広告代理店はイヌと同じだ!【表】

現役広告営業マンの日乗
~表題は某社宣伝部長の金言から(3/19参照)~

負けるな! 雑誌メディア

2008-09-28 11:39:49 | 出版ビジネス
「月刊現代」「ロードショー」「論座」──月刊誌の休刊が相次ぎ、雑誌不況は「もはや底なし」。ネットとの競合、広告費の減少、活字離れなどの背景が指摘される中、現役編集長は何を考えているのか。

雑誌不況、底なし ネット台頭、生き残りは「存在価値」(産経新聞)

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というわけで、雑誌は未曾有の不況を迎えているらしい。

言うまでもなく、

原因の最大のものは、

携帯やインターネットの普及である。

これにより

情報が無料化すると共に、

伝播のスピードも飛躍的に速くなった。



今の時代、

雑誌が特ダネや魅力的なコンテンツを掲載しても

すぐに誰かがネットにアップし、

それが

皆から寄せられる情報によって

雪だるまのように着膨れしていき

あっという間に、そのネタの情報大全集ができてしまう。


雑誌はネタを最初の提供しただけで終わり、

その記事を読むために、みんなが雑誌を購入する、

とは、ならない。

そういうことだと思う。






よく、出版関係者が

こうした現象を指して

週刊誌がせっかく苦労して特ダネを獲得しても部数が伸びない・・・と

嘆いているのを見かける。




でも、

出版関係者が、それを言ったらおしまいだと思う。

雑誌が日本に根付いて100年かそこらかだろう。

(かわら版から考え始めればもっと古いけど)

情報源が限られた時代から

同じビジネスモデルで

その時代と同じスタンスで

雑誌を作り続けられている方が不思議なのだ。

上記のような環境で

100年前と同じように特ダネを提供すれば雑誌が売れ続ける、

そう信じている方がおかしい。



ネットが雑誌を邪魔しているから、ではなく、

消費者(読者)の情報基盤が変わったから、

ということに意識を変換すべきなのだ。



私は雑誌の可能性を否定するものではない。

ネットが普及したから、

雑誌の役割が終わったとは思っていない。

雑誌をめくって読んだり、見たりする楽しみは独特のものだ。


今は、

不況に加えて

無料のネットやケータイと「価値」が被ってしまったから、

苦戦しているだけで

差別化をきちんと図れば、

雑誌には新しい活躍ができると思っている。



ただし、

雑誌はビジネスモデルを見直す必要がある

そう思う。





雑誌はネットを研究し、

差別化できる独自のポジションを作られねばならない。

それには、

独自のコアコンピタンスを見極めることから始めなくてはならない。


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■雑誌のコアコンピタンス。


①雑誌社には「ブランドと資金力」があるということ。

②雑誌には「ブランドと読者」という資産があるということ。

③「編集者」という資産があるということ。

④「リアルの店頭・流通」におかれるということ。

⑤雑誌からなら、ネットといくらでも「連動ができる」ということ。

⑥保存性が高いということ。

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※①②③があるから、
特ダネがとれる、皆がほしがるコンテンツを生み出すことができる。
作家や有名人が集まってくる。
これはネットにはできないこと。何せあちらは「ただ(無料)」が基盤なのだ。



ここらあたりまで立ち戻って、

新しい「雑誌のあり方」を考え直すと面白いと思う。




所詮、相手は

「ただ(無料)」「便利」を基盤とした情報のネットワークに過ぎないのだ。

情報を創造するプロ、金に換えるプロではない。



そこらあたりをシンプルに考えて

ビジネスモデルを組み立てなおすと

意外とあっさりと、

雑誌にしかできない新しい価値が創造できるのではないかと思う。







たかが広告会社の営業風情が生意気かと思いましたが、

記事をみてあまりにイライラしたので、書きました。

うぅう、まだイライラする、ここから先を提案したい・・・。








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※The reason why the title is“広告代理店はイヌと同じだ”

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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その通りだ! (LEO3)
2008-10-14 23:26:25
うん、その通りだと思いますよ。
もう一回、リソースの棚卸をして戦略を立て直して、次世代のビジネスモデル=儲ける仕組み、の再構築です。
がんばれ雑誌!
返信する
コメントありがとうございます。 (ちょいな♪)
2008-10-15 07:10:54
ネットのビジネスモデルは
究極は効率から成り立っていると思います。
したがって頭の中で組み立てられ、
あらかじめ想定できる範囲が大きい。
対して、
雑誌やリアルのメディアは効率では計れない。
失敗した時のリスクも大きい。
そこに難しさがあるんだと思います。
私が言うようなことは
たぶんみんな考えてらっしゃるのだろうな・・・と。


でも、
過去にこうした効果が予測できないものを
成功させてきた実績のある
雑誌社が、
ネットをライバル視するんじゃなくて
道具としてうまく「利用」するようになったら
想像を超えた「雑誌」が誕生すると思いますし、
新しい文化が生まれると思います。

早くそういう事例が見たいと思います。
返信する

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