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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。

 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 服部氏の第8回目の記事となります。

 なお、「環境経営」をテーマとした専門家による記事は、本記事をもちまして、一旦終了とさせていただきます。ご愛読ありがとうございました。


質問者:『ISO14001の認証を取得されてよかったことは何ですか?』

H社長(80人程度の自動車部品製造会社の社長)さんのお答え:

『よかったことは、業務での失敗、ミス、不具合など(以下「失敗」という)、などにたいしてISOの仕組みで運用して、改善につながる対応ができるようになったことです。また失敗を再発防止につなげる習慣が身についてきました。』

質問者:『なにが問題だったのですか?』

H社長:『業務では失敗はつきものです。失敗がおきたことそのことよりも、その失敗を再発防止にうまくつなげることができれば、更に大きな失敗を回避できるようになり「モトをとる」ことができるのですが、失敗がおきた多くの場合、犯人(部署・個人など)を探して責める方向にいくことがおおいので、自分の部署の責任でないことの証明に一生懸命になり、結果として目的の再発防止策に力が入らないこともおきます。』

質問者:『JR福知山線脱線事故のときは、定刻運転ができないケースに対して電車運転士個人のせいにして、閉じ込めて反省文を書かせるという懲罰を運用ルールとしていたことも運転士が暴走した一つの原因でした。それでどうしました?』

H社長:『ISO14001の運用では、ルールが守られていなかったり、目標が達成できなかったなどの「不適合」にたいして「応急処置」の次の段階として「事態の把握」「真の原因の把握」が求められています。』

質問者:『「真の原因」とはわかったようでわかりません。具体的に説明してください。』

H社長:『たしかに、私たちもよくわからず、社長も管理職もこれでいいのかと迷いつづけでした。それでも「では、その原因と対策で改善されるのか」を問いかけることをつづけているうちにだんだん「こういうことらしい」ということがわかってきました。

例えば、目標が達成できなかったときに必要なことは、「どうしたらできるようになるか」という具体的な手段を工夫することです。達成のための具体的手段を完全に実施していることが確認されても達成できないのであれば、「具体的手段そのものが不充分なのか」という検討が必要です。』

質問者:『もう少し具体的な事例で説明してください。』

H社長:『簡単なわかりやすい例として「紙使用量の削減」のケースでは、具体的手段として、裏紙の使用、ミスコピーの減少などの実施からスタートします。実際に実施してみて目標値が達成できないときに、改善策として「一層の徹底を図る⇒管理職が職場のメンバーに訓示する」とするケースでは、「不徹底⇒メンバーがキチンとやっていない」を原因としています。「それが原因か、もしかしたら気がついていない原因がありそれを取り除くことが必要なのではないか」という目でみれば、例えば「裏紙をいれるとコピー機がすぐつまって仕事にならない」「前にコピーした人の複数枚コピーの設定のままウッカリスタートしてミスコピー」などという単純なことが「真の原因」かもしれないとの気づきができます。』

質問者:『お聞きすればごく普通の検討手順で、どこがISO認証取得の成果にむすびつくのですか?』

H社長:『その通りです。ISOそのものが、「当たり前のことを当たり前にやる」ための仕組みなのです。人はだれでも注意されるのがいやだし、今までどおり馴れた方法でいきたい、工夫が必要なことはできれば避けたいのです。できればやりたくないことの解決手順を定めて当たり前に実施するために、社長が「ISOの仕組みでいくぞ、不適合にたいして手順どおりに「真の原因」をキチンと検討し再発防止の工夫をしなさい」と宣言して不具合報告に対処すれば、行動がかわるきっかけになります。』

質問者:『すこしわかってきました。社長としてもいろいろ工夫をされたと思いますが、お聞かせください。』

H社長:『社長としては、ISOに定めた項目にかぎらず経営・管理・業務についての失敗や不具合の報告が上がってこなかったり、遅かったり、まずい部分を隠されたりすることがあると、判断を誤る原因となるので一番怖いのです。そのためにはできるだけ失敗や不具合の報告が上がりやすいように「だめじゃないか、あれほどいったのに、気をつけろよ」の典型3反応を封印しました。そのかわりの手法としての「失敗や不適合がおこってしまったからには仕方がない、早くみつけてよかったという面もある、再発防止こそが企業をよくする道」という考え方と動き方の道筋を社長と管理職が身に付けるキッカケになったということが一番大きなメリットかもしれません。』

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 奥村氏の第3回目の記事となります。


 環境経営は、「エコ製品、エコ技術、エコサービスの創出につながる」と前回は、直球勝負のお話を拝聴しました。今回も、製造業に携わる中小企業の社長さんのお話をお聞き下さい。


