今回のお気に入りは、THE FISHです。
札幌市が販売した「SAPPOROお店応援商品券」は大人気でしたが何とか手に入れることができました。
1万円で12000円分の買い物ができる商店振興商品券。
早速書店の図鑑コーナーであれこれ手に取って検討し、何冊か購入しました。
今回ご紹介するのはその一冊。
「THE FISH ~魚と出会う図鑑」長嶋祐成 文・画
昨年、月刊イラストレーションという雑誌で初めて彼の絵を観ました。
彼が描いた魚の絵はとても独創的で印象的だったです。
よくある細密描写ではなく、どちらかというと貼り絵のようです。
姿形も色数も最低限に絞って描いています。
それでいて魚たちが生き生きとして見えるのです!
これこそ天から与えられた才能でしょうか。
本書を読んで、彼の魚への愛が絵に現れているからなのだと気づきました。
出版社の内容紹介を引用します。
=====
身近な生きものであると同時に、世界中に多様な姿で生き、私たちの知らない場所ともつながっている「魚」。
人間の目の前に現れるときのその瑞々しい姿に、絵と文章を通して出会う図鑑。
何気なく見ていたあの魚が、
一瞬で、特別な生き物になるーー
毎日をもっと楽しくする、全145の魚たち。
【「まえがきにかえて」より】
ただ想像するにすぎなかった生き物が、形をもって目の前に現れる。
それは思い描いていた姿と違ったり、あるいはその通りだったりしながら、現実の手触りをともなって僕の世界に位置を占める。
その都度、僕は新たな測量を得て地図を描き直し、描き加え、新しい色を置く。
その喜びは何物にも代えがたい。
だから今日まで、飽きることを知らず、魚との出会いを求め続けている。
=====
幼い頃、父と釣った魚。
大人になり一人で釣った魚。
全国あちこちで釣った忘れがたい魚。
石垣島に居を移し、シュノーケリングやスキンダイビングで出会った魚。
いろいろな魚が描かれ、それについての思い入れが語られています。
子どもの頃に魚の美しさを知った彼は、その美が死後一気に衰えることから、美を長く保存するために絵を描くようになりました。
“魚譜画家”を自称する彼の絵は、彼の魂というフィルターを通して描かれています。
貼り絵のような独特な描き方でありながら生き生きとした魚の美を堪能できる画集です。
絵に添えられた文章で印象に残った話をいくつかご紹介します。
・サバの背の青は透明感があって美しい。
まるで深い滝つぼをのぞき込んでいるようだ。
クーラーボックスから出すとその美しさはもう失われていた。
・幼き日に買ってもらったピラニアの幼魚4匹。
メダカを襲う姿。
共食いの末、1匹だけ残ったそう。
・初めてのスキンダイビング。
深くなるごとに赤い色は失われ、青い色に統一されていく。
ライトを向けると元通りの色彩が蘇る。
・カクレクマノミはイソギンチャクに守られるだけの弱い存在ではない。
画家が近づくと盛んに威嚇を繰り返し、やがてイソギンチャクに隠れた。
カクレクマノミの顎が逞しい輪郭であることに気づいた。
またイソギンチャクの卵や粘液を食べることもあるそう。
・銛で貫かれたアオリイカは必死に逃れようとし、体色を目まぐるしく変える。
目と目の間にナイフを入れて締めると、目の光が失われ、体色が一気に白くなった。
・日本にもわずかに生息するテッポウウオ。
水中から水鉄砲を飛ばすだけにあらず。
ルアーフィッシングで投じたルアーめがけて空中を舞った。
さらに水中に落ちたルアーにも飛びつきあっという間に釣れた。
ルアーフィッシングは魚を騙すのではなく、小魚を演じることに楽しみがある。
これを読んで、ルアーフィッシングがとても魅力的に感じられました。
・昼と夜で模様が異なるテンジクダイ。
海外で夜釣りした魚が日本でよく釣っていた魚だったことに驚いた。
昼と夜で模様が異なる魚は良くいるので昼間に釣ってみるとやはり模様が違った。
専門家に確認すると自分が思っていた種とは別の種だった。
しかも日本で釣っていた魚も思っていた種と違った。
これを読んで「昼と夜で模様が異なる魚は良くいる」という事実に驚愕しました。
魚の世界は奥深いですね。
他の生き物でもそういうことってあるのでしょうか?
皆さんも本書を鑑賞してみてはいかがですか?
