青島留学老人日本生活記

留学後日本の生活記

中国ネタ

2016年07月17日 | 情報

面白い記事が有ったので紹介します。

私たちが留学していた青島でも同じ現象が現れておりました。

流しのタクシーを捕まえるのが定番で急いでいるとき中々捕まらないと

イライラしてたことを思い出します。

2015年7月 留学を終えて日本に帰って来てから約1年経ちスマホの

普及を考えると情報をうまく利用するテクニックは急速にレベルUPして

る筈です。

卒業旅行をK氏とした時、K氏のテクニックには驚きました! スマホが

有れば現在地、ホテル予約、交通手段の手配、レストラン情報等,等

自由旅行が簡単に出来ます。

 

どうした中国!? 接客サービスが激変した理由とは    
コラムニスト 田中信彦    
中国の接客サービスというと、「お釣りを投げてよこす」「店員がロクに    
返事もしない」「売り込みがしつこい」など、日本では良いイメージがない  
かもしれない。確かにかつての中国はそうだった。しかし、いま中国の現場  
では「サービス革命」と言ってもいいほどの激変が起きている。    
全体としてはまだ日本との差はあるが、日常的に実感するサービスレベル  
の向上はすさまじく、「これが昔と同じ中国人か」と驚くこともしばしばだ。  
 なぜ、そんなことが起きているのか。そこには大きく三つの要因がある。  
 1.良いサービスを提供した個人を特定し、それに報いる仕組みが広まった  
 2.「何が良いサービスか」という情報や知識が増えた    
 3.経済的余裕を持った客層が増え、良いサービスを提供した店(スタッフ  
)に対してその対価を払うようになった    
 個々に事例を挙げつつ見てみよう。    
サービスの良いスタッフに報いる仕組み    
 サービスが良いほうが心地よいことは誰でもわかる。だが、いくら政府や  
経営者がサービスやマナーの向上を熱心に呼びかけたところで、誰もそれを  
実行しなければ絵に描いた餅である。実際にサービスを向上させるためには、  
「こうするべき」というお題目に終わらせず、現場の人間が「自分も実行    
しよう」と考え、行動に移させる仕掛けが必要だ。スマホを中心としたIT  
の活用では世界の先端を行くと言ってもいい中国では、ここ数年、そのため  
の仕組みが急速に普及してきている。    
 例えば、中国でレストランに行く際、しばしばお世話になるのが「大衆    
点評」というレストラン検索・予約アプリである。日本にも類似のアプリは  
あるが、「大衆点評」はさらに大胆な優待やプロモーションなどを行って、  
利用者を集めている。アプリ経由の予約のほうがトクなので、多くの人が    
使う。加えて中国で広く普及している「アリペイ(Alipay)」など    
サードパーティー(銀行など伝統的金融機関ではない民間金融機構)の決済  
システムと連携し、食事後に代金の支払いもできる。    
口コミでモチベーションアップ    
フードコートに出店している、牛丼チェーンの「吉野家」    
 多くの飲食店では、加えてスマホを利用した店舗管理、従業員管理の    
システムを導入しており、料理の注文をスマホで受け、担当したスタッフ    
のサービスに対する評価も、同じアプリで行う仕組みになっている。    
どのお客が、いつ、どんなルートで来店し、どの料理を注文し、従業員の    
誰がどのような評価を得たか、店の経営者が全てスマホベースで把握できる。  
近年、新たにオープンする飲食店の多くでこのような仕組みが取り入れ    
られている。    
 従業員としては、顧客に高く評価されれば単純にうれしいし、経営者は    
顧客の評価に基づいてボーナスの支給や昇進、昇格などさまざまな策を講じ  
ることができる。中国人のスタッフは競争心が強いので、自分の評価が周囲  
より高ければメンツが立つ。そうして従業員のやる気を引き出し、サービス  
の向上につなげているのである。チームプレーはあまり得意ではないが、    
個人の貢献が際立つ仕事には熱心に取り組むという中国人の働き方にマッチ  
した仕組みといえる。    
評判が悪かったタクシー業界も変わった    
 もう一つ例を挙げれば、最近サービスレベルの向上が著しいのがタクシー  
業界である。日本ではタクシーは流しの車を止めるか、電話で呼ぶのが主流  
だが、中国ではスマホを使い慣れない高齢者などを除いて、もはや配車    
アプリで手配するのが当たり前と言ってもいい状況になっている。タクシー  
(やや高級な日本でいうハイヤー的な車も含む)配車アプリの大手は全国に  
4社あって、どの都市でも使えるので非常に便利だ。利用登録者は5億人    
以上と言われている。    
 この配車アプリは、やはり前述のような代金決済システムと一体となって  
いて、顧客は車の手配から代金の支払い、運転手の評価までこのアプリで    
行える。顧客からの評価が高い運転手には会社からインセンティブ(奨励金  
)が支給され、配車の優先順位が上がるので、運転手はおのずと顧客対応    
に気を配るようになる。こうした仕組みの導入でタクシー業界のサービス    
水準は飛躍的に高くなった。    
 配車された車の登録番号や場合によっては運転手の氏名、携帯電話番号    
まで利用客のスマホに表示される(顧客の個人情報はシステムには登録    
されているが、運転手には開示されない)うえ、走行経路もGPS    
(全地球測位システム)でスマホの地図上に表示されるので遠回りもでき    
ないし、乗車拒否も記録に残る。もちろん今でも流しのタクシーもあるし、  
乗車拒否なども発生していて、問題がなくなったわけではないが、この数年  
で中国のタクシーのサービスが大きく向上したことは間違いない。    
     