会社の概要:従業員100名、各業界向け電子機器の設計・製造・販売に携わる企業。社長は3代目、現在創業45年。


インタビュアー:「会社を経営する上で、環境について最もご苦労がある点、お聞かせ下さい」

社長:「当社は、中小企業ではありますが、ヨーロッパ向けの電子機器を作っております。
機器は、直接、ヨーロッパへ輸出するケースと、国内の大手電機メーカーへ納入、そこでの最終組立を経て、ヨーロッパへ輸出されるケースがあります。
この所、ヨーロッパの環境規制(RoHS規制等)が強化されて来ており、環境についての方針は?と聞かれると、「製品含有化学物質、管理体制の確立」と答えることにしています。

インタビュアー:「ヨーロッパ環境規制について、いま少し具体的にお話下さい」

社長:「問題のRoHS規制は4種類の元素(鉛(Pb)、カドニウム(Cd)、水銀(Hg)、六価クロム(Cr6+))と2種類の臭素系難燃剤のヨーロッパ向け電気・電子機器への利用を禁止するものです。当社で作る電子機器は、素材や部品は購入せねばならず、この段階から規制にマッチしたものを買わねばなりません。そして、当社での製造過程での規制対応、又、納入先への規制の保証が必要です。
従って、方針である「製品含有化学物質、管理体制の確立」は、「買う」、「作る」、「売る」全ての段階が管理の対象となるのです。

インタビュアー:「この規制対応のため、どの様な施策を進められたのですか」

社長:「まずは「買う」段階での、グリーン調達の徹底です。調達基準に納入材料、部品への含有禁止化学物質を明確に定めるとともに、含有化学物質情報の提供を、要求しています。そして、受入時、購入先からの情報をもとに、受入確認をしますが、含有リスクが高いと考えられる材料・部品には、装置による受入検査を実施、規制物質の含有量を測定しています。
次が「作る」「売る」段階での、グリーン作業の徹底です。製品製造過程での、規制対応機器と非対応機器との混在を避け、受入から出荷までの環境汚染防止に努めています。対応は、作業机、工具類に及び、色別管理が決め手です。これらは、記録として文書化され、出荷時の最終確認に用いられ、万全が期されています。

インタビュアー:「これらの考え方で、特に力を入れておられるのは、どんな点ですか」

社長:「環境経営は、高品質の維持 (製品) につながる、という点です。素材、部品、製品の含有化学物質を、徹底して管理するという環境配慮への取組みが、生産工程の整理整頓を促し、部品等の誤使用、異材料の混入・汚染等の不良を無くし、製品の品質そのものを、高いレベルで維持することを可能にした点、高く評価されても良いと思います。

インタビュアー:「そのための教育や投資は、どの様になさっているか、お話し下さい」

社長:「製品含有化学物質管理に関する役割分担に基づき、環境教育年間計画に織り込まれ、関係者全員に対する教育・訓練が実施されています。グリーン調達のノウハウ、グリーン作業の基準について、化学物質に関する環境規制との関連で、習得が、行われるのです。投資については、受入検査に用いる装置の導入が大きく貢献しています。


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神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 奥村氏の第2回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が29回目となります)
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 環境経営とは?と問われて、「その徹底推進は、原価低減のチャンス」と、前回は一つの特定をしました。今回も、製造業に携わる、中小企業の社長さんの一人にインタビューしてみました。

会社の概要:従業員80名、輸出を主体とした小型産業機器の企画・開発・製造・販売を手掛ける企業。社長は3代目、現在、創業60年

インタビュアー:
輸出主体の経営で、環境について、どの様な方針で、対応されていますか

社長:当社は、欧米への輸出を主体とした、小型産業機器を作っていますので、海外での信用確保のため、負担を承知で、ISO 14001の認証取得をしており、環境マネジメントシステムの運用の維持を、環境についての社の方針としています。

インタビュアー:もう少し、具体的に、お話をいただけますか

社長:
環境マネジメントシステムの構築に当たって、ご存知のように、環境方針を明確にしました。先ずは地域との協調を念頭に、規格(ISO14001:2004)の要求事項を満たすことを、第一とし、そのために責任と役割が明確な組織を確立したのです。又、企業活動が環境に与える影響を把握し、環境目的・目標を設定し、レビューを行い、システムを継続的に改善することにより、環境の改善、及び汚染の予防に努めることとしました。
具体的な項目としては、
(1)環境に影響を与えるおそれのある製品・設備・工程の改善、
(2)廃棄物の発生抑制、再使用・再利用の徹底、
(3)環境にやさしい製品の開発等を掲げ、周知を図りました。

