117ー「官女」(1830・天保元年・中村座)
源平の合戦で壇の浦に沈んだ平家の残党や生き残った女官達は、
生活のため、魚や春を売って世を送った。
魚の名前がこんなにも出る長唄は珍しい。
『こちの在所はナ
ここなここな 此の浜越えて
あの浜越えて
ずっとの下の下関
内裏風俗 あだ媚めきて
小鯛買わんか 鱧買やれ
鰈買わんかや 鯛や鱧
これ買うて給いの
あゝしょんがいな
如何に見過ぎじゃ世過ぎじゃとても
お魚売る身は蓮葉なものじゃえ』
●私の住まいはね、この浜を越えてずーと下の下関。
御所の風俗がちょっと場違いな気もするけれど、
「お魚買ってくださいな」
やれやれ、いくら生活のためとはいえ、
魚を売る身はなんともふしだらだねえ。
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
photo by 和尚
源平の合戦で壇の浦に沈んだ平家の残党や生き残った女官達は、
生活のため、魚や春を売って世を送った。
魚の名前がこんなにも出る長唄は珍しい。
『こちの在所はナ
ここなここな 此の浜越えて
あの浜越えて
ずっとの下の下関
内裏風俗 あだ媚めきて
小鯛買わんか 鱧買やれ
鰈買わんかや 鯛や鱧
これ買うて給いの
あゝしょんがいな
如何に見過ぎじゃ世過ぎじゃとても
お魚売る身は蓮葉なものじゃえ』
●私の住まいはね、この浜を越えてずーと下の下関。
御所の風俗がちょっと場違いな気もするけれど、
「お魚買ってくださいな」
やれやれ、いくら生活のためとはいえ、
魚を売る身はなんともふしだらだねえ。
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