「良いサービスとは何か」    
中国の地方都市に出店している日系のショッピングモール「イオン」    
 第2の要素は、中国社会の教育水準が上がり、スマホが事実上、1人1台  
の時代になって情報の流通が増え、中国の人々がSNS(ソーシャル・    
ネットワーキング・サービス)等で「良いサービスとは何か」を知るように  
なったことだ。    
 中国というと一党独裁の情報統制のイメージが強いが、それは政治的に    
敏感な問題の話で、日常的に飛び交う各種情報の量と質は昔とは比較に    
ならないレベルで増えている。自ら海外旅行に出かける人も爆発的に増えた。  
世界にはどんなブランドがあって、どんな商品、どんなサービスがあるのか、  
人々は豊富な知識を持っている。実現できるかどうかは別として、世の中    
にはどんなサービスがあるのか、それを知っているだけで意識や行動は全く  
変わってくる。    
「ユニクロ化」する中国のサービス    
ショッピングモールに出店しているユニクロ    
 さらに大きいのは、さまざまな海外のブランドが中国全土に店舗を展開し、  
日常生活を通じて「サービスとは何か」を社会に広めたことだ。日本の    
ブランドでいえばユニクロ(ファーストリテイリング)のほか、ローソ    
ンやファミリーマート、セブン‐イレブンなどコンビニの存在が代表的な    
ものだろう。    
 例えばユニクロは2016年3月末現在、中国国内で439店舗    
(同社ホームページ)を展開する。主要都市にはほぼ店があり、中国の    
従業員数は4万人を超える。同社のサービス重視の姿勢、社員教育の徹底    
は日本でも知られた通りで、そこで教育を受けた従業員たち、顧客として    
そのサービスを受けた人々に与えた影響は大きい。ある地方都市のショッ    
ピングモールでは、出店したユニクロの店頭でのカゴ配りや目玉商品を手    
で掲げての販促、店内での活気出しなど、スタッフの行動を他の店がすぐに  
まねをして、モール全体があっと言う間に「ユニクロ化」してしまったと    
いう話を聞いた。    
 日系コンビニの出店地はほぼ大都市に限られるが、北京や上海、広州    
などではほぼ日系の独り勝ち。接客サービスレベルの高さがその大きな    
原動力であることは間違いない。「いらっしゃいませ」「○○元お預かり    
しました」「またおいでください」といった接客用語の徹底、清潔さや    
整理整頓に気を配った店内など既存の「パパママストア」とのサービスの    
違いを、ごく身近な実例として見せつけたのが日系のコンビニだった    
コストに見合うリターンがあるか    
地方都市にある日系のショッピングモール    
 そして、サービスレベル向上の最も本質的かつ根本的な理由が、サービス  
に対して顧客がおカネを払うようになったことである。良質なサービス    
を提供しようと思えば、資質の高い従業員を採用し、教育研修を行うなど    
一定のコストがかかる。そのコストに見合うリターンが見込めるからこそ、  
経営者は従業員のサービスを向上させようと考えるし、従業員も見返りが    
あるからこそ、一生懸命サービスをしようと努力する。    
 例えば、いま中国ではアリババグループの「タオバオ(淘宝)網」など    
ネットでの商品購入が猛烈な勢いで伸びている。その影響でリアルの店舗    
はどこも売り上げの不振に悩んでおり、店によっては対前年比で3割以上    
も売り上げが落ちているところもある。価格面でハンデがある実店舗が    
ネットとの競争に勝とうと思えば、店頭でしか体験できない高品質なサー    
ビスを提供するしかない。    
 顧客のほうも、価格重視の客層はネットに向かうが、もっと快適で丁寧    
な買い物体験を求める層は、あえてリアルの店舗に行くケースもある。    
扱う商品や業態によって状況は違うが、顧客も二極分化が進んでおり、    
所得の向上で、多少は高くても気分よく安心して買い物ができたほうが    
いいと考える層も生まれている。レストランなどの飲食業でもこの構図は    
基本的に同じだ。    
 中国のサービスがこれまで全体的に低レベルだったのは事実だ。しかし、  
それは前述のように、「良いサービスとは何か」という知識や情報が乏しく  
、従業員のサービスマインドを引き出す経営手法が未熟で、かつ顧客のほう  
もサービスの対価を負担する経済力も意識も薄かったからにほかならない。  
その条件がいずれもクリアされつつある今、中国のサービスが急速に質を    
高めつつあるのは、ある意味で当然のことだろう。    
 確かにまだ発展途上で改善の余地は大きいが、「中国だからサービスが    
悪い」という固定観念はそろそろ変えるべき時期に来ている。    
     
     
プロフィル    
田中信彦( たなか・のぶひこ )    
 中国・上海在住。1983年、早稲田大学政治経済学部卒。新聞記者を経て、
90年代初頭から中国での人事マネジメント領域で執筆、コンサルティング  
活動に従事。(株)リクルート中国プロジェクト、大手カジュアルウェア    
チェーン中国事業などに参画。上海と東京を拠点に大手企業等のコンサル    
タント、アドバイザーとして活躍している。