 インタビュアー:これらの環境方針は、どの様に展開され、フォローアップされるのですか

社長:方針達成のため、当社全体、及び各部門ごとに、文書化された環境目的・目標が設定され、実施され、維持されています。実施に際し、全社、及び各部門は、年度毎、実施計画を策定し、数値を掲げ、実行に移すのです。実施計画のフォローアップの数値は、毎月、各部門の責任者で構成される、委員会に報告され、把握、検討されています。

インタビュアー:方針展開の中で、特に力をいれておられるのは、どんな点ですか

社長:環境マネジメントシステムを、エコ製品(環境にやさしい製品)、エコ技術、エコサービスの創出に結びつけて行こうという点です。当社は、欧米への輸出が主体ですから、特に、エコにつながる製品は、ビジネス上、大きな鍵になります。環境経営と言うと従来、防御的ととられることが多かったのですが、これからは、環境に配慮した製品をめざすと言う、攻めの姿勢がないと企業としてのスタンスを疑われることになります。設計部門が、自社の既存技術を環境という視点から、見直し改善を加えることで、新たな新技術・新製品が、生まれてくるものと期待しています。

インタビュアー:そのための教育や投資について、お聞かせ下さい

社長:環境に関する自覚のための教育は、規程に従って、全従業員に行っていますが、エコ製品の創出に関しては、三つの勉強会を立ち上げています。一つが、欧州向け製品へのRoHS規制、二つめが、米国向け製品の新排ガス規制、そして、三つめが計画図段階での容易分解可能な構造設計の導入です。中小企業としても、避けては通れません。投資については、先ずは、エコ技術、エコ製品創出へ向けて、各種の計測機器・装置を整えたいと考えています。

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 奥村氏の第1回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が28回目となります)


 環境経営とは?と問われて、これだと明言することは難しいことです。
 今回は、製造業に携わる、中小企業の社長さんにインタビューして、得たお話を紹介します。

会社の概要:従業員50名、各業界向けのプラスチック精密成形部品の製造企業。社長は2代目、現在、創業40年。

インタビュアー:「会社を経営する上で、環境について、どの様な方針で、のぞんでおられますか」

社長:「小さな会社ですが、企業活動と地球環境との調和をめざし、全社員、及び会社に係わる全ての人の参加で、地域を含めた環境の保全に努めることを、方針としてのぞんでいます。」

インタビュアー:「もう少し、具体的にご説明下さい」

社長:「精密プラスチック部品の金型設計・成形・部品販売を通して、社会に貢献するとともに、生産活動が環境に与える影響を的確にとらえて、改善のための目的・目標を明確にし、継続的な努力を図ることにしています。
 具体的には、(1)省エネルギー、省資源の徹底 (電気使用量、用紙使用量の削減)(2)廃棄物、特に産業廃棄物 (廃プラスチック)の削減とリサイクル化の推進等を、環境方針として、全社員、及び会社に係わる全ての人に、周知させています。」

インタビュアー:「その達成程度は、どの様にして、管理され、把握されるのですか」

社長:「年度毎、方針に基づいた目的・目標が掲げられ、関係者の協議で数値化され、社内に告知され、関係社員は目的・目標達成に向けて努力します。数値は毎月、フォローアップされ、食堂にグラフ化して表示され、全社員に関心を持って貰っています。
 具体的には、電力消費量・用紙使用量に関する、削減の推移表、廃プラスチックの排出量、及びリサイクル量の推移表等を、掲示させています。 結果数値は、事務局で、チェックされ、必要な改善等のアクションがなされるのです。
 この 「方針や目標を定め、実行し、チェックし、見直しアクションする」PDCAサイクルの導入定着は、環境経営の成果の一つであり、他の業務への展開を望んでいます。」

インタビュアー:「その中で、特に力を入れておられるのは、どんな点ですか」

社長:「環境経営(方針)の徹底推進は、原価低減のチャンスである、と言う点です。紙・ごみ・電気の削減はもう古いと言われていますが、小さな会社では、紙・ごみ・電気は全社員参加の良きテーマであり、これをベースに、成形部品の原材料の見直しや、生産工程の金型材、治工具類の見直し改善といった、徹底的なムダの排除に全社員が参画し、大きなコスト低減に結びついて来ています。
 廃プラスチックの排出量の削減とリサイクル量の増進は、特に力を入れているものの一つです。」

