からあった際に、本当に店主は正しく答えられるだろうか
・キャッシュレス消費者還元事業が終わる2020年7月1日以降の決済手数料率が高止まりしてしまうのではないか

上記のほか、売上高面に不安を感じる経営者もいます。

・9月中は8%、10月になると実質5%(消費税10%-還元5%)になるので、9月の売上高が減る(買い控える)のではないか

 

9月の駆け込み需要と買い控えに備える

一般的な中小商店等の経営者は以下のような消費者心理や動きがあると予想しておきましょう。

(1)中小企業で買う予定がある消費者
 家電製品等のある程度価格が高い商品を買う場合には、9月(8%)は買い控えて10月(実質5%)になってからキャッシュレスで買う。

(2)中小企業で買う予定がない消費者
 大企業等(中小企業ではない企業)ではキャッシュレス消費者還元はないため、9月の方が2%安いので、9月に駆け込み需要があり、10月は冷え込む。

(3)大企業か中小企業かを意識していない消費者
 10月の中小商店等の5%還元よりも、9月の8%消費税で大手量販店等のポイント10%ほどに魅力を感じて、9月に駆け込み購買する。
 

中小商店等の経営者の皆様、上記のような消費者の心理を予想して、自社に適した販売促進策を考えていきましょう。



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本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の197回目の記事となります。
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ウェブ・ファーストで事業化リードタイムを短縮する経営革新

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第197回 本当に組合活動は革新しているのか

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「ウェブ・ファーストで事業化リードタイムを短縮する経営革新」に続いて、今回は「本当に組合活動は革新しているのか」がテーマです。

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革新をリードする組合へ

私は中小企業診断士なので、中小企業団体中央会から依頼を受けて組合の現場を訪問して経営の助言を行うことがあります。どの組合もとても熱心に事業を行っていますが、組合活動の成果が出ている組合は、組合活動を活発に行うリーダーが必ずいるものです。そして事務局機能も重要です。リーダーの強い革新マインドと、中央会はじめ組合員や関係機関との調整を行う事務局の存在はとても重要です。リーダーと事務局のどちらが弱くても組合活動は革新できません。

私は以前から組合は革新のリード役だと考えています。組合設立当時の役割のままではなく、世界もITも人材も大きく変わる今、個別の中小企業ではうまく対応できない課題を組合が先頭に立って解決する。そんな頼れる組合活動は素晴らしいと感じます。


「組合が活性化した状態」を議論しよう

日本には中小企業組合は36,098あります(2018年3月末時点)。その約8割は事業協同組合です。事業協同組合の目的は「組合員の経営の近代化・合理化・経済活動の機会の確保」と定義されています。つまりこの近代化や合理化を導く活動が頻繁に、確実に行われている状態が「組合が活性化した状態」だと言えます。

国は中小企業組合等課題対応支援事業として、組合のビジョンづくりや、情報ネットワーク構築、研修等に対して補助金を用意して、組合が活性化する方向に向かうことを支援しています。

重要なことは「組合ビジョン」です。未来から評価されることを経営と言うと私は考えていますが、組合が今後どのような方向に向かい、何を共同して行い、どのような成果を導くのか。この議論はとても重要であり、組合にも組合員の経営にも有効です。

もっと組合の未来について議論しましょう。真剣に。

 

革新的な組合活動のヒント

組合が置かれた状況はそれぞれ異なるため、一概に表現することは難しいのですが、以下のような活動は革新的な組合に近づく一歩になると思います。

(1)組合の収支や活動のみならず、組合員の経営状況も把握する仕組みを検討する
(2)世界や日本経済、産業の置かれた状況を組合が把握し、組合員に提供する
(3)「ネクストビジョン検討会」のような名称で10年~20年後を語る
(4)生産性アップ、人材確保、IT活用、グローバル対応等の
   現在の組合員(中小企業)が抱える問題点を解決するための方策を議論する
(5)組合(連携組織)を信頼する、託す、活かす、任せきらない、関与する、意見する



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本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の196回目の記事となります。
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新規性を追求しない経営革新
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第196回 ウェブ・ファーストで事業化リードタイムを短縮する経営革新

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「新規性を追求しない経営革新」に続いて、今回は「ウェブ・ファーストで事業化リードタイムを短縮する経営革新」がテーマです。
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日本のBtoC-ECは18兆円に

