電脳筆写『 心超臨界 』

人の心はいかなる限界にも閉じ込められるものではない
( ゲーテ )

人間学 《 牢獄へもっていく「一冊の本」――伊藤肇 》

2024-08-24 | 03-自己・信念・努力
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■緊急拡散『2024年8月発表:トランプ前大統領「米国を再び偉大にするための核心的公約20」』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


フランスの文学者、モンテルランは「この生涯において、何度も読み返し得る一冊の本を持つ人は倖せな人である。さらに数冊を持ち得る人は至福の人である」といっているが、日本の経営者たちが、最後の最後まで読みつづける本というと、『論語』が圧倒的である。


『人間学』
( 伊藤肇、PHP研究所 (1986/05)、p15 )
第1章 人間学とは何か

◆牢獄へもっていく「一冊の本」

フランスの文学者、モンテルランは「この生涯において、何度も読み返し得る一冊の本を持つ人は倖せな人である。さらに数冊を持ち得る人は至福の人である」といっているが、日本の経営者たちが、最後の最後まで読みつづける本というと、『論語』が圧倒的である。「財界総理」と呼ばれた経団連会長の石坂泰三なども、夏、軽井沢へこもる時には、必ず『論語』をもっていったし、よく、こんなこともいっていた。

「『論語』は、昔、矢野恒太さんから、自著の『ポケット論語』を押しつけられてムリヤリ読まされたものだが、実は、その頃はあまり身をいれて読まなかった。ところが、五十をすぎてから新しく読み直してみると、なるほど、矢野さんがいわれたように味わいが深い。しかも平生の考え方、生き方にもぴたりと役に立つ。いうなれば、僕は齢(よわい)八十をこしてはじめて孔子とじっくり膝をまじえて話しあったわけだ」

たしかに嚙みしめればしめるほど味が深くなるし、協和銀行頭取の色部義明などは「もし、牢獄へつながれる時、一冊だけ本の携帯を許されるとしたら、わたしは躊躇なく『論語』をもっていく」といいきっているほどである。

その論語の中で、学問的な鍛錬を欠く人間が必ず陥る偏向について、孔子が子路を戒めている。

――仁ヲ好ミテ学を好マザレバ、ソノ弊(へい)ハ愚。
  〈学問によって鍛錬されていない愛情、それは愚者の愛情である〉

――知ヲ好ミテ学を好マザレバ、ソノ弊(へい)ハ蕩。
  〈知識だけを身につけたというのでは、単なるものしりにすぎない。
  そんなものは人生を問題にしている間はカッコいいが、人生が問題
  となった時には全く役にたたない。この知識も一歩進むと、ことに
  当って「この問題はこう処置しよう」とか「かくあらねばならぬ」
  と原理原則をもつようになる。それが見識である。ところが、見識
  だけでは未だしである。一つの事をやろうとすると、どうしても反
  対がでる。いや、見識が高ければ高いほど、低俗な輩(やから)が反
  対する。それらの反対、妨害を断固として排除し、実行するのが胆
  識である。せっかく、知識や見識をもっていても胆識がないと優柔
  不断に陥ってしまう〉

――信ヲ好ミテ学を好マザレバ、ソノ弊(へい)ハ賊(ぞく)。
  〈学問を伴わぬ信義、それはヤクザの仁義だ〉

――直ヲ好ミテ学を好マザレバ、ソノ弊(へい)ハ紋。
  〈単純率直なばかりで、いろいろな場合の適応を学ばないと「ソノ
  弊ハ紋」つまり、偏狭な正義感によって人に自説を押しつけること
  になる〉

――勇ヲ好ミテ学を好マザレバ、ソノ弊(へい)ハ乱。
  〈暴虎馮河(ぼうこひょうか)の勇は、世の中の秩序を乱すだけの
  ことである〉

――剛ヲ好ミテ学を好マザレバ、ソノ弊(へい)ハ狂。
  〈戦争時代の日本を考えれば、思い半ばにすぐるものがあろう〉
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 活眼 活学 《 素というもの=... | トップ | 生きるための杖ことば 《 平... »
最新の画像もっと見る

03-自己・信念・努力」カテゴリの最新記事