サクラサク

また風邪をひいてぐずる週末、うらはらに昨日は春の陽気。その陽気できっと桜が咲いたはず、寝てる場合じゃないのだ。ということで、いざ近所の桜の並木道へ。
おとといまでは固く結んでいたつぼみが、一気に開いていた。幹の下方の枝から順に3～5分咲き。強くなってきた風に舞うようにゆれる。透けてしまいそうな薄い花びらが揺れるに合わせて胸もざわつく。春が来た！
高校卒業し上京した春、東京の桜の木の大きさ多さに、江戸の人たちがどんなにこの花を愛でたかを知った。いつもくすむ東京の街をおおうがごとく咲き誇る桜。薄紅の花弁は群雲となって全てを多い、いっせいに風に揺れるざわめきに時空さえも揺れている感覚に陥る。夢か現か樺桜。その柔らかな桜色にずっと夢をみていたいよな。愛してやまない花。
ゆっくりと並木道を歩く。風が吹くと、その可憐な花びらの下にそっとしまわれたみずみずしい香りがこぼれる。来週にはきっと満開になってる、その姿を心待ちにしながら、体が冷え切る前に部屋にもどったのでした。