経済産業省は2019年5月16日に電子商取引に関する市場調査の結果を公表しました。これによると、2018年の日本のBtoC-EC(対消費者向け電子商取引)額は18兆円でした。前年が16.5兆円なので約1.5兆円の増加、8.96%増加です。日本産業の成長率を遥かに超える率で伸びています。

ちなみにフリマアプリを使った取引であるCtoC-EC(個人間電子商取引)市場も6,329億円と前年比で32.2%も伸びています。まさに、ネットで売れる時代、ネットの方が販路を拡大しやすい時代になったと言えます。


新規事業のリードタイムとWEB


経営革新は新規事業(新商品開発や新サービスの開始等)によって行われることが多いものです。産学公が連携して大学等の研究成果を民間中小企業が製品化する等です。

また、製品化段階が過ぎると、市場化段階になります。市場化とは市場に向けたプロモーションと販路を開拓することです。ここで理解しておきたいことは、中小企業の新製品を販路に乗せることは簡単ではないということです。製品の安全性や、パッケージ、輸送効率、在庫負担等の条件が合わずに販路に乗せられない(小売店等で扱ってもらえない)ということはよくあることです。


ウェブ・ファーストで販路を開拓する

「ウェブ・ファースト」という言葉はマスコミが新聞よりもネット記事掲載を先に行うことに使われる言葉ですが、ここでは、リアル(実店舗)販売ではなくネット販売を優先するという意味で使います。

前述のように、新商品を開発して経営革新しようとする際には、小売店や代理店等の販売チャネルを構築して売ることを考えるよりも、まずはネットで売る(受注する)ことを考えてみましょう。

【ウェブ・ファーストのメリット】
・従来の問屋や代理店、小売店等を経由した販売よりも、迅速に発売することができる(製品開発の市場化が迅速)
・顧客(ユーザー)直売にすることで、流通コストを大幅に削減することができる(とくに産業財の場合、短期間で高い市場シェアを得ることができる)
・ネットで受注して倉庫から配送する等のように、商物分離が実現できるため、ロジスティクスをしっかりと行えば効率的に顧客(ユーザー)に製品を届けることができる
・仮に新製品の売上高が思うように伸びず、失敗事業となった場合にも、撤退費用が安い
・クラフト品を製造販売する事業等では、まずは自宅等からネット販売して、売上が拡大した時点で商店街等の空き店舗に出店する等も有効(ローリスク型の事業成長)





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本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の195回目の記事となります。
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キャッシュレス決済導入で経営革新
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195回 新規性を追求しない経営革新

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「キャッシュレス決済導入で経営革新」に続いて、今回は「新規性を追求しない経営革新」がテーマです。
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日本には革新的な新規性は期待できないのかもしれない

日本企業は経営の新規性・新奇性の面からは欧米に劣ると言われています。ネット関連ビジネスでは米国のGAFA/ガーファに後れを取り、最近では中国や韓国と比較して大幅にキャッシュレス化に後れを取っています。おもてなしが強みであった日本の高級車も、近年発売される欧州の新車と比較するとAIによる操作や自動運転で後れを取っていると言われています。

例外分野もあるものの、総じて日本企業は前例がない、未開の市場に対応する経営革新は得意とは言えないようです。


中小企業は必ずしも新規性が高い事業で成長している訳ではない

中小企業向けの各種補助金では、事業計画に新規性が求められることが多いものです。新しいことに挑戦する際には製品開発や市場開拓に時間や資金が必要となることから、補助金という政策が必要なのです。逆に従来と同じことを行う場合には補助金の対象にならないことが一般的です。

しかし、中小企業の現場コンサルティングをしていると、成長している中小企業は必ずしも新規性が高い(自社にとっても、業界にとっても)事業で成長している訳ではないと感じています。一般的には経営革新=新規性がある事業展開による革新なのですが、あえて新規性がない事業展開による経営革新について整理してみようと思います。


