西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

俄鹿島踊

2010-06-29 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
109-「俄鹿島踊り」(1813・文化10年・中村座)

俄とは、上方のニワカが先行する、にわかに思いついた芸能のことだが、
吉原の場合は、独自のイベントを指すことばとなった。

新吉原が出来てからおよそ100年後(1762・宝暦12年)、
茶屋の主人たちが、8月1日の九郎助稲荷の祭礼に、俄芝居を仕立てて仲の町を練り歩いた。
これが殊の外受けたもので、調子に乗って数日間続けたのだそうな。

翌年はさらにグレードアップして、芸者たちが芸を競った。
そうこうするうちに、期間も大幅に延長、
8月半ばから9月半ばまで30日間に及ぶ「吉原俄」という名物になった次第。

鹿島とは、茨城県にある鹿島神社のことで、
毎年元旦になると、神官がその年の吉凶・豊凶を鹿島大明神の神託として触れて歩いた。
いつの頃からか偽神官が現れ、
でたらめな託宣をしては、お守りを売りつけるようになったのだが。

『さても見事な神いさめ
 思い寄せたる宮雀
 鈴振る 袖振る 振りもよし
 鳴りも吉原全盛遊び
 浮かれ浮かれて これわいな』

●さあさあ、すばらしい託宣だよ。
 神官さんは今年の予想を持ってきた。
 振り下ろす鈴の音色も絶好調、吉原も今が全盛、
 浮きに浮かれて、やってみよう。

この曲は実際の吉原俄のための曲ではなく、
坂東三津五郎(3代目)の12変化の所作の地として作られたもの。

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚
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