インタビュアー:「そのための教育や投資は、どうされていますか」

社長: 「当社は、全社員、及び会社に係わる全ての人を対象に、環境経営に関する一般的な啓蒙教育を、朝会等のグループ会合を通して行っています。又、大きな環境影響の原因となる可能性をもつ作業に従事する社員には、OJTを含めた専門教育を課しています。しかし、最も意を用いている教育といえば、環境経営を、真に理解し活動の核になってくれる、メンバーの養成です。外部教育の受講もさせている内部環境監査員の養成です。環境経営は一人では出来ません。一人でも多くの同志を養成し、全社員、及び会社に係わる全ての人の参画を促すことが、肝要だと思っています。
 投資については、小さな会社は、慎重です。環境方針にてらし、最も有効性のあるものへの投資となるのは、当然のことだと考えています。」

~次回につづく~


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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 大川治氏の第3回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が27回目となります)


 ある中小企業の社長とコンサルタントの『環境経営』についての話し合いは、今回は『金融工学』から景気対策が話題となりました。その会話の一部を紹介します。

社長:『物作りの企業を経営している私から見ると、難しい数学なんかを駆使して物を作るんじゃなくて、新しい金融商品を作りだしたって、遊び半分みたいであまり世の中の役には立ってないと思うんですがね。金融とか投資が工学なんですかね』

コンサルタント:『そのようなんです。はじめは実体経済とはかけはなれたものだから、それこそバーチャル、コンピューターゲームみたいなものなんでしょうが、清算するときに実体経済と関係しちゃうようなんです。それが実体経済を動かすようになっちゃったってんだから・・・』

社長:『何だか知らんが、大会社同士のM&Aなんかがやたらと流行って、私たち中小企業はどうしたらいいのか・・・』

コンサルタント:『でも実体経済で動いているものは、絶対になくなりませんよ。物が作れなきゃこの世は成り立たないですから』

社長:『金勘定をしてても飯は食えねえもんねえ』

コンサルタント:『農は国の基(もとい)なんていうじゃないですか。農にかぎりません。漁でもなんでも、自然の恵みを受けて、機械の力を借り、エネルギーを使ってわれわれは生きているんです。そのためには自然すなわち環境は、最初にして最後のもの、環境経営は何にもまして根源的な経営の基本中の基本ともいえるでしょう』

社長:『アメリカの自動車産業のビッグスリーが一つか二つ消えそうな気配ですな。環境に対する経営者の取り組み方で環境技術の開発に遅れをとったことが原因のひとつのようなことが言われているようですがね。』

コンサルタント:『そのようですね。やっぱり環境経営ですよね。アメリカではメーカーがこぞって反対しているのに、日本ではマスキー法をクリアしてこのかた、どんどん技術開発が進みましたからね』

社長:『私なんか、アメリカの経営者みたいにえらく高い給料なんか取っていませんがね。アメリカ風にいえばこれでもCEOなんだろうけれども・・・。
ところで、この不景気はどうやって乗り切ればいいんでしょうかねえ。先生の神奈川県技術士会のキャッチフレーズは“迷った時の技術士会、困った時の技術士会、相談するなら技術士会“でしたね。協力して頂けるんでしょうね』

コンサルタント:『キャッチフレーズはそのとおりです。
ホームページ(URLhttp://www.e-kcea.org/)もありますから時々は覗いてみてください。』

社長:『どうしてもリストラしなきゃならなくなった時は、それこそ泣きの涙ですよ』

コンサルタント:『たとえば、馘首なんかにせず、少なくなった仕事でもみなで分け合うワークシェアリングなんてどうですか。社長が社員を思う心は自ずからわかってもらえるでしょう。景気回復の折には大学卒でも何でも採用する・・・・机上の空論ですかね。』

社長:『その大学が危ないって・・、少子化とか学力低下のためとか言われていますよね』

コンサルタント:『心ある人もたくさんいますから、大丈夫だと思いますよ。いろんな報道とかレポートではかなり学力はおちているような気がしますが、例えば、教育付加価値日本一を目指している金沢工業大学みたいなところもあるし、もう大学には頼らないと独自で教育に走るデンソー、三菱重工みたいな企業もあるし、東
大だって専門職大学院を作って経験豊富な社会人を教育しだしたり、地方から風を起こすべく、行動開始している宮城県、山形県のような地方自治体があらわれてきています。大阪や愛知などでは、工業高校を企業に託して教育しようとの動きもあり、高卒から超難関大学への合格者も増えているとの情報もあるようですから。』

