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電脳筆写『 心超臨界 』

強みは物理的な能力がもたらすものではない
それは不屈の信念がもたらすものである
( マハトマ・ガンディー )

曽野綾子 《 人間には本当の「平等」はあるのか 》

2025-04-20 | 03-自己・信念・努力
20年に及ぶブログ活動の集大成 → <a href=https://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/3d8eb22fad45ce7b19d6a60e8a70b7e7" target="_blank">★仏様の指
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日本ではある時から学校の運動会で駆けっこをしても順位をつけなくなったというでしょう。すべて横並びにして、「結果の平等」を求めるんですね。でもそれは、個性を認めないという意味で逆に不平等です。学校がやるべきなのは、それぞれの個性の違いを平等に認めて伸ばしてあげること、つまり「機会の平等」です。だいいち駆けっこでビリだったのに「あなたも1番!」と言われたところで、負けた子もべつに嬉しくないでしょう。逆に、本当に1等賞だった子にとっては不平等です。


◆人間には本当の「平等」はあるのか

『「与える」生き方』
( 曽野綾子&ケント・ギルバート、ビジネス社 (2020/1/22)、p184 )

【曽野】 日本には「成せば成る」という言葉があるでしょう。たとえば運動が苦手な子でも、努力すればなんとかなる。だから、あきらめるなというわけです。もちろん努力すれば少しは記録が伸びるでしょう。だから、あきらめるなというわけです。もちろん努力すれば少しは記録が伸びるでしょう。でも、努力すれば誰でもオリンピック選手になれるわけじゃない。いくらやっても報われない努力もある。その意味では、人間は決して平等ではありません。

【ケント】 確かに一人ひとりの人間は同じじゃない。走るのが速い人、体力がある人、勉強ができる人、絵が上手い人、人間関係が得意な人……など、人にはそれぞれ個性があり、社会はそうした多様性のおかげで成り立っています。

ところが、日本ではある時から学校の運動会で駆けっこをしても順位をつけなくなったというでしょう。すべて横並びにして、「結果の平等」を求めるんですね。でもそれは、個性を認めないという意味で逆に不平等です。学校がやるべきなのは、それぞれの個性の違いを平等に認めて伸ばしてあげること、つまり「機会の平等」です。だいいち駆けっこでビリだったのに「あなたも1番!」と言われたところで、負けた子もべつに嬉しくないでしょう。逆に、本当に1等賞だった子にとっては不平等です。

【曽野】 確かにそうですね。ただ、私のように戦争を体験した者にとって、「結果の平等」も「機会の平等」もどこか空々しく思えることがあるんです。沖縄を取材していた時に聞いたこんな話があります。

戦争末期、沖縄戦の激戦地となった島尻地方は、あちこち艦砲射撃の弾が飛び交い、安全な場所はもうどこにもない状態だったそうです。そんななかを、旧制女学校の生徒たちが逃げ惑っていました。旧制女学校というのは今の高校2年生までですから、みんな18歳未満の未成年です。そして1人の生徒が、逃げているうちにT字路にぶつかったんですね。後ろには砲火が迫り、もう後戻りはできません。右へ行くか左へ行くか、彼女は決心しかねるんです。

すると先に逃げた女の子が左へ逃げて、数歩行ったところでくるりとモンペからお尻を出して、道端におしっこをし始めた。どうしても我慢できなかったんでしょうね。そこで、後から逃げてきたその彼女は、なんとなくあのおしっこを踏むのはいやだなと考えたのね。だから咄嗟に右へ逃げたんだそうです。すると、その瞬間、左の道に爆弾が落ちた。おしっこをするために立ち止まった少女は、おそらく死んでしまい、後から来た女の子は生き残ったのです。

2人の生死を分けたのは、正義の結果でも何でもない。ただの偶然です。どちらの子も何も悪くない。でも、1人は死に1人は生きるという平等ではない結果が起こります。その時期にその場所に生まれ落ちたことすら、すでに平等ではないのかもしれません。この世は不条理ですね。ちょっと精神論になってしまいましたが、だからこそ、今生きていることに感謝し、その時を精一杯生きることしかできないと思うのです。

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