魚の観方が変わるかもしれません。
札幌市が販売した「SAPPOROお店応援商品券」は大人気でしたが何とか手に入れることができました。
1万円で12000円分の買い物ができる商店振興商品券。
早速書店の図鑑コーナーであれこれ手に取って検討し、何冊か購入しました。
今回ご紹介するのはその一冊。
「THE FISH ~魚と出会う図鑑」長嶋祐成 文・画
昨年、月刊イラストレーションという雑誌で初めて彼の絵を観ました。
彼が描いた魚の絵はとても独創的で印象的だったです。
よくある細密描写ではなく、どちらかというと貼り絵のようです。
姿形も色数も最低限に絞って描いています。
それでいて魚たちが生き生きとして見えるのです!
これこそ天から与えられた才能でしょうか。
本書を読んで、彼の魚への愛が絵に現れているからなのだと気づきました。
出版社の内容紹介を引用します。
=====
身近な生きものであると同時に、世界中に多様な姿で生き、私たちの知らない場所ともつながっている「魚」。
人間の目の前に現れるときのその瑞々しい姿に、絵と文章を通して出会う図鑑。
何気なく見ていたあの魚が、
一瞬で、特別な生き物になるーー
毎日をもっと楽しくする、全145の魚たち。
【「まえがきにかえて」より】
ただ想像するにすぎなかった生き物が、形をもって目の前に現れる。
それは思い描いていた姿と違ったり、あるいはその通りだったりしながら、現実の手触りをともなって僕の世界に位置を占める。
その都度、僕は新たな測量を得て地図を描き直し、描き加え、新しい色を置く。
その喜びは何物にも代えがたい。
だから今日まで、飽きることを知らず、魚との出会いを求め続けている。
=====
幼い頃、父と釣った魚。
大人になり一人で釣った魚。
全国あちこちで釣った忘れがたい魚。
石垣島に居を移し、シュノーケリングやスキンダイビングで出会った魚。
いろいろな魚が描かれ、それについての思い入れが語られています。
子どもの頃に魚の美しさを知った彼は、その美が死後一気に衰えることから、美を長く保存するために絵を描くようになりました。
“魚譜画家”を自称する彼の絵は、彼の魂というフィルターを通して描かれています。
貼り絵のような独特な描き方でありながら生き生きとした魚の美を堪能できる画集です。
絵に添えられた文章で印象に残った話をいくつかご紹介します。
・サバの背の青は透明感があって美しい。
まるで深い滝つぼをのぞき込んでいるようだ。
クーラーボックスから出すとその美しさはもう失われていた。
・幼き日に買ってもらったピラニアの幼魚4匹。
メダカを襲う姿。
共食いの末、1匹だけ残ったそう。
・初めてのスキンダイビング。
深くなるごとに赤い色は失われ、青い色に統一されていく。
ライトを向けると元通りの色彩が蘇る。
・カクレクマノミはイソギンチャクに守られるだけの弱い存在ではない。
画家が近づくと盛んに威嚇を繰り返し、やがてイソギンチャクに隠れた。
カクレクマノミの顎が逞しい輪郭であることに気づいた。
またイソギンチャクの卵や粘液を食べることもあるそう。
・銛で貫かれたアオリイカは必死に逃れようとし、体色を目まぐるしく変える。
目と目の間にナイフを入れて締めると、目の光が失われ、体色が一気に白くなった。
・日本にもわずかに生息するテッポウウオ。
水中から水鉄砲を飛ばすだけにあらず。
ルアーフィッシングで投じたルアーめがけて空中を舞った。
さらに水中に落ちたルアーにも飛びつきあっという間に釣れた。
ルアーフィッシングは魚を騙すのではなく、小魚を演じることに楽しみがある。
これを読んで、ルアーフィッシングがとても魅力的に感じられました。
・昼と夜で模様が異なるテンジクダイ。
海外で夜釣りした魚が日本でよく釣っていた魚だったことに驚いた。
昼と夜で模様が異なる魚は良くいるので昼間に釣ってみるとやはり模様が違った。
専門家に確認すると自分が思っていた種とは別の種だった。
しかも日本で釣っていた魚も思っていた種と違った。
これを読んで「昼と夜で模様が異なる魚は良くいる」という事実に驚愕しました。
魚の世界は奥深いですね。
他の生き物でもそういうことってあるのでしょうか?
皆さんも本書を鑑賞してみてはいかがですか?
魚の観方が変わるかもしれません。