昨日、日経の一面TOPに下記の記事が掲載されました。
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■角川・ドワンゴ統合~アニメなど「ニコ動」で海外へ
20140514 日経
※「角川書店」で知られるKADKAWAと、動画配信大手ドワンゴが経営統合する方針を固めた
↓
来年春にも持ち株会社を設立して2社が傘下に入る
↓
豊富なコンテンツと高いインターネット発信力を併せ持つメディアが誕生する
※ドワンゴ
・ニコ動のほか映画やアニメ、ゲーム等の多様なコンテンツをネット配信する「ニコニコ」を手掛ける
↓
・登録会員(2013年12月時点)=3758万人
うち有料会員=217万人
↓
ユーザーの8割が40才未満と若い世代に広く浸透
※統合によりKADKAWAは4000万人弱の会員組織を持つドワンゴのネット配信サービスというノウハウを活用
↓
映画や多様なコンテンツを直接提供できるようになる
↓
国境を簡単に越えられ、配信コストの安いネットサービスを持つことで、海外へのコンテンツ配信を拡大する基盤を整える
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そして、14日の両社の記者会見.
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角川会長「ようやく、川上さんという若い経営者を手にした」
新会社「KADOKAWA・DWANGO」の目指す姿は
20140514 ITmedia
(以下抜粋)
○「ボカロ小説などニコニコ動画発の創作物が角川の出版物の重要な部分を占めるようになったことも、統合の大きなきっかけになった」(角川会長)
○「日の丸プラットフォームを両社で作ろう」(角川会長)
○「ニコニコ動画というメディアはYouTubeに対抗できる。クールジャパンをリアルで推進してきた角川と、ネットから推進してきたドワンゴが一緒になる。21世紀のイノベーションを実現しないといけない」(角川会長)
○「統合後もKADOKAWAはYouTubeにコンテンツを提供するだろうし、われわれもKADOKAWA以外のコンテンツもやる。囲い込むための統合ではなく、オープンな統合だ」(川上会長)
○両社の統合は、コンテンツを持つKADOKAWAと、プラットフォームを持つドワンゴの融合と報じられがちだが、川上会長は「その理解は違うのでないか」と指摘。KADOKAWAは、書籍や雑誌などのコンテンツと、書店販売網というプラットフォーム両方を持っていると話す。
ドワンゴは「ニコニコ動画」を中心としたプラットフォーム事業者とみられがちだが、ニコニコ超会議やニコニコ生放送のオリジナル番組など、「コンテンツを作ろうとしてきた会社」(川上会長)でもある。
○「コンテンツとプラットフォーム、両方を提供してきた会社が1つになるのは、非常に相性がいいのではないか」(川上会長)
○「ネット企業は、1つのことに絞る専業がこれまでの趨勢だったが、それが正しいかは疑問だ」とも。PCメーカーが苦境に陥り、OSとハードを統合して提供してきたAppleが勢いを増している現状を指摘し、「専業か垂直統合かは環境や時代の流れによって変わる。これからコンテンツをネットで展開する上では、両方を提供するのがベストのモデルではないか」(川上会長)
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これを読んだら「川上量生」という人について知りたくなりました。
で、
過去のインタービューを探してみたら
スゴイのがありました。
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ジブリは決して続編を作らない有名ゲームスタジオのようなもの――スタジオジブリに入社したドワンゴの川上量生氏が見た,国内最高峰のコンテンツ制作の現場とは
20110619 4gamer
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とてつもなく面白いインタビューですね。
