クロムの備忘録的ダイアリー

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AlphaZeroは将棋の戦型を狭めてしまうのか?

2019年01月07日 21時06分34秒 | 将棋
最近はAIソフトウェアの急速な発達がプロ棋士にも大きな影響を与えています。
御存知の通り将棋の戦型には大別して相居飛車、居飛車対振飛車対抗型、相振り飛車とあります。
アマチュアや女流棋士は対抗型が多いですが、男性プロ棋士は相居飛車がほとんどです。
コンピュータ将棋もほとんだ相居飛車です。何故かと言うと飛車を振るとそれだけで形勢を示す数値が200点位下がってしまうので振飛車を選ぶことはほとんどありません。
前置きはこのくらいにして去年googleが突然発表した将棋ソフトAlphaZeroは当時の最強ソフトelmoに90-10と実に勝率9割を達成したことで将棋ソフト開発コミュニティーを中心に震撼が走りました。それから1年、先月100局の棋譜が公開されました。それによると初手と戦型は次のとおりです。
AlphaZero 対 elmo
先手AlphaZero (全50局)
 初手 2六歩 33局、7八金 17局
 戦型 相掛り 33局、横歩取り 17局

 横歩取りに関しては後手3三角、先手5八玉の青野流です(勇気流はゼロ)

先手elmo (全50局)
 初手 7六歩 50局
 戦型 角換り 46局、雁木 2局、矢倉 1局、その他 1局

elmoが勝ったのは10局。先手番では9勝41敗(角換りで9勝)。後手番では横歩取りで1勝のみ。

特徴的なのはAlphaZeroは先手番の時2六歩と7八金しか指しません。逆にいうと7六歩は選ばないということです。ニコニコ生放送で千田六段の解説によると学習の初期には選んでいたそうですが、段々と自己対戦での勝率が悪いことが分かってきて指さなくなってきたそうです。
将棋の初手2大選択肢の一つ7六歩を選ばないというのは不思議ですが、2六歩から歩を交換するのが大きいと判断しているのではないか、というのが千田六段の解説でした。

と、ここまでのところをまとめるとAlphaZeroは非常に強い、初手の選択肢や戦型の幅はかなり狭いということが言えるかと思います。AlphaZeroが正しいとすると将棋の最善手順というのは意外と選択肢が狭いのかもしれませんね。なお棋譜が公開されてことで、既にプロ棋士の指し手に影響が現れているそうです。

追伸
 コンピュータ将棋の進歩はまだまだ衰えておらず、最近の最強ソフトはelmoに9割近く勝てるそうです。
つまりAlphaZeroに追いついた可能性が出てきたそうです。そうなると現時点の最強ソフトとAlphaZeroの対戦も見てみたいものです。



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