社長:『日経ビジネスにそんなことも書いてありました。これからはつまり、学力よりも人、それも技能人ということでしょうかねえ。』

コンサルタント:『そうともいえますでしょうね。教育に力を入れればそれなりのことはあるんです。』

社長:『技術者、技能者の卵を青田刈りして、早期教育をする・・・』

コンサルタント:『あんまりそう硬く考えなくとも、いいんじゃあないでしょうか。会社には社長さん以外にも先生役が沢山おいででしょう』

社長:『うーん、成程。でもなあ、うちのベテランの社員は65歳位が一番脂がのっていて、この人たちにもっと働いてもらいたいんですがね、年金がもらえる齢になると、みな仕事をやめたがるんですよ』

コンサルタント:『そうなんですか。どうしてですか』

社長:『働きたくないのじゃあないんです。でも働くと在職老齢年金として年金が減額されるからというんですよ』

コンサルタント:『働けるうちは働いたほうがいいですよ。仕事を止めたらすぐ老けこんじゃいますよ』

社長:『そうだと思います。生き甲斐という点でも、私は働いてほしいんですよ。ところが年金が給料の分差っ引かれるので損だからというので・・・年金がもらえる齢になると、働くと却って手取り金額が減るので辞めさせてくれというんですよ』

コンサルタント:『年金が差っ引かれるほど給料が出てるんですね。それなら、受給開始を遅らせればいいんです。むしろその分だけ後でもらう年金が増えるし、また働いた期間が長くなる分だけ年金も増えますよ』

社長:『成程。そりゃあ気がつかなかったですね。ところで技術士会も社員教育には協力して頂けるんでしょうね』

コンサルタント:『それは勿論ですよ。それに、神奈川県には中小企業団体中央会なんて素晴らしい組織がありますから、まずそこへ相談してみることをお勧めします。あそこは力を持っていますから。勿論、技術士会もできることがあればお手伝いはしますよ。例えば出張研修だとかね。学校向けに頼まれれば出前授業なんかもやっています。とにかく社長さん、若者には若者なりの一応の理屈があるみたいなので、若者とも語り合ってみましょう。それこそ評論家に人材の不足は企業側にも問題があるなんて余計なことを言われないためにも。豊かな発想力と高い目標でエンジニアは育っていくもののようです。信じることによって若者も頼りになってくれます』

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 大川治氏の第2回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が26回目となります)


 ある中小企業の社長とコンサルタントが話し合っています。この日も『環境経営』について話が弾み、話題は学生の『理科離れ』に及びました。
前回に続いて、その会話の一部を採録したものです。

社長:『そういえば、昨年の8月頃、日経ビジネスの記事を読んだんですけどねえ。
    “さらば工学部”って特集記事が出ていたんですよ。一寸、気になって、それを
    読んでみて、私はここまで行っちゃったかとビックリしましたね。』

コンサルタント:『学生の理科離れが進んだ結果がこんな記事につながったんでしょうね。
         ひとつどんな風か社長さんの感じられたことをお話し願えませんか。』

社長:『かいつまんでお話ししましょう。「環境経営」に直接に関係があるのかよくわかり
    ませんが、私も少々ショックでしたなあ。東大では、原子力とか船舶系の学部が
    消滅しちゃったと書いてあるんです』

コンサルタント:『原子力とか造船といったらそれこそ将来の国の行方を左右する基幹産
         業じゃないですか』

社長:『そうですよね。記事によれば1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所の
    事故以来原子力の学生 人気が急落してこの学部に学生が集まらなくなったそう
    ですよ。放射能が怖いというのでしょうなあ。だからと言って将来のエネルギー
    供給をつかさどるべき人材を養成する原子力工学科を消滅させちまうなんて、
    私は、最高学府の見識まで疑っちゃいましたよ。いくら放射能が怖いからって逃
    げてたんじゃあ何もできませんよね。とにかく学生がさっぱり集まらなくなった
    から消滅させたってことらしいです』

コンサルタント:『でも原子力部門が完全に消滅しちゃったんじゃなさそうですよ。
         いろんな学科を統合して「システム創成学科」っていうのができてま
         すから。』

社長:『「システム創成学科」なんて言ったってさっぱりイメージが湧いてきませんね。
     「環境経営」のほうがよっぽどイメージとしてとらまえやすいですね。知らず知
     らずのうちに私が「環境経営」を実践してたってんだから・・・』

コンサルタント:『確かに記事には原子力系、船舶系の学科はすでに消滅、カリキュラム
         が大幅に変わったと書いてありましたね。全国のいずれの総合大学で
         も学科の再編成は行なわれているようですよ。それだけ、学問の領域
         が複雑になったと理解するべきでしょうね』

社長:『ゆとり教育、少子化、理科離れ、と言うことでしょうかね。私等の学生時代に
    は、「ドキデンカ」と言って、工学部でも土木、機械、電気、化学は花形の学科だ
    ったんですよ。工学部そのものも難関だったし、ましてや土機電化はその中でも
    成績優秀な学生が行くとこだったんです』

コンサルタント:『今は、「ドキデンカ」と言っても通じないかもしれませんね。』

社長:『記事によれば、その実数まで書いてあったから嘘じゃないに違いないんだが、
    こんなことでしたよ。入学するときは工学部に進学する理科Ⅰ類に入った。い
    ざ工学部に進学する段になって、これもひとつの規制緩和なんでしょうねえ、理
    科Ⅰ類、文化Ⅱ類といった類の壁をこえて進学する学科を選べる転籍枠が大幅に
    広がった新制度の導入をきっかけとして、理Ⅰから経済学部へと学生の大量流出
    がはじまったらしいですね。新制度が導入されてから、どの学科にでも進学でき
    る成績をおさめながら、最終選択の時にせっかくの工学部をすてて経済学部に進
    学する輩が増えてきているらしいですね。』

コンサルタント:『経済学部ってそんなにいいのかしらん。それもあるけれど、工学部を
         出ながら商社や銀行に就職する学生も多いらしいですよ。』
 
社長:『私らが汗水たらして働いているのに金融工学だか何だか知らんが、パソコン使っ
    て一瞬のうちに何憶もの金を儲ける人たちがいるってんだから・・・』

コンサルタント:『何年か前から技術士の分野にも「金融工学」という専門科目ができ
         てるんですよ。どんな人が受験するのか知りませんけれども・・・』

社長 『世の中マネー、マネーですからなあ。わかるような気もしますけどねえ』

今日のところはこの位にしておいて、次回は「金融工学」について、社長とコンサルタントの対話のブログを展開してみたいと思います。

~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 大川治氏の第1回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が25回目となります)


 ある中小企業の社長とコンサルタントが話し合っています。この日は『環境経営』について話が弾みました。
その会話の一部を採録したものです。

社長:『早いもので、私がこの会社を創業してから30年になりますなあ。その間、会社を潰さないようにと、それはもう一生懸命でした。それこそ身を粉にしてやってきました。世間の情勢に遅れないようにと環境ISOも頑張ってとりました。でもねえ、その努力の割には私としては成果がイマイチのような気がしてならないのですがね。』

コンサルタント:『もう30年になりますか。早いものですね。』

社長:『ISO14000に取り組んでからでも、もうずいぶんになります。一応ISOはそれなりに実が上がっていると思いますがね。これは安全と同じで、いつものお題目みたいになると必ずマンネリになってしまうと思うのですよ。だからISOだけにとらわれているのはこの辺で一応やめにして、もっと大きく世の中を見ないと行けないと思っているのですが。』

コンサルタント:『・・・というと、ISOをやめるとおっしゃるのですか?社長さんの期待から見るとまだ今だしの感じなんでしょうが』

社長:『勿論、今は環境はないがしろに出来ないアイテムになってしまっています。ISOをやめたいと言っているのではないんです。もちろん環境は大事に違いないですよ。
 ですが、会社経営30年のうち7割位は環境を意識するよりも、技術開発、販路の開拓、融資などで頭が一杯でしたから。』

コンサルタント:『そうでしょう、でも環境ISOなんて言いだしたのはここ数年でしよう?これからは、ISOだけに捉われない「環境経営」の視点が大切と思いますよ』

社長:『その「環境経営」と言うのがよく分からないのですがねえ・・・・』

コンサルタント:『社長さんの会社がご厄介になっているお得意さんが、この会社の製品、あるいはサービスが必要になったとき、会社がなかったらお得意さんはどうしますか?ほんとに困るでしょう。社長さんの会社が今も存続していること自体がすばらしいことなんです。』

社長:『なんだかそういわれると照れますなあ』

コンサルタント:『そのお得意さんが、この会社の製品が手に入った、あるいは前と変わらないサービスが受けられたと言って喜んでくれるでしょう』

社長:『それはまあ』

コンサルタント:『それが今はやりの「顧客満足;CS(Customer Satisfaction)」であり、「企業の社会的責任;CSR( Corporate Social Responsibility)」じゃないですか』

社長:『そりゃそうですが・・・、すると私は知らないうちにCSとCSRをやってきたということですかね』

コンサルタント:『その通りですね。知らず知らずのうちにそれをやってきたのです。CSとかCSRをやってきているということは、今風にいうとちゃんと「環境経営」を続けてきたということなんです。ちがいます?』

社長:『そうですか、何だか元気が出てきました。満更、褒め倒しでもなさそうですなあ』

コンサルタント:『そうなんですよ。自信を持っていいと思いますよ』

 ここでコーヒーがサーブされました。コーヒーブレイクということで、次回はこの勉強家の社長と、当会のコンサルタントとの話の続きを聞いてみることにしましょう。


~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 服部氏の第7回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が24回目となります)


