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映画音楽史(123) 『甘い生活』 1960年公開

2014-05-08 00:13:25 | 映画音楽



『甘い生活』 La Dolce Vita (伊) 1960年制作
監督 フェデリコ・フェリーニ
音楽 ニーノ・ロ-タ
主演 マルチェロ … マルチェロ・マストロヤンニ
    シルヴィア … アニタ・エクバーグ
    マッダレーナ … アヌーク・エーメ
    スタイナー … アラン・キュニー
    エンマ … イヴォンヌ・フルノー
主題歌 『甘い生活』 ( La Dolce Vita ) 演奏・サウンドトラック
挿入歌 『パトリシア』 ( Patricia ) 演奏・ペレス・プラード楽団

目的を失った上流人、マスコミの愚劣さ、形式ばかりの宗教、激しい貧富の差など、経済高度成長の一方で
退廃化してしまった現在イタリア上流社会の病根を鋭い視線で描いたフェリーニの衝撃的な代表傑作。
作家志望のマルチェロは夢を抱いてローマに来たが志破れて今ではゴシップジャーナリストである。大富豪の娘
マッダレーナと一夜を共にしたり、ハリウッド女優のシルヴィアとトレヴィの泉で戯れたりの空虚な生活が続く。
同棲しているエンマが自殺を図るが後悔の気持ちも長くは続かない。マルチェロは友人のスタイナーの華麗な
生活を羨ましく思っていたがスタイナーは子供を連れて無理心中してしまい残された夢も消えてしまった。
ある夜海辺の邸宅で乱痴気パーティーが繰り広げられマルチェロもその狂乱の輪に入り込む。夜が明けて
連中と共に海に出るがそこに打ち上げられて腐敗した怪魚は彼等そのものの姿であった。対岸から清純な少女
ヴァレリがマルチェロに何かを叫んでいるが聞き取れない。マルチェロは少女に背を向けて別荘に戻っていった。

主題歌の『甘い生活』はニーノ・ロータの作曲となっていますが、クルト・ヴァイルの『匕首マッキ―』をアレンジ
したものと思われます。映画ではトレヴィのシーンなど全編につかわれていました。リリースされているサントラ
盤はニーノ・ロータ楽団が演奏していますが、音楽としてはファウスト・パペッティ楽団が秀逸でしょう。

↓はニーノ・ロータ楽団の『甘い生活』 YOUTUBEより


聞き比べのために こちらもUPしておきます。
↓はファウスト・パペッティ楽団の『甘い生活』 YOUTUBEより


また、乱痴気パーティーで使われていた『パトリシア』はペレス・プラードの作曲によるものです。
1958年に作られたこの曲はロックとマンボを融合したロカマンボというニューリズムでエレクトリックオルガンを
使用した魅力的なサウンドで全米チャートのトップにも輝きました。
フランス映画ではモダンジャズが流行しましたが、イタリア人はマンボがお好きなようで両国のお国柄がよく
表われていますね。

↓はペレス・プラード楽団の『パトリシア』 YOUTUBEより



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2 コメント

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chochinさん、お早うございます (オンリー・ザ・ロンリー)
2014-07-10 05:24:40
東和とヘラルド、なるほどです。

子供だった僕は、アニタのこぼれんばかりの
バストを見たくクラスの数人と観に行きました。
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オンリー・ザ・ロンリーさんへ (CHOCHIN)
2014-07-11 03:36:57
確かに思春期の男の子には目の毒でした。
のちのボッカチオ'70で、
アニタの巨大な看板を見た大の大人が
悩みこむほどですから… (笑)
返信する