新規性がない経営革新の進め方

□ “新規性ある事業を行わないと衰退する”という認識を完全に捨てる
□ 新規市場や新規顧客を開拓しなくても、現在の顧客(取引先)内の自社シェアをアップすればよいと考える
□ 現在の顧客(取引先)のニーズ(欲求)に100%取りこぼさずに対応する発想で小さな改善を重ねる
□ 新製品でも新役務でもなく、生産工程のミスを無くし、営業交渉力をアップし、クレームに真摯に対応する
□ 指導や育成、働き方改革という概念をいったん封印して、明るく楽しい雰囲気の職場づくりを行ってみる


新規性がない経営革新を行う際の留意点

上記は、”背伸びせず、身の丈にあった活動をすること”とも解釈できます。ここで注意したいことは、”現状のままでよい”と経営者が考えているのだと、組織メンバーが誤解してしまうことです。あくまで新規性を追求しない経営革新であり、現状維持を求めている訳ではないのです。経営者の立場の皆様は、組織メンバーに対して「これと言った新規性がない活動でも十分に経営革新はできる」ということをしっかりと伝えるようにしましょう。

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本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の194回目の記事となります。
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最大10連休のGWを経営革新に活かす
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194回 キャッシュレス決済導入で経営革新

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「最大10連休のGWを経営革新に活かす」に続いて、今回は「キャッシュレス決済導入で経営革新」がテーマです。
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とても低い日本のキャッシュレス決済比率

野村総合研究所が2018年4月に公表した「キャッシュレス化推進に向けた国内外の状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000545437.pdf)によると、日本のキャッシュレス決済比率は19.8%です。世界の他国を見ると、韓国が96.4%でもっとも高く、次いでイギリス68.7%、オーストラリア59.1%となります。

2007年→2016年の変化では、韓国は+34.6%と大きく伸びたのですが、日本は+6.2%と大変に低い伸びでした。この期間の日本はSuica等の電子マネーの利用は普及したものの、現金志向がとても強いため、キャッシュレス決済の比率は他国ほどには伸びませんでした。


日本のキャッシュレス化が進まない理由

日本のキャッシュレス決済が進まない理由を企業側から見ると、「決済手数料が高いから」が31%でもっとも多く、次いで「自社の商品や取引の形態と合わないから」、「お客様のニーズが少ないから」となっています。

ちなみに、決済手数料の平均は3.09%でした。コンビニエンスストア等の仕入再販売型(製造小売ではない)の商店の売上総利益率は28%(TKC BASTによる)なので、3%は大きいと感じるかもしれません。しかし、売上に占める現金決済比率は61%で、キャッシュレス決済等の現金以外の比率は39%であることを考えると、決済手数料3%×キャッシュレス決済比率39%=1.17%になります。ざっとですが、売上の1%が決済手数料であると解釈すると、従来から一般的な商店街ポイント負担の2%より低いとも解釈できます。


中小企業にも広がるオンライン決済代行サービス

実店舗を想定したキャッシュレス決済のみならず、中小企業のネットショップ販売の分野でもキャッシュレス化が進んでいます。直接クレジットカード会社と契約するのではなく、決済代行サービスを使うのです。日本で代表的な決済代行サービスはAmazonペイと楽天ペイです。両方とも決済機能のみを代行するので、「Amazonに出品する、楽天で店舗を持つ」という意味ではありません。中小企業のネットショップへの支払いの際に、Amazonや楽天の購入者IDでログインすると、Amazonや楽天に設定済みのクレジットカードでの支払いができるという仕組みです。販売者が負担する決済手数料率はどちらも販売額の約4%です。購入者からすると、使い慣れたAmazonや楽天のIDで中小ネットショップから買うことができるのですから、安心感は大きいと思います。


キャッシュレス化の波に乗る

商材や対象市場のほか、経営者の考え方によってキャッシュレス対応意識は変わることでしょう。私は中小企業診断士として、日本のすべての中小企業がキャッシュレス決済を導入することが経営的に好ましいとは思っておりません。しかし、「変化はチャンス」、「未来から評価されることが経営」という革新的な観点からはキャッシュレスに前向きに取り組むべきだと考えます。具体的には以下を考えて自社のキャッシュレス導入を判断していきましょう。

(1)既存顧客のニーズ
「うちもキャッシュレス決済の導入を考えているのですが、導入したらお使いになりますか?」等と顧客に尋ねてみる。

(2)新規顧客獲得の可能性
「当店もキャッシュレス支払いが可能です!」等と店頭やホームページで表示したことでどれほどの新規顧客が獲得できるのかを予想する。現在の顧客をイメージせずに、未来の獲得したい顧客をイメージしながら考えることがポイントとなる。