質問者:『認証を取得されてよかったことは何ですか?』

G社長(60人程度のプラスチック加工会社の生え抜きでない社長)さんのお答え:
『よかったことは、ISOの仕組みを構築・運用したおかげで自主的に職場規律を守るようになったことです。』

質問者:『なにが問題だったのですか?』

G社長:『私のところは、いわゆる職人気質というのでしょうか、現場のことは現場にまかせておいてくれという気風がありました。そのため例えば5Sを進めようとしても、職場のオヤジさんがその気になるかどうかがポイントになり、「やることはやっているのだから、細かいことはいうなよ」という雰囲気で、それまでは業務の仕組みとしてPDCAをまわすことがむずかしかったのです。』

質問者:『古手の社員さん方の技能が会社を支えているというのは、よくあることですね。それでどうしました?』

G社長:『ISO14001の構築・運用を通して「業務・運用の見える化」を図ってPDCAをまわしました。』

質問者:『「見える化」とはよく聞きますが、具体的に説明してください。』

G社長:『ISO認証取得の宣言をして、真っ先にトイレをリフォームして、環境負荷の削減のために3点セット(照明の人感センサー、エアジェトタオル、音姫)をいれました。社員はトイレがきれいで便利になったことを通じて「会社は、口先だけでなく本気なんだ」と感じたようです。「会社のやる気の見える化」ですね。次にキックオフのあと若い女子社員にお願いをして環境新聞を毎月発行し、各職場に張り出し職長からメンバーに話をしてもらいました。これがうまくいきました。』

質問者:『環境新聞の具体例とうまくいった理由を教えてください。』

G社長:『文章を少なくし、ほとんどをグラフ・イラスト・写真にしました。また職場で読めるように文字を大きくしました。言葉遣いも、訓示調ではなく女子社員の話し言葉(例「もう一息ですね。お互いにがんばりましょう」など)を使いました。
まず当然のことですが、目的・目標の実績をグラフ化しました。「成果の見える化」です。実はいままで悩んでいた「不具合の見える化」がうまくいったのです。いくつか例を挙げてみます。
(1)それまで廃棄物容器に時々家庭ごみ、私物のごみが捨てられていました。これを大きく写真に撮って掲載しました。(2)原料・製品ともプラスチックなので、当然火気厳禁です。ある日、路上にタバコの吸殻が捨ててありました。これも大きく写真に撮って「や、や、これは大事件です」の見出しと火災のイラストと一緒に掲載しました。』

質問者:『職人さんにしてみると嫌味にとられませんでしたか?』

G社長:『やった本人は不具合なことはわかっているのですが、「まァ、いいや」と思ってしていたのです。不思議なもので、上司が権限を背景にして伝えれば「細かいことをいうなよ」と反発するのに、同僚である若い女子社員に自分の言葉で書かれると、「まいった、まいった」と苦笑いして納得したのでしょう。そのようなことが毎月あって目に見えて改善され、職場規律を守ることが当然というようになりました。「職場規律の順守」と大上段にふりかぶると犯人探しにつながるので社員は身構えるのですが、犯人さがしをしないで済み、自然体ですんだということも大きいですね。』

質問者:『やはり、いろいろ工夫をされたのですね。認証を取得されて気が緩むことはありませんでしたか?』

G社長:『いいえ、「自分たちはISOの認証取得ができた」という達成感・自負心を背景に、社員が目的・目標や職場規律は自分たちを縛るものではなく、ルールに従った自主・自律なのだということがISOの構築・運用を通じてごく自然に納得していったと感じています。その意味では、私たち経営者・管理者が「べき論」から脱して、訓示・通達以外の方法を柔らかく工夫するようになったということが一番大きなメリットかもしれません。』


~次回につづく~

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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 服部氏の第6回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が23回目となります)



質問者:『認証を取得されてよかったことは何ですか?』

F社長さん(6事業所で200人程度の電気部品製造会社社長)のお答え:
『よかったことは経営幹部・事業所管理職・現場従業員の一体感が増したことです。』

質問者:『もう少し具体的に説明してください。』

E社長:『ISO14001の仕組みに従って事業所長クラスで目的・目標を決めるのですが、そのままでは従業員にとっては「ヤラサレル」ことになります。従業員の創意工夫で取り組める活動をISOの仕組みに組み込むやり方を工夫し、「小集団活動」を実施することにしました。』