以下、特に面白かったというか腹落ちしたブロックを2か所だけ抜粋します。
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○コメント1
やっぱり最初の人って,いろんな方法を模索するんですよ。表現方法とか演出とか,そういうのを片っ端から試していって,その中で「これがいい」というのを選んでいくわけじゃないですか。
ところが,後から来た人というのは,その結果のこれがいいよねっていう,決まった答えの中で作品を作ろうとしちゃうんじゃないですかね。そうすると世界が狭くなっちゃいますよね。
しかも,市場が成熟するにつれて,だんだんとコンテンツを作るためのコストが上がっていって,結果として事業のリスクが高くなって,若い人が実験をしづらくなってしまう流れもある。そういうコンテンツ業界全体に言える構造が,新しい発展を拒んでいるんだと思うんですよ。
結局,「何が目的か」なんじゃないですか。お金儲けが目的なのか,そうではなくて,作品を作るのが目的で,そのためにお金儲けもしなきゃいけないのか。スタジオジブリのスタンスは,明らかに後者なんですよね。というか,恐らくはちゃんと物を作っているところというのは,多分そういう組織だと思うんです。
○コメント2
僕には主義があって,それは「新しいことをやる時は,人に説明しない」ということなんです。なぜかと言うと,新しいチャレンジをやる時というのは,必要な人が知っていれば十分で,それ以外の人は邪魔なだけだからです。
もちろん,僕が「一緒にやりたいな」と思う人には説明をするんですけど,そもそもほとんどの社員は「関わりたくない」って考えているもんなんですよ。新しいことは,即ち危険なことでもありますからね。そして,関わりたくないと思っている人に向かって説明することほど空しいことはないわけですよ。理解する気が最初からないのですから。そんなのはまったくの無駄ですよね。
だから,僕が新しいことをやるときは,人に説明をしないですし,会社のリソースもほとんど使いません。着メロサイトを作ったときも,ドワンゴの社員は一人も使わなかった。企画当初のニコニコ動画にしたって,実質的にドワンゴの人間が関わっていたのは,ほんの数名ですよね。
逆に新事業は,そうじゃないと失敗します。会社にいる人たちを絡ませたら,大抵すぐにサボタージュが始まるし,逃げるし,理解しない。そういう人達に説明するのも面倒くさいんですよね。
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いやいやいや・・・
この統合は、
最終的には、
ドワンゴの方が角川を飲み込む結果に結び付くかもしれませんね(笑)
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※The reason why the title is“広告代理店はイヌと同じだ”
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■角川・ドワンゴ統合~アニメなど「ニコ動」で海外へ
20140514 日経
※「角川書店」で知られるKADKAWAと、動画配信大手ドワンゴが経営統合する方針を固めた
↓
来年春にも持ち株会社を設立して2社が傘下に入る
↓
豊富なコンテンツと高いインターネット発信力を併せ持つメディアが誕生する
※ドワンゴ
・ニコ動のほか映画やアニメ、ゲーム等の多様なコンテンツをネット配信する「ニコニコ」を手掛ける
↓
・登録会員(2013年12月時点)=3758万人
うち有料会員=217万人
↓
ユーザーの8割が40才未満と若い世代に広く浸透
※統合によりKADKAWAは4000万人弱の会員組織を持つドワンゴのネット配信サービスというノウハウを活用
↓
映画や多様なコンテンツを直接提供できるようになる
↓
国境を簡単に越えられ、配信コストの安いネットサービスを持つことで、海外へのコンテンツ配信を拡大する基盤を整える
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そして、14日の両社の記者会見.
