クララのあしあと

英国ゴールデンレトリバーとの暮らしのあしあと

海の家のこと

2024年06月23日 | ひとりごと


小さい頃はあまり海が好きではなかった。

海独特のにおいと日に焼けてヒリヒリしたという思い出しかない。

父が「瀬戸内海は波が穏やかで島影が美しい。多島美と言うんだよ。」

とよく言っていたが、ふ〜んくらいにしか思わなかった。




10年ほど前になるだろうか、生きていくのが辛い時期があった。

きっと皆同じだと思うが、仕事と介護、家庭のことでがんじがらめになっていたんだと思う。

仕事をしている日は何とか頑張れる。家に帰って食事を摂ったら疲れて眠るだけだから。

辛いのは休みの日だった。一通り家事を終えると、家の中にぽつんと一人。

自分を取り巻く色々なしがらみに押し潰されそうになる。

身動きが取れない、息もできない・・・どうすることもできなくなった私がいた。




そんな時はたいてい車を走らせて荘内半島を巡った。

今のように賑わっていない仁尾から半島をぐるりと詫間まで。

途中車を止めて何時間でも海を見ているだけの日が多かった。

海に太陽が沈み始めてようやく犬の待つ家に帰ったものだ。






海を見たからと言って人生の悩みが解決するわけではない。

でもしばらく眺めていると気持ちの落としどころが見つかり、

自分なりに答えを見つけることができたように感じた。

私にとってあの海の見える所は唯一の逃げ場所だったのかもしれない。





4年前死を意識する病が見つかり、手術と治療のため仕事を辞めた。

もういい加減、自分のことだけ考えて生きてもいいんじゃないかなと思ったから。

その2年前に母を、続いて父を亡くし、私自身もう務めは果たしたので思い残すことはなかったのだが、

この先治療をするにしても、最期を過ごすにしても、海のそばがいいなあと夫に話した事があった。

そこは行動力のある夫。荘内半島に海の見える土地を見つけ、家を建ててくれた。


ありがたいことに、毎年1回受ける検査の度に大丈夫と医師に言ってもらっており、

最期を過ごすはずだった海の家は、これから生き続けていくための心の拠り所となった。





現在、週の2日ほどを夫とクララと一緒に海の家で過ごす。

日がな一日飽きることなく海を眺めて、夜は潮騒を聴きながら眠る。

海は毎日違った表情を見せてくれる。晴れた日も雨の日も風の強い日も・・・

そして穏やかな瀬戸内の海に浮かぶ島々はとても美しい。

父が言っていた多島美ってこういう景色なんだなあ、と改めて思う。






この生活がいつまで続くか、そんなことは誰にもわからない。

実際、昨年の4月に大腿骨を骨折し2ヶ月間も入院していた。


私の望みを叶えてくれた夫に感謝しつつ、

やがてはずっと海のそばで過ごせたらいいなあと思うこの頃。






いろいろな思い

2018年07月05日 | ひとりごと





朝起きた時、ミリーちゃんを探している自分がいる。

ふたつならんだお骨を見て、「あ、そうだった。」と思う。



仕事から帰ったとき、足をひきなから迎えてくれたミリーちゃんはいない。

家の中ががら~んとして静かで、部屋ってこんなに広かったっけ・・・

本当にもういないんだ。











朝支度をしていると、いつも足元に来ていたね。

「もう、あぶないよ。」って何回言ったかな。












今年に入ってからは、寝ている時間が多くなったね。

あまりにも静かなので、

息をしてるかどうか、ドキドキしながら確かめる毎日だった。












それでも、亡くなる前日はいつも通りご飯を食べて、

夜は芝生の上をぐるぐると30周くらい歩いて・・・

元気でありがたいねって夫と話していたのだけど。

最後に大好きだった庭にお別れしていたのかな。




わかっていたつもりだけれど、

少し時間が経った今、寂しさで心がへこむ。

それほど犬との生活は幸せにあふれていた。













姿は見えなくなってしまったけれど

私が仕事に行って留守の間

今日もふたりで過ごしていたよね。

早く帰ってこないかな、とお話ししてたかな。








「クッキーのしっぽ」は

遠くにいる娘にミリーちゃんやくきちゃんの近況を伝えたくて

いろいろ迷った末にはじめたもの。


ふたりともいなくなってしまったのに

このまま続けるのはどうかなとずっと考えていた。



答えは見つからないので、もう少しこのままに。

無理せずに少しずつ、ふたりの思い出や日々の暮らしを

綴っていければいいかなと思っている。

くきちゃん、もうしばらくお名前を貸してね。





人は生きていくのに精いっぱいで、毎日が普通に過ぎ去っていく。

「ふたりに会いたいな。」寂しさは突然襲ってくる。

ミリーちゃんの柔らかい毛やくきちゃんの温かい体、

いつか忘れてしまう自分が悲しい。













大丈夫だよ。


いつの日かきっとまた出会える。

ママのもとに帰ってきてくれる。

そう信じているから。








