西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

しぐれがさ

2014-07-31 | 長唄考
「しぐれがさ」の歌詞はこうだ。

「思いには どうした花の咲く事と
 身にぞ知らるる 憂や辛や
 いかに習いじゃ勤めじゃとても
 嫌な客にも逢わねばならぬ
 野暮ならこうした憂きめはせまじ
 いとし男は あゝままならず
 首尾の合図や手管(てくだ)の枕
 無理な事でも どうやら可愛い
 馴染み重なり 楽しむ中の
 逢わぬ辛さに焦がれしよりも
 逢うて別るる鐘の声
 別れて逢うて
 逢うて別るる鐘の声
 いつか廓を離れてほんに
 ほんの夫婦と言わるるならば
 今は昔の語り草」

これをバックに、手水鉢を打つ菊之丞の所作が大ヒットし、
京の色町で「無間の鐘遊び」なるものが流行った。

「しぐれがさ」を弾き語る遊女の三味線に合わせて
庭の手水鉢を打つ遊女。
客はヤンヤの喝采だ。

そうこうしているうちに、
「しぐれがさ」はいつしか「無間の鐘」と呼ばれるようになり、
ついには正式の題名になってしまったのだ。


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photo by 和尚

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