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角川会長「ようやく、川上さんという若い経営者を手にした」
新会社「KADOKAWA・DWANGO」の目指す姿は
20140514 ITmedia
(以下抜粋)
○「ボカロ小説などニコニコ動画発の創作物が角川の出版物の重要な部分を占めるようになったことも、統合の大きなきっかけになった」(角川会長)
○「日の丸プラットフォームを両社で作ろう」(角川会長)
○「ニコニコ動画というメディアはYouTubeに対抗できる。クールジャパンをリアルで推進してきた角川と、ネットから推進してきたドワンゴが一緒になる。21世紀のイノベーションを実現しないといけない」(角川会長)
○「統合後もKADOKAWAはYouTubeにコンテンツを提供するだろうし、われわれもKADOKAWA以外のコンテンツもやる。囲い込むための統合ではなく、オープンな統合だ」(川上会長)
○両社の統合は、コンテンツを持つKADOKAWAと、プラットフォームを持つドワンゴの融合と報じられがちだが、川上会長は「その理解は違うのでないか」と指摘。KADOKAWAは、書籍や雑誌などのコンテンツと、書店販売網というプラットフォーム両方を持っていると話す。
ドワンゴは「ニコニコ動画」を中心としたプラットフォーム事業者とみられがちだが、ニコニコ超会議やニコニコ生放送のオリジナル番組など、「コンテンツを作ろうとしてきた会社」(川上会長)でもある。
○「コンテンツとプラットフォーム、両方を提供してきた会社が1つになるのは、非常に相性がいいのではないか」(川上会長)
○「ネット企業は、1つのことに絞る専業がこれまでの趨勢だったが、それが正しいかは疑問だ」とも。PCメーカーが苦境に陥り、OSとハードを統合して提供してきたAppleが勢いを増している現状を指摘し、「専業か垂直統合かは環境や時代の流れによって変わる。これからコンテンツをネットで展開する上では、両方を提供するのがベストのモデルではないか」(川上会長)
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これを読んだら「川上量生」という人について知りたくなりました。
で、
過去のインタービューを探してみたら
スゴイのがありました。
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ジブリは決して続編を作らない有名ゲームスタジオのようなもの――スタジオジブリに入社したドワンゴの川上量生氏が見た,国内最高峰のコンテンツ制作の現場とは
20110619 4gamer
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とてつもなく面白いインタビューですね。
以下、特に面白かったというか腹落ちしたブロックを2か所だけ抜粋します。
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○コメント1
やっぱり最初の人って,いろんな方法を模索するんですよ。表現方法とか演出とか,そういうのを片っ端から試していって,その中で「これがいい」というのを選んでいくわけじゃないですか。
ところが,後から来た人というのは,その結果のこれがいいよねっていう,決まった答えの中で作品を作ろうとしちゃうんじゃないですかね。そうすると世界が狭くなっちゃいますよね。
しかも,市場が成熟するにつれて,だんだんとコンテンツを作るためのコストが上がっていって,結果として事業のリスクが高くなって,若い人が実験をしづらくなってしまう流れもある。そういうコンテンツ業界全体に言える構造が,新しい発展を拒んでいるんだと思うんですよ。
結局,「何が目的か」なんじゃないですか。お金儲けが目的なのか,そうではなくて,作品を作るのが目的で,そのためにお金儲けもしなきゃいけないのか。スタジオジブリのスタンスは,明らかに後者なんですよね。というか,恐らくはちゃんと物を作っているところというのは,多分そういう組織だと思うんです。
○コメント2
僕には主義があって,それは「新しいことをやる時は,人に説明しない」ということなんです。なぜかと言うと,新しいチャレンジをやる時というのは,必要な人が知っていれば十分で,それ以外の人は邪魔なだけだからです。
もちろん,僕が「一緒にやりたいな」と思う人には説明をするんですけど,そもそもほとんどの社員は「関わりたくない」って考えているもんなんですよ。新しいことは,即ち危険なことでもありますからね。そして,関わりたくないと思っている人に向かって説明することほど空しいことはないわけですよ。理解する気が最初からないのですから。そんなのはまったくの無駄ですよね。
だから,僕が新しいことをやるときは,人に説明をしないですし,会社のリソースもほとんど使いません。着メロサイトを作ったときも,ドワンゴの社員は一人も使わなかった。企画当初のニコニコ動画にしたって,実質的にドワンゴの人間が関わっていたのは,ほんの数名ですよね。
逆に新事業は,そうじゃないと失敗します。会社にいる人たちを絡ませたら,大抵すぐにサボタージュが始まるし,逃げるし,理解しない。そういう人達に説明するのも面倒くさいんですよね。
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いやいやいや・・・
この統合は、
最終的には、
ドワンゴの方が角川を飲み込む結果に結び付くかもしれませんね(笑)
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※The reason why the title is“広告代理店はイヌと同じだ”
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