Kitchen chattering

つまみ食いをしながら料理を作るように楽しく萌え話

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船乗りの迷信と生贄の羊

2005-02-15 | 洋画(《M&C》)
 迷信に縛られるのは、文明化されていない証拠──。

 現実主義者で気骨があるドクターは、運命は自分で切り拓くもの。人の力の及ばぬところであれば、神の御心として謙虚に受け止めるべきものと思っているので、ホロムの件ではジャックまでが“ヨナの呪い”という言葉を口にしたことにショックを受けるわけです。
 それに対し、唐突に様相を一変させる海の気紛れ、その恐ろしさをいやというほど味わってきたジャックは、「君の本にすべてが書かれているわけじゃない」(科学では説明し様のないことはあるものだ)と返すんですが、実際酷く頭が痛かっただろうと思います。

 シャーロット=マクラウド著のシャンディー教授シリーズに、“有事にあって、目を見張るような力を発揮することは誰にでも出来る、容易いことだ。日常の一見地味に見える苦難を、愚痴をこぼすことなく耐え忍ぶことこそ、真の男らしさと言える”というような一節があり、そのときは「なるほど」と思ったのですけれど、ウォーリーを助けに行けなかったホロムの臆病は、あまりにも情けなかったので、ジョーやジャックならずとも彼に嫌悪感を抱くのは必然だと考えますし、それでもジャックは艦長という立場にある以上、艦の規律を乱さないためにもある程度ホロムを擁護しなければならないわけですから。

 士官候補生皆が皆、いいところのお坊ちゃんじゃないにせよ、「自分はいずれ士官になるんだ」という意識は、非常に強いバック・ボーンとなって彼らを支えると思うのです。
 カラミーとブレックニーはそのいい見本。
 思うに、水兵たちと士官候補生以上の関係は、領民と領主のそれになぞらえられるでしょう。ブレックニーは伯爵の子息ですから、そのままですね。
 平水夫の働きの上に、特権階級が成り立っている以上は、彼らを守る義務が生じるのに、ホロムにはそれが出来なかった。
 だからああなっても仕方がないなんて微塵も思いませんが、弱いことが許されない海に出たのは──それも軍艦に乗ったのは、間違いだったんでしょう。
 原作の彼はひとまず置いておいて、陸で聖職者にでもなればよかったのではないかと思います。

 なんて、平気そうに語っていますけど、あのエピソードは何度観ても辛いです。キツイです。
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