質問者:『小集団活動は「カイゼン」の手法として多用されていますが、ISO14001の仕組みのなかで具体的にどういう工夫をされたのですか?』

F社長:『手法は普通の「カイゼン」の小集団活動と同じです。5~7人ずつのグループ(約30グル-プ)で設備改善・業務改善・環境改善の計画立案・活動実施をするのですが、多くは環境負荷削減と業績向上(コスト削減、歩留まり向上、時間節減)につながるので、誰でもよいことをしたいと思っている「環境改善」を旗印にしたのがポイントです。改善項目は当年度の環境目標達成に有効な活動が望ましいのですが、直接環境改善につながらないでも当人たちがどうしてもやりたいという項目であれば事業所長(事業所目標の達成責任者)の判断で認めることとしました。』

質問者:『環境を旗印にして動機付けをされたのはよい工夫ですね。他にどんな工夫をされたのでしょうか?』

F社長:『年に1度、事業所ごとに発表会をおこない、第1位から第3位までを選定します。社長は事業所へ来て出席しすべての発表に対してできるだけ前向きにコメントします。社長が発表を一生懸命聞いてコメントすることで従業員はハリキルし、「全社トップを狙え」を目指して事業所管理職はメンバーと一体になって従業員をサポートします。社長にとっても毎年、従業員の気持ちを肌で感じるよい機会となっています。全部の事業所発表会が終わると各事業所の第1位6グループが本社で幹部社員のまえで全社発表会を開き、最優秀賞と三賞(相撲と同じ、殊勲・敢闘・技能)を表彰し、社内報で全社員に公表します。』

質問者:『やはり、いろいろ工夫をされたのですね。その結果、従業員さんがどのように変ったとお感じでしょうか?』

E社長:『上司の指示に従って環境改善を「ヤラサレル」のではなく、改善項目を自分たちで選び、自分たちで工夫・実行するので、自主・自覚・自律によりなんとか改善を成し遂げるよう推進してその結果として成果をあげるようになり、それが従業員各員の達成感と自信につながりました。事業所発表と本社発表の間に、各グル-プが発表を練り直して長足の進歩を見せたのも大きな収穫でした。またISOの仕組みを通じて、経営幹部と現場従業員、事業所管理職と現場従業員が同じベクトルで一緒になって推進しているという一体感も高まってきております。』


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 神奈川県中央会では、4つのテーマによる専門家の記事を載せています。
 本日は、「環境経営」をテーマとした神奈川県技術士会 服部氏の第5回目の記事となります。(環境経営をテーマとしたブログは、今回が22回目となります)


質問者:『認証を取得されてよかったことは何ですか』

E社長(40人程度の段ボール製造会社の2代目社長)さんのお答え:
『よかったことは近隣との関係が改善されたことです。』

質問者:『それはどういうことですか』

E社長:『この工場ができたころは工場の周囲は山林と畑でしたが、その後住宅地となって家が立ち住民が増えてきました。工場は音も立てるし、原料の搬入・製品の搬出にトラックも出入りします。皆様の公害問題の意識がかわってきて抗議がくるようになりました。我々としては「お買いになったときにはすでに音もトラックの出入りもあったのですよ」と言いたい気持ちもあり、なにか割り切れない心持ちがありました。ISO14001の仕組みでは「近隣住民は利害関係者であり、尊重することが必要」とされています。これを契機に気持ちをかえて積極的に取り組むことを検討し、実行しました。』

質問者:『具体的にどういう取り組みをされたのですか』

E社長:『近くの小学校にご縁があって小学校の見学を積極的に受け入れ、見学のときに「環境への取り組み」を説明したのです。先生と子どもたちが親しんでくれて学芸会のときに飾りつけの材料として段ボールの端切れをもらいに来るようになりました。たとえば「シンデレラの馬車」などを作るのです。学芸会のあとに「クラス全員の感謝の寄せ書き」を届けて頂いた時には、工場に貼って社員一同大喜びでした。いまでは毎年10校以上の見学を受け入れています。』

質問者:『どういう効果がありましたか』

E社長:『第1に近隣からの苦情が減りました。子どもたちから親達に伝わることで「音がうるさい気味の悪い工場」がいつのまにか「気のいいオジサンたちが汗を流して働いている環境に優しい仕事場」になったのです。第2に従業員が「子どもたちにいい印象を与え、いい評判を得る仕事場をつくる」ことに意欲的になり、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」を自発的に実施するようになりました。また従業員の家族に胸をはって工場の話しができるようになったことも大きい効果です。第3に「子どもたちに優しく」という気持ちが「弱者に優しく」という気持ちにつながり、「高齢者・障害者雇用」に熱心に取り組む下地となりました。』

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