この10年ほどGWは毎年のように台湾に出かけている。
行かなかったのは娘が大学に入学した年と家を新築した年、そして今年。
今年も迷ってはいたのだが、この年齢になるとさすがに帰国翌日の仕事はきつい。
4日ほどの連休では体がもたなくなったのが大きな理由とは、我ながら情けない。
初めて夫に連れられて台湾を訪れたのは2004年の7月だった。
桃園国際空港に降り立った時、スパイシーな香りがしたことを今も覚えている。
あとで気がついたことだが、スパイスの八角の香りだったようだ。
日本よりはるかに蒸し暑い台北をふたりで歩き回った。
まずは「国立故宮博物院」に。
今はお色直しも済んで美しく生まれ変わったが、当時は工事中だった。
中国史は一般人以下のレベルだが、台湾の至宝はどれもこれもすばらしかった。
その後2005年3月と2005年12月に、それぞれ息子、娘と故宮博物院に行ったが、
展示品は常設しているもの以外は毎回少しずつ入れ替わっていた。
すべての収蔵品をみるのに10年必要といわれているのもうなずける。
日没前にはMRTに乗って台北駅から約35分。
夕日が美しいと言われている「淡水」へ。
淡水は道路沿いに食べ物を販売する店や屋台が立ち並んでいる。
日本ではお目にかかれないような食べ物も多くあり、すべてが珍しかった。
サトウキビをしぼっただけのジュースや、
漢字だけ読むと怖くて食べられないようなものまで。
食べてみると、香辛料には慣れてないが味は絶品なものが多い。
おそるべし、台湾B級グルメといったところ。
夫と淡水の路地裏を歩き回った。
「あれ、こんなところに超有名コーヒー店?」と思ったが、
よくよく見ると、カブトムシやクワガタを販売している昆虫ショップだった。
「うまい!」と夫と大笑いした。
あまりにもそっくりで思わず写真を撮ってしまったけれど、
1年後に訪れたときはなくなっていた。
似すぎていたので、クレームがきたのかなあ。
連日真夏日にもかかわらず、とにかく初めてなのでお定まりの観光コースをとにかく歩いた。
中正紀念堂で。
遮るものが何もない広大な敷地に巨大な建物が建つ。
蒋介石さんはとにかくすごい人だったんだと思うけれど、
私は「今まで生きてきた中でこんなに汗をかいたのははじめて。」などと
罰あたりな感想しか出ないくらい暑かった記憶しかない。
(だがこの4年後高雄でもっと暑い思いをするとは、この時の私は夢にも思わなかった・・・)
そして当時世界一高かった「台北101」。
まだ完成してなくて、展望台へは行けなかった。
その後2005年の12月に家族4人で台北101の展望台に登った。
台北市内が一望でき、すばらしかった。
この時久しぶりに家族4人で撮ってもらった写真を、
私のワンプッシュでデーター削除してしまったことは痛恨の極みだ。
初めて訪れた台湾の印象が強すぎて、この後何度も足を運ぶようになる。
私が小さかったころの昭和の古くささと、近代的な新しさの混在する国。
一言でいうと「昭和のかおりが残る国」かなあ。
私にとって台湾は、異国に来たというより、なぜか懐かしさを感じさせる国。
今では台北の空港に降り立つとなぜか、
「ああ、帰ってきた。」と思うのは私だけかな。