(3)アナウンスメント効果
キャッシュレス決済を導入したことが、自社や商店街、地域全体への知名度や認知度アップにつながり、現金であれキャッシュレスであれ売上が上がることや、イメージ形成効果、アルバイト等の採用円滑化効果が期待できるかを検討する。

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変化が多い2019年の経営革新の視点
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193回 最大10連休のGWを経営革新に活かす

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「変化が多い2019年の経営革新の視点」に続いて、今回は「最大10連休のGWを経営革新に活かす」がテーマです。
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2019年のゴールデンウィークは超大型連休に

2019年4月から5月に掛けては希望に満ちた明るい雰囲気になることが予想されています。理由は2つです。1つは5月からの新元号のスタート、もう1つはゴールデンウィーク(GW)が10連休になるからです。

新天皇の即位にともなって、4月27日から5月6日の10日間が連休になるのです。もちろん
業種や職種によっては休みがない場合もありますが、多くの国民が長い連休となります。


連休による経済や経営への影響を考える

日本人は世界でも長期休みに慣れていない国民です。海外諸国ではバケーションやホリデーとして長期休暇を取る文化がありますが、日本ではせいぜい3連休ほどが一般的な休暇でした。ところが、土日休みに月曜休みが加わることが増えたため3連休は珍しくなくなり、一般的な休みのような感覚になってきました。

イノベーション(経営革新)は外部環境の変化から生まれることも多いものです。トレンドとしての長期休暇化、直近に迫っている2019年のGW10連休に我々中小企業がどのように対処するとよいのかを考えてみます。

(1)オーバーツーリズムというビジネスチャンス

観光地に過度に旅行者が集まることをオーバーツーリズムと言います。京都等の国際的な観光地のみならず、多くの観光地に観光客が集まっています。オーバーと見なすかどうかは地域住民等の主観にもよりますが、「世界的に進むオーバーツーリズムを解消する市場」が確実に成長しています。例えば、従来は無名であった観光地をアピールすることで観光客の分散を行ったり、予約代行を行ったり、移動手段を開発したり等です。

(2)長期休暇ゆえのセキュリティ

施設もコンピュータシステムも、長期休暇は不正侵入等が心配です。この不安な気持ちが新規市場になります。カメラやセンサーによる施設監視や遠隔によるサイバーセキュリティ市場は、中小企業や一般家庭にも広がることでしょう。

(3)株式市場

月の1/3が稼働しなくなることによる経済活動の低迷が懸念されています。株式市場等は海外で企業業績等に大きな変化があった場合、連休中は日本市場で株式を売買することができないという問題が指摘されています。この投資家の不安を解消する市場が出現するのです。

(4)収益不安

同様にレジャー関連市場以外では、連休によって生産が止まり、受注活動も止まるため、売上が減ることが予想されます。この収益ダウンを保険で補う市場や、ネット販売事業等に多角化することを促すための市場等が期待されます。

中小企業経営者の皆様、「長期休暇」という新しい変化は明らかに多くのビジネスチャンスを生みます。今年のGWを経営革新に活かしていきましょう。

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就活ルール廃止を革新的組織づくりにつなげる
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192回 変化が多い2019年の経営革新の視点

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「就活ルール廃止を革新的組織づくりにつなげる」に続いて、今回は「変化が多い2019年の経営革新の視点」がテーマです。
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2018年の中小企業経営総括

もうすぐ2018年も終わります。振り返って見ると、豪雨や台風、猛暑等の自然災害が多かった1年であり、さらに米国の自国主義が強まったことで中小企業経営においては経済の見通しが立てづらい年でもありました。

また、最低賃金のアップ、働き方改革を進めても人材を確保できない中小企業も数多くあり、人手不足倒産も増えました。

株価は比較的高値で推移する等、大手企業を中心に景気は上向いているものの、我々中小企業の業績はDI(Diffusion Index=景気動向指数)を見る限りでは、「景気がよい」とは言い切れない状況でした。


