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時悠人chosan流処世術

★沖縄への思い(1/2):負の遺産

2010-06-24 09:00:24 | 日記・エッセイ・コラム

 沖縄が1972年に日本に返還された当時、私は、東京本社で返還に伴う組織再編作業に従事していた。返還前後の2年間で、沖縄県民の民族性や歴史観に触れ、親近感を持った。

 後年、同系列会社の社員との交流を通じて、人なつっこい笑顔のかげに戦争の負の遺産が重くのしかかっていることに気付いた。そのような折り、1994年に発刊された「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(若林敬著)は、衝撃的だった。故佐藤総理のもとで、沖縄返還の対米交渉にあたった本人の告白書だ。(概要は次回)

 さて、政府の沖縄支援策は、公共事業と基地関連事業、観光を柱としており、多くの安定した雇用を創出する製造業などを育てなかった。労働対価の時給額が全国一低い原因もあてがい扶持の地域振興・支援策ゆえの悲劇だ。

 温和で従順な県民性に一種の諦観を植え付ける支援策を続けた結果、基地と補償抜きでは成り立たない経済構造が出来上がったのだと、私は理解するようになった。