西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

吉原雀 

2010-03-02 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
7-「吉原雀」その2


『素見ぞめきは椋鳥の
 群れつつ啄木鳥格子先
 叩く水鶏の口まめ鳥に
 孔雀ぞめきて目白押し
 見世清掻のテンテツトン
 さっさ押せ押せ』

●ひやかすだけの客は田舎者さ。群れて来ては見世先で、騒ぎ散らす。
 きれいな衣装で居並ぶ女郎をひやかし、押し合いへし合い。
 さあさあ開店だよ、いらっしゃい、いらっしゃい。

夕方の六時が吉原の夜見世の開店時間だ。
その合図が、清掻(すががき)というもので、三味線を弾く新造(遊女の妹分)が受け持つ。
各見世でそれが一斉に始まるのだから、土手八丁を歩いている客は心がはやって足もそぞろだ。

清掻が始まると、仕度を終えた遊女が二階から下りて来て、格子の間(つまりは飾り窓)に並ぶ。
遊女はそこで、文を書いたり、煙草を吸ったりしながら、鷹揚に客の付くのを待つ。
 

 〓 〓 〓

tea breaku・海中百景
photo by 和尚
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする