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●高齢者医療費問題

2005-10-23 09:48:52 | 日記・エッセイ・コラム
 10月19日、厚生労働省が発表した医療制度改革の試案は、単なる数字合わせの印象を受ける。

 現在の見通しでは、医療費が2006年度28兆円が2025年度には56兆円になるので、それを49兆円に圧縮する案。患者の窓口負担引き上げや、75歳以上の人だけが入る保険制度の新設等、高齢者の負担を増やすのが柱。政府は、来年の通常国会に関連法案を提出し、2006年度から段階実施をめざすという。

 「高齢者医療費の膨張で国家財政が逼迫する」というと、誰もが「少子高齢化だからやむを得ない」と、あきらめ顔だ。果たしてそうなのか。確かに、患者の負担増で保険から医療機関への支払いが減るほか、必要以上の受診を控える効果もあるかも知れない。病院が老人サロン化しているとの風評もある。

 だが、医者要らずの元気老人だって大勢いる。その人達とのバランス論が出てもおかしくない。受診者抑制効果を望むなら、民間生保のように、保険を使わない人に対して、10年・20年といった節目に「お祝い金」として返還した方が前向きで有効な策かもしれない。
 
 いずれにせよ、医療費全体の構成要素を分析し、何が高騰の主因なのか、医療体系トータルとしてメスを入れる必要があるはず。病院側の過剰サービスと患者側の甘えが、医療費全体を押し上げている気がしてならない。受益者負担だとか支払能力があるとかで、安易に負担増を打ち出すのは改革の名に値しないと思うのだが。