chuo1976

心のたねを言の葉として

金子みすゞ展:「いのちへのまなざし」展 東北へ詩集届けた人々紹介−−京都・龍谷大

2012-12-14 05:27:31 | 文学

金子みすゞ展:「いのちへのまなざし」展 東北へ詩集届けた人々紹介−−京都・龍谷大

毎日新聞 2012年12月13日 大阪夕刊




 童謡詩人、金子みすゞ(1903〜30)の生涯を描く「金子みすゞ いのちへのまなざし」展が、京都市伏見区深草塚本町の龍谷大深草学舎至心館で開かれている。

 金子は、現山口県長門市生まれ。童謡が雑誌『童話』などで認められ活躍したが、26歳で死去した。

 企画展は、金子の生涯を写真や愛用の着物など計164点で再現。東日本大震災で被災した小中学校1954校に金子の詩集を届けたファンらの活動も紹介している。

 展示を担当した鍋島直樹教授(53)は神戸市在住で、95年の阪神大震災時、金子の詩に励まされたという。東日本震災では、個人で被災地へ金子の詩集を届けるなどしたが、同様の取り組みを多くの人がしていたことを知り、企画した。鍋島教授は「仏教的な価値観を持つ金子の詩は、困難な人に力を与える。展示を見て、言葉の力を信じ直す機会にしてほしい」と話す。

 1月31日まで(年末年始休館)。無料。龍谷大人間・科学・宗教総合研究センター(075・645・2154)。【鈴木英生】
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「繭と墓」  金子みすず

2012-12-13 04:50:04 | 文学
 「繭と墓」  金子みすず



蠶は繭に
はいります、
きうくつそうな
あの繭に。

けれど蠶は
うれしかろ、
蝶々になつて
飛べるのよ。

人はお墓へ
はいります、

暗いさみしい
あの墓へ。

そしていい子は
翅が生え、
天使になつて
飛べるのよ。 
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「水と影」  金子みすず

2012-12-12 06:21:47 | 文学
   「水と影」  金子みすず



  お空のかげは、
  水のなかにいつぱい。

  お空のふちに、
  木立もうつる、
  野茨もうつる。
     水はすなほ、
     なんの影も映す。

  みずのかげは、
  木立のしげみにちらちら。

  明るい影よ、
  すずしい影よ、
  ゆれてる影よ。
     水はつつましい、
     自分の影は小さい。
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「夕顔」  金子みすず

2012-12-11 04:31:13 | 文学
 「夕顔」  金子みすず



お空の星が
夕顔に、
さびしかないの、と
ききました。

お乳のいろの
夕顔は、
さびしかないわ、と
いひました。

お空の星は
それつきり、
すましてキラキラ
ひかります。

さびしくなつた
夕顔は、
だんだん下を
むきました。

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「お魚」  金子みすず

2012-12-10 06:47:02 | 文学
  「お魚」  金子みすず



海の魚はかはいさう。

お米は人につくられる、
牛は牧場でかわれてる、
鯉もお池で麩を貰ふ。

けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし 
いたづら一つしないのに 
かうして私に食べられる。

ほんとに魚はかはいさう。 
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「秋は一夜に」  金子みすず

2012-12-09 03:51:07 | 文学
 「秋は一夜に」  金子みすず



秋は一夜にやつてくる。

二百十日に風が吹き、
二百二十日に雨が降り、
あけの夜あけにあがつたら、
その夜にこつそりやつて来る。

舟で港へあがるのか、
翅でお空を翔けるのか、
地からむくむく湧き出すか、
それは誰にもわからない、
けれども今朝はもう来てる。
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「大漁」  金子みすず

2012-12-08 04:32:14 | 文学
 「大漁」  金子みすず



朝焼小焼だ
大漁だ
大羽鰮の大漁だ。

濱は祭りのやうだけど
海のなかでは
何萬の
鰮のとむらひ
するだらう
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「砂の王国」  金子みすず

2012-12-07 05:18:33 | 文学
 「砂の王国」  金子みすず



私はいま
砂のお国の王様です。

お山と、谷と、野原と、川を
思う通りに変えてゆきます。

お伽噺の王様だって
自分のお国のお山や川を、

こんなに変えはしないでしょう。

私はいま
ほんとにえらい王様です。
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「失くなったもの」   金子みすず

2012-12-06 05:00:23 | 文学
「失くなったもの」   金子みすず



  夏の渚でなくなった、
  おもちゃの舟は、あの舟は、
  おもちゃの島へかえったの。
    月のひかりのふるなかを、
    なんきん玉の渚まで。

  いつか、ゆびきりしたけれど、
  あれきり逢わぬ豊ちゃんは、
  そらのおくにへかえったの。
    蓮華のはなのふるなかを、
    天童たちにまもられて。

  そして、ゆうべの、トランプの、
  おひげのこわい王さまは、
  トランプのお国へかえったの。
    ちらちら雪のふるなかを、
    おくにの兵士にまもられて。

  失くなったものはみんなみんな、
  元のお家へかえるのよ。
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「星とたんぽぽ」  金子みすず

2012-12-05 06:10:37 | 文学
「星とたんぽぽ」  金子みすず



青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
畫のお星は目にみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼に見えぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。 

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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf