gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

アリス対アバター、キャメロン対バートンの勝者は?、

2010-04-24 20:52:50 | 日記
結論から先に云うと、断トツでテイム・バートンの勝ち、「アリス・イン・ワンダーランド」の迫力は「アバター」を吹き飛ばした。恐らく、今後永い3D映画の歴史の中で「アバター」は3Dの先鞭とはなるかも知れないが、文字通り、これぞ3D映画と呼ばれる3Dの原点として永く語り継がれるのは間違いなく「アリス・イン・ワンダーランド」の方である。
 先ず、1つ目はアバターが守旧映画の悪しき伝統、明日は文学や演劇・絵画、音楽等の伝統的芸術に追いつき追い越そうと足掻いて来たテーマ性を引きずっている点である。つまり、弱小民族の搾取・圧迫等の社会派テーマ、人類の救いと云った宗教的テーマ、と云ったスト-リーに頼っている点。
 2つ目は従来の映画撮影の枠内に留まってしまった3D映画技術の古さである。具体的に云ううと、「アバター」は左右2個のカメラを装備した古いアナログ志向のステレオ・カメラ、立体写真カメラ(ソニー社の立体カメラHDC-950)で、従来の2D映画の撮影と同感覚で立体シーンを撮影している。
 この点、一方の「アリス・イン・ワンダーランド」では全ての点でバートンはキャメロンの上を行くことを意識し、それを徹底的に100%やり遂げた。先ず、物語、ストーリー・テーマ等全て依存せず否定した。キャロルのアリス等単に名目である。キャメロンは「アバター」で人間性テーマに寄りかからずに出来なかったが、バートンは一切テーマ等に依存しない、究極の3D映画、つまり純粋に画面だけで観客を魅了できるか?と云う新しい3D芸術に挑戦して、3D映画として始めて成功した。ストーリー等問題ではない。1例としてラストのアリスと怪物との戦闘シーンのように、画面自体の迫力で老若男女の別無く観客を文句無しに引きずったバートンは真の3D芸術家である。そこには20世紀初頭ルミエール兄弟の走る列車の映像に歓喜した観客と同じ感動が存在した。3D画面の創造自体が感動を与える。
 そして技術的にはバートンはキャメロンの3Dシステムをアナログ的と完全に否定して、撮影は2Dカメラで普通に撮り、それを単にオブジェとして2D-3D変換を行って3D映画をデジタル処理により、3Dソフト処理によって完成させると云う新しい究極の3D技術をVFXラボのソニー・ピクチャーズ・イメージワークスと共に完成させた。今後これは3D映画のバイブルとなるものである。
 最後に、この国の評論家は3Dの認識が曰く「アバターのような3D映画が観て疲れないのは左右の画像切換えの電子シャッター眼鏡が精巧になったので目の疲れが無くなった」と云った解説が最高だが、人間の脳は2D画面を3Dに変換しなければならないので、2D映画は観終わると疲れるが、3D映画は人間の感覚に自然で脳が2D-3D変換の必要が無いので疲れないのであって、目が疲れるのでは無く人間の脳が疲れるか、疲れないかの話である。こんな基本も分らずジャーナリズム等勤まらない。この国で3Dを正確に評価できる評論家はいない。評論家がこのざまであるから、業界も3Dに戸惑い従いて行けない状態が続いている。まともな評価が聞けるのは当ブログが、昨年から「ボルト」以来ずっと解説主張続けているように唯1つである。
 将来、アニメ、映画を目指す若者は画業のイラストを勉強しろ、等と云うまやかしの先輩の云う事など無視して、3Dソフトの技術者として技術開発できる技術を身に付けることだ。全てコンピュータで処理できる。
              宋