今は好きなバンドやミュージシャンのライブを簡単にyoutubeで検索して大抵は観ることができる。ステージやオフショットの写真なども公開されたものであればネットで探すことができる。それが70年~80年代前半くらいではなかなかお目にかかれず雑誌などに載った写真を大切に保管して眺めていた気がする。そのためにバンドやミュージシャンのイメージは専属のフォトグラファーによって世界観まで表現されていた。甲斐バンドでいうと井出情児さんだ。何かの本ではじめチューリップを撮ろうとしていたがモノクロの粒の荒い写真がイメージにあわず甲斐バンド紹介されたと読んだ気がする。まさに個人的には甲斐バンドの写真は井出さんの作品がイメージにぴったりでまさに甲斐バンドの世界観そのものだと思う。ユーキャンの甲斐バンドのライブボックス”ステージ熱狂”についていた井出さんの写真集は眺めながら考えていた。
井出情児さんの甲斐バンドの写真はステージのもの中心だがツアーのバックステージや日常を写したものも多くファンにはたまらない。特に影響を受けたのが1981年に発売された甲斐バンド写真集”1982:BEATENIK”だ。高校生の頃、友人から譲り受け長い事宝物のように保管していたが引っ越しを繰り返すうちにいつのまにか行方不明になっていた。またどうしても手元に置きたくなりネットで探してわりと程度が良く(なんといっても40年以上もまえの本だし、、)価格もまあまあなものを購入した。久しぶりに見たが胸が詰まるくらいあの頃の時代の空気感がよみがえる。自分の甲斐バンドの初期衝動はまさにこの写真集のなかにある。レコードが擦り切れるほど聴いた武道館ライブ盤”100万ドルナイト”はまだ実際にライブを観たことのなかった地方の高校生にはこの写真がすべて補っていた。70年代のフォークミュージックの温さにイライラし海の向こうで爆発したパンクと日本のバンドを埋める何かを探していた。甲斐よしひろが日本で見つけた唯一のヒーローだった。

