西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

官女

2010-07-08 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
117ー「官女」(1830・天保元年・中村座)


源平の合戦で壇の浦に沈んだ平家の残党や生き残った女官達は、
生活のため、魚や春を売って世を送った。

魚の名前がこんなにも出る長唄は珍しい。

『こちの在所はナ
 ここなここな 此の浜越えて
 あの浜越えて
 ずっとの下の下関
 内裏風俗 あだ媚めきて
 小鯛買わんか 鱧買やれ
 鰈買わんかや 鯛や鱧
 これ買うて給いの
 あゝしょんがいな
 如何に見過ぎじゃ世過ぎじゃとても
 お魚売る身は蓮葉なものじゃえ』
 
●私の住まいはね、この浜を越えてずーと下の下関。
 御所の風俗がちょっと場違いな気もするけれど、
 「お魚買ってくださいな」
 やれやれ、いくら生活のためとはいえ、
 魚を売る身はなんともふしだらだねえ。
 
 〓 〓 〓

tea breaku・海中百景
photo by 和尚
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