2019年は大きな変化がある年

2020年7月の東京オリンピック・パラリンピックを控えて景気回復に対する期待感が高まる年になることでしょう。また、次のような大きな変化もあります。

(1)TPP11発効

TPP(環太平洋連携協定)が2018年12月30日に発効します。11か国のうち、2018年内に発効する国は日本、オーストラリア、メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、ベトナムの7か国です。ブルネイ、チリ、ペルー、マレーシアの4か国は手続きを進めている段階です。

TPPは世界最大の自由貿易圏です。多くの工業品や農産品の関税が引き下げられます。例えば、オーストラリア産の牛肉は29.3%→9%へ関税率が段階的に下がります。カナダへ輸出する自動車は6.1%の関税が5年後に撤廃されます。

関税は徐々に下がるため、2019年初めからすぐに効果が発現する訳ではありませんが、経営計画を立てる等で5年後、10年後を考える際にはTPPによる経済効果を考えるようにしましょう。


(2)新元号のスタート

2019年5月1日から新元号がスタートします。2018年5月1日以降は「平成最後の○○○○」というプロモーションも増えており、元号の変更は一定の経済効果もあります。新元号の印刷物の増加等、一部の業界では実需があるほか、日本全体に新しい時代の始まりの雰囲気が満ちるのが5月です。GWには新元号名を感じる初物催事が増えることでしょう。

(3)消費税率10%

2014年4月に8%になった消費税率が、2018年10月からは10%になります。当初は2015年10月に10%にする予定でしたが、2017年4月に延期され、更に2019年10月に再延期されたのです。

飲食料品と新聞は軽減税率8%が適用されます。条件付きでまた国から消費者への2%ポイント還元も検討が続けられています。

消費税率が上がる際には、駆け込み需要と10%直後の経済の冷え込みがあります。また、選別消費も強まるため、顧客のニーズに合った商品やサービスに顧客がシフトします。逆に、ニーズをスリップすると、顧客離れが進むことになるでしょう。

中小企業経営者の皆様は上記を参考にして、年末年始に2019年の経営革新を前向きに考えてみましょう。

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革新思考でAI/人工知能時代の仕事を考える
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191回 就活ルール廃止を革新的組織づくりにつなげる

株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「革新思考でAI/人工知能時代の仕事を考える」に続いて、今回は「就活ルール廃止を革新的組織づくりにつなげる」がテーマです。
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65年前から続いた就職協定が廃止に

1953年にスタートした「就職協定」から65年。企業の採用活動の一定ルールである就活ルールが廃止されることになりました。今後は従来の経団連から政府主導に切り替えて新しいルールが運用されることになりそうです。

就活ルールが廃止される理由は、有名無実化の面があったことのほか、大量一括採用という、いわば日本的新卒採用方式が現在の雇用環境とミスマッチであることがありそうです。

時代や経営環境によって制度やルールを変えることは、まさにイノベーション(経営革新)です。よく「もっと大学や学生の意見を聞いて慎重に決めるべきだ」とのコメントもありますが、イノベーションとは本来、賛否両論があるほどに大胆に進めるものです。改善ではなく革新レベルで思考し、行動するという観点で考えれば、今回のルール廃止はとても革新的です。


採用や組織運用面からの革新は、稼げる体質につながる

経営革新は新商品・新サービスを開発したり、製造方法や提供方法を革新したりすることです。目立つ革新は新商品や新サービスの開発ですが、容易には真似することができない真の経営革新は、組織内部の革新なのです。為替の変化や競合品の出現等、環境が変化しても収益を生み出すことができる強い経営体へと脱皮するためには、組織内部の革新が有効なのです。

今回の就活ルールの革新は、企業からすれば、まさに組織内部の革新に関係する制度的革新です。前向きに捉えて、自社の経営革新につなげていきましょう。



就活ルール廃止を中小企業が経営革新につなげるヒント

そもそも中小企業では一括採用は少なく、中途採用がメインですが、就活ルール廃止という変化をチャンスと捉えて以下を行うようにしましょう。

□ 改めて自社に必要な社員像を明確にする
□ ルール廃止により、学生はかなり早期から就職先を見つける。中小企業も就職先として魅力的であることをホームページの採用専門ページや公式ブログでしっかりと説明する
□ 学生インターンシップや学生アルバイトを受け入れて、相互理解を早期に進める
□ 卒業前に正式入社するというパターンも増えることが予想される。中小企業も「卒業してから採用する」という固定概念を外す

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