11年めを迎えた甲斐さんのビルボード東京でのライブ”KAI YOSHIHIRO Billboard LIVE 2025 EAST loves WEST”を最終日の23日に観に行った。ほぼ毎年行われるので春先の年中行事になっているが今年は甲斐バンドのホールツアーが控えているせいか例年より早めなスケジュールだった。会場のビルボード東京には何度か訪れているので迷うこともなくライブ開始の1時間まえには席に着いた。ワインとアイリッシュウィスキーを飲みながらゆっくり開演を待つ。日常のごたごたを忘れネーナ、ホール&オーツ、ブロンディなど80年代の懐かしいナンバーを聴きながらぼーっと過ごす。この時間が最高に気持ちいい。いつもどおり定刻を15分くらい過ぎたころドアがあき甲斐さんがステージに現れる。1曲目は”くだけたネオンサイン”この曲だけで今夜のライブが最高なものになることが直感的にわかった。
久しぶりに国内線JAL便にのって23日午前11時30分過ぎに福岡空港に着いた。甲斐バンドのライブは夕方なのでまずは地下鉄に乗って宿泊予定の渡辺通り沿いのホテルまでいきフロンで荷物を預けた。初めて訪れた博多の街は曇り空だったけどそれほど寒くない。まずは天神の駅近くにあるライブハウス照和へ。甲斐バンドフリークには外せないバンド発祥の地。通りから地下へ向かう階段を下りて店の中へ、スピーカーから70年代に甲斐バンドの曲がガンガン流れていてテンションが上がる。興奮を押し殺して席に着き地下室のメロディーに倣ってワインをオーダーした。店内は明るくうす暗いイメージはなく映画で何度も見たステージは思っていたより狭い。ここで甲斐バンド、チューリップ、モッズが演奏したなんて絶対観てみたかった。店内はほぼ満席だったけどほとんど甲斐バンドファンの様子。天神の街はビルが立ち並びにぎわっていたがどこか全体が少しレトロな感じがして少し酔った頭で照和にいるといまがいつなのかもわからなくなる。
- 新宿
- 黒い夏
- 裏切りの街角
- 8日目の朝
- 東京の冷たい壁にもたれて
- 最後の夜汽車
- 三つ数えろ
- 風の中の火のように
- 漂泊者(アウトロー)
- 地下室のメロディー
- 冷たい愛情
- バス通り(※この曲のみステージ映像なし、音源は4月9日のもの)
特典映像:『KAI 35th Anniversary 甲斐バンド Live at the 照和』 4月9日 アコースティック・プレミアムナイト より
- 東京の一夜
- 薔薇色の人生
- きんぽうげ
2010年4月9日アコースティック・プレミアムナイト
1.東京の一夜
2..吟遊詩人の唄
3..薔薇色の人生
4..最後の夜汽車
5..きんぽうげ
6..裏切りの街角
7..安奈
8..漂泊者(アウトロー)
9..三つ数えろ
10..風の中の火のように
11..ポップコーンをほおばって
12..バス通り
13..新宿
14..破れたハートを売り物に
2010年4月10日(昼・夜) 11日(昼・夜)
1.黒い夏
2.感触(タッチ)
3.東京の冷たい壁にもたれて
4.8日目の朝
5.きんぽうげ
6.新宿
7.裏切りの街角
8.最後の夜汽車
9.三つ数えろ
10.風の中の火のように
11.漂泊者(アウトロー)
12.地下室のメロディー
13.ポップコーンをほおばって
14.HERO
15.冷たい愛情
甲斐バンドが1974年「バス通り」でデビューしてから今年で50年。アニバーサリー企画でBOXセットがリリースされた。内容はアナログ盤2枚とCD3枚とブックレット。音源はアメリカ・ナッシュビルの名門スタジオSterling SoundのTED JENSENがリマスター、RYAN SMITHがアナログカッティング。ボーナスディスク以外はお馴染みの甲斐バンドナンバーが並ぶが、50周年記念なのでしのごをいわず購入した。とにかくボックスのジャケット写真がいい。甲斐バンドのオリジナルメンバーがカッコよく写っている。(HEROリリース時のものだと思うが、、)個人的に今までのベスト盤と異なるのは松藤さんのボーカル曲(ビューティフルエネルギー、レイニー・ドライブ、メガロポリス・ノクターン)が3曲も収録されていることと、なぜかポップコーンをほおばってが未収録なこと。10月からのライブハウスツアーで甲斐さんが語ってくれるかわからないけど、甲斐バンドがまだ存在してくれている今を楽しみたい。
今は好きなバンドやミュージシャンのライブを簡単にyoutubeで検索して大抵は観ることができる。ステージやオフショットの写真なども公開されたものであればネットで探すことができる。それが70年~80年代前半くらいではなかなかお目にかかれず雑誌などに載った写真を大切に保管して眺めていた気がする。そのためにバンドやミュージシャンのイメージは専属のフォトグラファーによって世界観まで表現されていた。甲斐バンドでいうと井出情児さんだ。何かの本ではじめチューリップを撮ろうとしていたがモノクロの粒の荒い写真がイメージにあわず甲斐バンド紹介されたと読んだ気がする。まさに個人的には甲斐バンドの写真は井出さんの作品がイメージにぴったりでまさに甲斐バンドの世界観そのものだと思う。ユーキャンの甲斐バンドのライブボックス”ステージ熱狂”についていた井出さんの写真集は眺めながら考えていた。
井出情児さんの甲斐バンドの写真はステージのもの中心だがツアーのバックステージや日常を写したものも多くファンにはたまらない。特に影響を受けたのが1981年に発売された甲斐バンド写真集”1982:BEATENIK”だ。高校生の頃、友人から譲り受け長い事宝物のように保管していたが引っ越しを繰り返すうちにいつのまにか行方不明になっていた。またどうしても手元に置きたくなりネットで探してわりと程度が良く(なんといっても40年以上もまえの本だし、、)価格もまあまあなものを購入した。久しぶりに見たが胸が詰まるくらいあの頃の時代の空気感がよみがえる。自分の甲斐バンドの初期衝動はまさにこの写真集のなかにある。レコードが擦り切れるほど聴いた武道館ライブ盤”100万ドルナイト”はまだ実際にライブを観たことのなかった地方の高校生にはこの写真がすべて補っていた。70年代のフォークミュージックの温さにイライラし海の向こうで爆発したパンクと日本のバンドを埋める何かを探していた。甲斐よしひろが日本で見つけた唯一のヒーローだった。
7月2日土曜日、甲斐バンドのライブ”KAI BAND BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂”が開催された。仕事の関係で観に行けず泣く泣くwowowでTV観戦した。セットリストは85年の両国国技館ライブの再現。アルバム”ラブ・マイナス・ゼロ”のプロモーションツアーだったと記憶しているが80年代甲斐バンドのアンサンブルのひとつの頂点のライブだったと思う。なぜ2023年のいま甲斐さんがこのライブの再現を試みたのかはわからないが素晴らしいライブだった。勿論当時とは演奏もテンションも別物だと思うが2023年の甲斐バンドのサウンドとし存在感は半端ないものだった。
アンコールで甲斐さんが”老いぼれるな”といった言葉が響いた。
7月2日 日比谷野音セットリスト
1.野獣
2.ランデブー
3.キラーストリート
4.ダイナマイトが150屯
5.フェアリー(完全犯罪)
6.ボーイッシュ・ガール
7.悪夢
8.ナイト・ウェイブ
9.荒野をくだって
10.BLUE LETTER
11.ラブ・マイナス・ゼロ
12.TRY
13.デッド・ライン
14.冷血(コールドブラッド)
15.氷のくちびる
16.ポップコーンをほおばって
17.翼あるもの
18.漂泊者
アンコール
19.きんぽうげ
20.無法者の愛
21.破れたハートを売り物に
久しぶりにラックの奥に眠っていた甲斐バンドの映画”HERE WE COME THE4SOUNDS”を観た。1986年甲斐バンドが、12年間の歴史にピリオドを打った解散コンサートツアー”PARTY”を収録したドキュメント映画。映画好きの甲斐さんらしくきちんとフィルム撮影されて映画館で上映された記憶がある。当時渋谷あたりの映画館でレイトショー枠で一人で観に行った。オープニングは実際のセットリストは異なる”レイニードライブ”で始まる。ブルーの照明に浮かぶ甲斐さんの横顔と観客の声。このシーンだけで胸がつまりそうになる。甲斐バンドの美学なのだろうけどラストツアーなのにMCでも解散について一切触れられず、どう考えても最高状態のバンド演奏が切なく映像に収められている。その後、バンドは再結成して現在に至るのだけど甲斐バンドの一つの到達点はこのツアーだったと思う。映画はPARTYツアーのステージとバックステージ、黒沢スタジオでのラストライブの映像を織り交ぜがら進んでいく。ただ無駄な字幕、ナレーションなどは一切ない。あの時の甲斐バンドの音と空気感を間違いなく切り取っている。素晴らしい映画と思う。
甲斐さんのソロライブで1990年10月5日、6日、新宿厚生年金会館2Days開催された『ダブル・イニシアチブ・ライヴ』1日目の「Funk Up Night Live」を収録した”Funk Up+”がリリースされた。もともとはライブ・ビデオで以前にリリースされた映像のブラッシュアップ版と当時のPV7曲を追加したものらしいけど個人的には持ってななかったのでとてもうれしい再リリース。たぶん昨年からのソロ35周年関連なのだろうけど、できれば2日目の「A・G Live」もセットで出して欲しかった。映像が残っていないのかもしれないけど、、このころの甲斐さんは甲斐バンドを微塵も感じさせずソロアーティストとして様々なアプローチを続けていた。サウンドもファンクを基調にしたブラックミュージックをイメージさせ一時期のプリンスにも似ているしミックジャガーのソロアルバムの感じもする。
5月23日のアルバム”egoist”のリリース直前でもありライブのセットリストでも何曲か取り上げられているて、リメークされた甲斐バンドの曲も原型をとどめていなくてソロのために書かれた曲のようだ。このあとにKAI FIVEがあり実験的なロッキュメントが続いていく。いろいろなアイディアにあふれた甲斐さんのソロの映像は最近のものだけではなく、できればもっともっとリリースしてほしい。
10月16日、甲斐よしひろソロ35周年記念 ”FLASH BACK Tour2022”をZepp DiverCityで観たが本当にいいライブだった。甲斐さんもMCで言っていたがバンドサウンドが最高でソロの名曲群に新しい解釈を施しながら核になるオリジナルアレンジの部分を残してのロックサウンド。セットリストからもれた他の曲もこのバンドで聴いてみたい。甲斐バンドでのライブはもちろん好きだが甲斐さんはソロ活動も長く時代時代で打ち込みサウンドやアコースティック、ストリングス、キーボードレスバンドなど常に新しい試みをライブで行ってきた。まさに現在のサウンドで鳴らす今回のバンドメンバーはソロの集大成のようだった。
Guitar:土屋公平 (ex.THE STREET SLIDERS)
Drums:吉田佳史 (TRICERATOPS)
Bass:TOKIE (ex.RIZE)
Keyboards:奥野真哉 (ソウル・フラワー・ユニオン)
Guitar:鈴木健太 (D.W.ニコルズ)
甲斐よしひろソロ・デビュー35周年を飾るボックス・セット”HOT MENU”がリリースされた。 まさに重量級のアイテムでソロとKAI FIVEの10作品と未発表ライブ音源のCD11枚組。 すべてロンドン最新デジタル・リマスタリング。 4月にでたベスト盤をはるかに凌ぐヴォリューム感で言葉が出ない程素晴らしい。 パケージも各作品紙ジャケ入りで11枚も入っているのにコンパクトにまとめられていて部屋での収納も困らない。 早速、何枚か聴いてみたが我が家のボロCDプレーヤーでも違いがはっきりとわかるくらいクリアなサウンド。
10月9日大阪からソロ35周年アニバーサリー”FLASH BACK Tour2022”も始まる。 混沌とした時代に甲斐さんがどんなステージを行うのか、とても楽しみだ。

