電脳筆写『 心超臨界 』

称賛は領収書であって請求書ではない
( デール・カーネギー )

英国汽船高陞号を撃沈した東郷元帥

2005-01-15 | 600-経済・企業・リーダーシップ
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「人の上に立つ人になれ―じぶんの『生き筋』が見える人は強い!」渡部昇一、三笠書房、p111、
http://tinyurl.com/4nb7s

東郷元帥が将たる者の器として理想的なのは、一つには豪胆であることだ。肚(はら)がすわっているのである。やる時には肚をすえて断固としてやるからこそ、“将”たり得るのだ。それは日本海海戦の時にはもちろんのこと、すでに日清戦争の頃にも現われている。

明治27年、日清戦争が勃発する1週間ほど前のある日、一つの事件が起こった。そしてこの事件で日本は世界中をアッといわせるのだが、この事件の張本人が東郷平八郎その人だったのである。

当時東郷は巡洋艦「浪速(なにわ)」の艦長で、まだ大佐だった。宣戦布告前だったが、朝鮮沖ですでに清国海軍と渡り合っていた浪速は、そこに、大型汽船を発見する。マストにはイギリス国旗が掲げられているが、よくよく見ると清国陸軍の兵隊が乗っているのがわかった。英国汽船高陞(こうしょう)号で、清国が陸兵輸送のために使用しようとしていたものだ。

そこで東郷はただちに英国人船長に対して下船を命じた。しかし、2時間以上にも及ぶ説得にもかかわらず、何ら応じようとしない。やむなく東郷は、撃沈の命を下し、砲撃する。高陞号は沈み、イギリス人船員は全員救助されたが、清国将兵はほとんどが溺死してしまった。

この事件は、イギリス国民を激怒させた。しかし、やがて詳しい情報が入るにつれ、東郷のとった処置のすべてが国際法にかなっているということがわかり、騒ぎは収まるのである。

清国側と渡り合っていたとはいえ、まだ正式に開戦したわけではない。そのような時にいかに清国将兵を積んでいたとはいえ、当時は世界に冠たるイギリスの籍を持つ船を撃沈させるなど、恐くて並みの心臓の持ち主にできることではない。しかし東郷元帥には、国際法的に合法ということでそれをやってしまう度胸の良さと潔さがあった。
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