クララのあしあと

英国ゴールデンレトリバーとの暮らしのあしあと

「台北の街角で」をめぐる話

2013年04月15日 | 日記

浅田次郎さんの小説が好きだ。
プリズンホテル、蒼穹の昴、鉄道員などなど、本を買っては読みあさっていた時期があった。
くすっと笑って、あとでホロリとさせる。読み終わった後、心に温かいものが残るような作品が多い。

先日kindleにダウンロードする本を物色していたら、浅田次郎さんのエッセイはおもしろい、とのコメントを発見した。
あれ、エッセイは読んだことがない。これは人生損した気分とばかり、「つばさよつばさ」と「アイム・ファイン!」をダウンロードした。
就寝前に一編読むのが私にはちょうど良い。


ところで「つばさよつばさ」のなかの「台北の街角で」を読んでいるとき、あれ?どこかで読んだことがあるぞと思った。

パステルカラーの挿し絵などもあったような、なかったような・・・思い出してみても、どこで読んだかわからない。
なんでもJALの機内誌に掲載されていたエッセイとのこと。
私は普段ANAが多くJALは海外旅行くらい。う~ん、どこに行ったときに読んだのだろう。
知りたいと思うと、どうしても我慢ができない。四六時中考えてしまう。

世の中の知りたいことはほとんど検索できるインターネットでさえ、何年何月のJAL機内誌に掲載されていたかを調べるこことはできなかった。
職場のMさんいわく、「JALお客様相談室にかけてみたら?電話で!」
このご時世に電話・・・とは思ったけれど、知りたい気持ちに負けてしまった。

お客様相談室の女性は親切丁寧に、機内誌のバックナンバーを扱っている部署の電話番号を教えてくれた。
そこに電話をかけると、1年分くらいのバックナンバーしかないとのこと。
「台北の街角で」が何年何月に掲載されていたかを知りたいだけなのですがと言うと、
「版元に聞けば分かるかもしれません。折り返しお電話しますね。」となんて親切な対応ぶり。
待つことほんの10分間。約束通り電話があり、2004年11月の掲載でしたとの返答。
ペコペコ頭を下げながらお礼を述べて、電話を切った。



たったこれだけのことだが、電話であれ人と直接会話をすることの大切さを思い知った。
キーボードをたたけば、地球の裏側であっても交信はできるが、それではあまりにも味気ない。
活字になった言葉は勝手に一人歩きをして、誰かを傷つけ、勝手に炎上する。
それもコミュニケーションには違いないが、一方通行であまりにもさみしい。
お金にもならないのに、電話の向こうで一生懸命調べてくれた女性のあたたかさが受話器を通して伝わってきた。
本当にありがとうございました。

JALの機内誌は、出張した夫が、その年の夏私と出かけた台北のことが書いてあるからと、持ち帰ってくれたもの。
なあんだ、それで読んだ記憶があったんだねということに落ち着いたが、本当のところはわからない。




こうして日記代わりのブログをパソコンなどで入力せずに、手書きできればいいだろうなと考えていると、
隣の部屋からゴ~リゴリッとなんだか怖い音。



なあ~んだ、くきちゃんか。驚いたよ。
それにしても上手に手でマローボーンを持つねえ。



手書きだと、こういうかわいいくきちゃんの写真が挿入できないんだよね。
やはりパソコンでのブログもどきは私に合ってるのかも・・・
などど勝手なことばかり思いながら、今日も夜は更けていくのだ