西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

今藤長一郎

2012-11-19 | 薄まる文化

薄まる文化-13

長之氏が亡くなってもう11年が経つ。

いまや勢力図が塗り替えられ、
いろいろな唄うたいが台頭しているが、
なかでも私は今藤長一郎氏の唄が好きだ。

長一郎氏は京都での少年時代から文子先生の弟子で、
同じく学生時代に文子先生に習っていた、長之氏と同じ匂いがする。

天性の喉に上方の感性。
まだ中堅なのでタテの機会は少ないが、
何ともすいたらしい品のある唄だ。

長唄の初期、京都に坂田兵四郎という名人がいたのだが、
兵四郎が唄った「傾城道成寺」や「無間の鐘」などの唄を聞くと
(もちろん伝存している節からの想像)、
なぜだか長一郎氏とイメージがだぶってしまう。

私は密かに、長一郎氏は兵四郎の生まれ変わりではないかと思っている。


 〓 〓 〓
tea break・海中百景
photo by 和尚
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする