乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

不足する看取り場所

2011年12月27日 | 社会
今年は日本に1000年に1度といわれる未曾有の災害が起こり、国全体が深い悲しみに包まれました。

乳癌の手術を終えて以来、私は未来に明るい希望を持てず、健康な人を何となく羨望の目で見ていました。が、被災地の映像を見て、自分の悩みがいかに小さなものであったかを思い知った年でもあります。

私の住む地域には台風が上陸し、自宅は泥水を被りました。以来、物に対する執着心がなくなりました。地震や台風で家が流されたら、そんなものは一瞬にしてなくなってしまう。あれもこれも欲しかった私ですが、今ではどーでもいいです。
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【「多死時代」への対応が急務に】

◇死なせる医療 Vol.1  転換期迎える終末期医療

 今後、年間死亡者数が急増する中、高齢患者の受け皿となってきた病床は数が制限され、介護施設も大幅に増えない。家族の介護力の低下に加え、独居高齢者も増加する。終末期医療をどう提供すべきかは、喫緊の課題となっている。
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 2010年5月、中日新聞が岐阜県などに複数の“寝たきり専用賃貸住宅”が存在することを問題視する記事を掲載した。これらの住宅は有料老人ホームなどの届け出をせずに、経鼻栄養や胃瘻を造設した高齢者ばかりを入居させ、医療や介護サービスは外部の特定の診療所や介護事業者が提供していた。

 入居者の多くは、慢性期病院や介護施設に入れず、やむを得ずこの住宅に入居したと推測される。地元のある医師は、「外部から医療や介護サービスが提供されていたとはいえ、果たして充実した終末期医療やケアが実施されていたのだろうか」と疑問を呈す。実際、こうした住宅の指導に当たった岐阜県の担当者は「入居者は全員、栄養剤の投与だけを受けていた」と話しており、経口摂食のための十分な嚥下訓練などは行われていなかった可能性が高い。

行き場失う終末期の高齢者

 かつて、日本人の看取り場所といえば自宅が中心で、1960年にはその割合は約70%に上った。それが76年に病院など医療機関の割合と逆転。今では死亡者の80%以上が医療機関で死亡している。ところが最近、高齢者の増加による死亡者数の急増で状況が変わりつつある。

 国内の年間死亡者数は、60年には約70万人だったが、10年には約119万人に達した。一方で、病床数は90年ごろから徐々に減り、10年には約173万床になった。ただし、そのうち90万床は本来疾患の治療を担う一般病床。つまり、既に医療機関だけでは看取りを担えない事態が生じ始めているわけだ。

 しかし、不足する看取り場所を補う役割を期待される介護施設は数が少ない上、昔と違って家族の介護力が低下し、在宅で看取るのも難しくなっている。独居高齢者の増加も、これに追い打ちをかける。冒頭のような“終末期専用”とも言える住宅で最期を迎える高齢者が出始めたのも、看取り場所不足ゆえといえる。

 こうした状況は、さらに深刻化するとみられる。団塊世代の高齢化が進み、30年の死亡者数は、今より45万人以上多い約165万人と推計したデータもある。この場合、介護施設の増床や在宅医療の拡充などを図っても、約47万人が病院や介護施設、自宅以外の高齢者住宅などで最期を迎えることになる。
 梶原診療所(東京都北区)在宅サポートセンター長の平原佐斗司氏は、「多死時代を乗り切るには、これまで看取り場所の中心だった病院や在宅専門の診療所の医師に加え、かかりつけ医機能を持つ診療所開業医が、高齢者住宅などで看取りに関わることが不可欠だ」と指摘する。

治療控えや中止も選択肢

 一方で、終末期の患者をどう診るべきかという課題も残る。中でも考えなければならないのが、高齢患者にどこまで積極的な治療を行うかという点だ。場合によっては、治療の差し控えや中止を余儀なくされるケースも、今後増えてくるだろう。

 日本人の死亡年齢はこれまで一貫して上昇してきた。新生児を除く女性の年齢別死亡数のピークは1960年には75~79歳だったが、2009年には85~89歳となった。筑波大大学院人間総合科学研究科教授で日本老年医学会倫理委員会委員長の飯島節氏は、「人間の限界寿命からして、死亡年齢は上限に近付いている。高齢患者については、治療の差し控えや中止も選択肢として、より良い看取りを考えることが重要だ」と話す。

 こうした流れを踏まえ、日本老年医学会は12年初めにも、高齢者の終末期の医療およびケアに関する「立場表明」を11年ぶりに改訂する。治療の差し控えや中止を考慮することや、緩和医療やケアを普及させる必要性も明記する方針だ。

対照的な癌と非癌の看取り

 肺炎や心疾患、脳血管疾患といった癌以外(非癌)の患者の終末期をどう診るのかも大きな問題だ。癌の終末期医療は、07年のがん対策基本法の施行などによって充実してきた。だが、全死亡者のうち癌による死亡は約30%で、特に高齢の死亡者では“非癌”による死亡が大部分を占める。

 癌と比べて非癌では、終末期を認識するのが難しい。その上、治療選択によって予後が左右されるほか、緩和ケアに使える薬剤も限られており、終末期医療はほぼ手付かずの状態だ。「これまでは主に癌の看取りが議論されてきたが、今後は非癌の方がより重要になってくる」と飯島氏は話す。
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国の政策で在宅介護を推進していますが、独居老人は年々増えています。そんなのわかっていて推進しているのだから、たちが悪いです。議員も役人も、自分は家族や病院がシッカリ介護してくれると思っているんじゃないかと妄想しちゃうほどです。

フランスでは、治療の差し控えを合法化したそうです。患者の線引きは難しそうですが、合理的に行うんでしょうか。やっぱり、‘議員や役人は除く’になるのかな(苦笑)。


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なかのひと

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2 コメント

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前向きの考えは意志(医師)の力から!? (けえこねえ)
2011-12-30 12:03:54
 今年も今日を含めてあと3日となりました。
本当に日本という国を考えさせられた一年でした。

 一人ひとり大事な物があると思いますが、国体がしゃんとしていなければ個人の幸せの追求はできないものだとつくづく感じました。
 なんという素人集団に政権交代をまかせてしまったのだろう?
本来ならばこんな物言いが良いかわかりませんが、今頃は震災復興景気に沸いている頃です。

 良い家族、良い仕事、良い友人に恵まれていながら不満ばかり感じていたあの頃、、、恥ずかしいです。まだ間に合うなら感謝をし前向きに大事にしたいです。

「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。」

 とかく悲観的にニヒルになりがちですが、なんとか意志の力でお互い明るく前向きに頑張りましょう!難かしいですが、、、

今年も色々な記事を丁寧に解説して下さり、有難うございました。来年も楽しく美しい記事を楽しみにしています。
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素人手段!? (ノエル)
2011-12-30 20:56:56
野党が与党になっても、何がよくなったのか??全く実感の湧かない日々ですね。こんな状況だと、なかなか楽観主義を取るのは難しいのですが、、、かといって、悲観的になるのも、ちょっとねえです。

来年ぐらいは、もっと楽しい記事を掲載できるようになるといいなあと思います。
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