乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

裁判員制度

2008年03月18日 | 社会
私も未熟 で裁判官について書きましたが、今回は裁判員について一言。


市民とプロになお隔たり 模擬評議で浮き彫りの記事がおもしろかったので紹介します。
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市民とプロになお隔たり 模擬評議で浮き彫り2008年03月16日22時29分

 来春から始まる裁判員制度に向け、市民が審理を見たうえで、裁判官と一緒に判決をどうするか考える「模擬評議」が各地で行われている。「量刑相場」を市民に示した方がいいのか、評議をまとめる裁判官の役割をどう考えるか。これまでは法律のプロだけで進んだ裁判の常識が通用しないなかで、市民の意見を聞きながらの模索が続いている。

 ■「常識」通用せず
 昨年、福岡地裁であった模擬裁判の評議では、交際相手を殺害した女性被告の量刑が議論になった。裁判員役の20代の女性は、被告の母親役の「出所したら、家族として迎え入れて普通に暮らしたい」という言葉に強く反発。「他人の家族を壊しておいて『普通に暮らす』とは虫がよすぎる」と考えたからだ。
 この様子を別室のモニターで見ていた検察官や弁護士は驚いた。「身元引受人がいるのは被告にとってプラスの情状のはずなのに」「僕らのこれまでの常識が通用しない。裁判官より裁判員の方が犯罪に厳しい」
 ■量刑1年上がる

 「福岡」の3カ月後、福島地裁でも同じ題材で模擬裁判が行われた。
 量刑を決める際、「交際相手から暴力を受けていた」など被告に有利な面と、「救護しなかった」など不利な面を白板に書き出した。
 検察側の求刑は懲役10年。それぞれが量刑を投票した結果、判決は「懲役7年」となった。だがその後、裁判官が過去の同じような事件の判決を紹介。再び投票したところ、量刑は「懲役8年」に。裁判長は「できるだけ市民の意思を尊重した」としながらも、「どこかで過去のデータを示さないと、同種事件で裁判所ごとに判決が変わってしまう」と指摘する。
 ■「誘導」と「放任」

 評議で裁判官がどう振る舞うかも課題だ。争点を絞り込み、進展を促すと「誘導」と批判されかねない。逆に「放任」すると、議論は盛り上がるが時間不足に陥る。
 仙台地裁では、二つのグループに分かれて模擬評議を行い、結果を比べてみた。
 裁判官が争点を示し、議論を取り仕切る方法がとられたグループでは、裁判官の指名を受けて裁判員が意見を言い、目標の1時間で事実認定まで進んだ。ところが、裁判員役の間では「私たちの意見はいらないのではないか」と不評だった。
 一方、議論の行方が裁判員に委ねられたグループでは、白熱したものの、時間を30分以上延長しても事実認定に至らなかった。この評議に参加した裁判官は「まずは各裁判員に疑問点を挙げてもらい、そのうえで裁判官が争点を整理し、議論を収斂(しゅうれん)させていくのがいいのだろう」と振り返った。
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>裁判員役の20代の女性は、被告の母親役の「出所したら、家族として迎え入れて普通に暮らしたい」という言葉に強く反発。「他人の家族を壊しておいて『普通に暮らす』とは虫がよすぎる」と考えたからだ。

私もこの裁判員役の女性の考え方には同意です。
「刑期を以て罪を償った」と言われても、「壊れた」もんは元に戻らない。

が、しかしです、、、例えば殺された男性が生前、殺した女性に極悪非道の行為を繰り返していたらどうか。

自分が裁判員ならば、両者の生活記録を読み込むでしょうね。
それだけでは判断できないかもしれない。実際に交友関係の聞き込みぐらい、自分もやっちゃいそうです。現場を見て、現地の人に会って…。
だって、他人の人生に直接介入することになるんですもん。真剣にならざるをえない。

で、そんな時間、あるのか???

これは裁判員には大きな問題でしょう。
裁判員全員がきっちりと資料を読み、熟考し、公平に決断するか?

例えばです、子煩悩で毎朝、子供を保育園へ連れていく父親がいたとする。近所の人たちから見れば、彼は積極的に育児に参加する人。そんな彼が、保育士2人に労災認定 保護者苦情で精神性疾患のような行動を起こしていたら、どうでしょう?

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保育士2人に労災認定 保護者苦情で精神性疾患 神戸新聞2008年3月17日(月)14:06

 兵庫県東部の民間保育園で、男性保護者から繰り返し怒鳴られるなどし、ストレス障害やうつ状態となったとして、二十代の女性保育士二人が、西宮労働基準監督署から労災認定を受けていたことが十六日、分かった。
 学校など教育現場に理不尽な要求や苦情を寄せる児童・生徒らの保護者により、精神的に追い詰められ休職する教員らも少なくないが、労災が認められたケースは珍しいという。
 関係者によると、保育士の一人が最初に苦情を受けたのは二〇〇六年夏。園内の展示物をめぐって、担当する園児の男性保護者が「整理整頓されていない」などと指摘、かばんを床に投げつけるなどして詰め寄ってきたという。
 もう一人の担任保育士が謝罪したが、園児の送迎の際、「担任を変えろ」などと怒鳴られるなど、男性の行動はエスカレート。「首をつって死ねとまで言われた」(保育士)といい、男性が園に現れる送迎時間の朝、夕に動悸(どうき)が激しくなったり、身の危険を感じ外出できなくなったりしたらしい。(以下略)
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こんな人が裁判員になるはずがないっ!と思う人もいるでしょう。
でも、見ようによっては、‘子供の保育に非常に熱心な父親’に見えてしまうこともありそうな気がする。

で、被害に遭った保育士二人は精神的な病気になってしまったわけで、彼を阻止するエネルギーがあるとは思えない。同様に、この保育園だってどこまで介入する気があるのか。

こんな男が裁判員になったら絶対イヤだなと思っても、理不尽な要求を言う人が徐々に増えつつあるご時世です。

当たるも八卦、当たらぬも八卦か?


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