電脳筆写『 心超臨界 』

人の心はいかなる限界にも閉じ込められるものではない
( ゲーテ )

般若心経 《 「色不異空」と「色即是空」――松原泰道 》

2024-07-01 | 03-自己・信念・努力
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今も正月の祝いに欠かせないころ柿(がき)(乾柿)は、渋柿の果実の皮を剥(む)いて、陰干(かげぼ)ししたものです。白柿(しろがき)ともいわれるのは、表面に自然に白粉が生じるからで、甘味も多分にあります。しかし、もとが渋柿でないと、ころ柿はできません。渋がそのまま甘味に昇華するから、この句があるのです。「そのまま」という表現に、新しい甘味の価値の転生が感じられます。したがって「色即是空・空即是色」も「色そのままに空・空そのまま色」と読み換えられます。色と空との関係とは、紙の表裏の関係と同じで、不即不離だというのです。


『わたしの般若心経』
5章 色即是空 空即是色――いかに虚無感を乗り超えるか
舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是
(2) 煩悩とさとりは、不即不離
色即是空 空即是色 受想行識亦復如是
しきそくぜくう くうそくぜしき じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ

◆「色不異空」と「色即是空」

前段の「色不異空」と、これから学ぶ「色即是空(しきそくぜくう)」と、どう違うのか。また「空不異色」と「空即是色(くうそくぜしき)」と、どこがどう違うのか、という疑問が起こります。つまり、不異と即是の差違です

私は不異は〈異質でない〉と説明しました。これに対して「即是」〈すなわちこれ〉と読み、「AはつまりBだと、AとBとの前後に間を置かず、直結して起こることを強調する言葉」であると、辞書は教えてくれます。

この説明によると「色はつまり空だ、空はつまり色だ」ということになり、ある辞書などは、その例示として心経の「色即是空」をあげています。

しかし、仏教語の即是は〈直結の強調〉とは語感が少し異なり、〈そのまま〉をいいます。

〈つまり〉と〈そのまま〉と、どこがどう違うか、きわめてデリケートな語感です。〈つまり〉は“とどのつまり”というように、副詞の〈結局・要するに〉でしょう。

これに対して〈そのまま〉は“あるがまま、そっくりそのまま”というように、状態に少しも変化がないものの、何かの動きの兆しを思わせる語感があります。また〈付きもせず、離れもしない〉二つのものの関係を「不即不離(ふそくふり)」といいますが、それよりも〈それ以上、くっつけることも離すこともできない間柄〉と言ったほうがいいでしょう。

たとえば、一枚の紙の表裏の関係がそうです。紙の表と裏は、決して同じでないことは誰もが知っています。表と裏とに離すことはできませんし、またそれ以上にくっつけることも不可能です。

「煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」といいます。煩悩は〈人間の欲望から起きる心の迷いの総称〉で“百八煩悩(ひゃくはちぼんのう)”といわれるほど無数にある心の迷いです。菩提は〈さとり〉です。煩悩即菩提とは〈煩悩とさとりという相反する心の状態は、不即不離である〉というのです。それも、たんに不即不離でなく、煩悩が昇華する兆しを「即(是)」の一字に感じます。

煩悩と菩提との不即不離を吟じた俳句に「渋柿(しぶがき)の渋そのままの甘さかな」があります。

今も正月の祝いに欠かせないころ柿(がき)(乾柿)は、渋柿の果実の皮を剥(む)いて、陰干(かげぼ)ししたものです。白柿(しろがき)ともいわれるのは、表面に自然に白粉が生じるからで、甘味も多分にあります。しかし、もとが渋柿でないと、ころ柿はできません。渋がそのまま甘味に昇華するから、この句があるのです。「そのまま」という表現に、新しい甘味の価値の転生が感じられます。

したがって「色即是空・空即是色」も「色そのままに空・空そのまま色」と読み換えられます。色と空との関係とは、紙の表裏の関係と同じで、不即不離だというのです。

「色不異空・空不異色」は、質から見た色空(しきくう)の関係で、「色即是空・空即是色」は、現象や状態から見た色空のかかわり合いといえましょう。
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