桜の季節

2018年04月01日 | ひとりごと



今年も桜の季節がやってきた。


開花が例年よりも早い地方が多かったようだが、


くき地方はどうなのかな。



通勤途中の向山公園の桜も満開になって山全体に霞がかかったように見える。









今日はお天気も良く、お花見の家族や散歩をされるご夫婦が大勢いた。


野球ができるくらい大きなグラウンドがあるので


試合でもない限り、あまり人を見かけないんだけれどね。









桜の花はとてもきれいなんだけれど


今ここにいない人のことを思い


切なくなってしまう。


やはり桜の季節は苦手な私です。













暖かくなってきて、ミリーちゃんも少し多く歩くようになった。


後ろ足が地面についていなくて、不思議な歩き方


夫が「ムーンウォークみたいだ」と言う。


ちょっと違うと思うけれど、後ろ足の浮遊感はそんな感じだね。










今や積極的に歩くのは1日2回の食事の前だけ。


1日の大半は横になっている。




でも、立って食事ができること自体すごいよ。







ね、ミリーちゃん






ケニアのバラとミモザ

2018年03月10日 | ひとりごと


な~んにもない部屋がトレードマークだったわが家だが、


くきちゃんが亡くなってからお花だけは欠かさない。




先日お花屋さんに行ったら、「ケニアのバラ」が入ってますよと言われた。










ああ、こんな田舎でも買えるようになったんだとうれしく思った。





東京の広尾に「アフリカの花屋」という


フェアトレードを理念にかかげ、ケニア直輸入のバラを扱う専門店がある。


ケニアは野生の王国というイメージがあり、アフリカの中では観光国という印象だが


実は貧富の差が大きく、失業率もとても高い国。


「アフリカの花屋」代表の萩生田めぐみさんは、


「日本でケニアのバラをたくさん売れば、アフリカの雇用環境が改善されるかもしれない」と、


「アフリカの花屋」を立ち上げることにしたそうだ。




中間業者をもうけず、ケニアの農家と直接契約することで


「児童労働や過酷な環境のない状態で仕事をしている」ことをきちんと確認することができ、


労働者に正当な賃金が支払われるような仕組みを作り上げたという。










ケニアのバラは通常のバラの1.5~2倍以上の大きさがある。


険しい環境を生き抜いてきたからか、花の持ちも1~2週間と長いのだとか。









独特の色合いと形状から幸せをよぶ「奇蹟のバラ」とも呼ばれている。


バラに限らず、花があるだけで部屋が明るくなったように感じる。


毎週お花屋さんに立ち寄るのが習慣になってしまった。







そして3月8日は「ミモザの日」。


通勤途中のあこがれのミモザの木は、


先日のやまじ風で真っ二つに裂けてしまい、かろうじて残った木が花を咲かせている。


とても残念でたまらない。











お花屋さんにきれいに咲いたミモザがあったので玄関用に買ってみた。


やっぱりこの黄色が大好き。


春が来たんだとウキウキした気持ちになる。











ミリーちゃんも元気だよ。


今日はワクチン接種のために動物病院へお出かけ。











張り切っているけど、カートで行くもんね


ミリーちゃん、カートの上で立ち上がろうとするので困ります。












今年も無事にワクチンを接種できた。


まさか今年があるとは・・・思いもしなかった昨年。


来年の予定日をみて、あるかも・・・と思ってしまう。










ミリーちゃんはそんなこと気にもしないで、


バタンキューなのだ







2017年02月08日 | ひとりごと



夢の中で泣いて目が覚めた。


夢の中で私は病院にいた。

元気だったころの母がベッドに寝ていて、にこにこしながら

「〇〇さん(私のこと)、忙しいのに来てくれたん。」 と言った。


「お母さん、喋れるようになったんだね。」と

私は小さな子供のようにおいおい泣いた。

そこで目が覚めたのだ。

涙が流れていた。





ちゃんと看てあげられてない負い目から

そんな夢を見たのか。

忙しい私を安心させるために

母が見せてくれたのかはわからない。




「子どもは親のことを考えなくてもいい。自分の幸せだけを考えなさい。」

元気なころの母の口癖だ。



嫁いだ後、夫の親や兄弟のいざこざでつらいことが多かった。

そんな母の心の声だったのかなと思う。


でもお母さん、

自分の幸せだけ考えて生きていくことは意外に難しいです。

絡み合ったいろいろな人の思いが私をがんじがらめにして

片づけなければならないことの重みに押しつぶされそうな毎日です。

今のこんな私をみて、母はどう思うだろうか。










ところで

通勤途中のバイパスの欅の木に

鳥の巣があり、いつも気になる。




昨年の春、造園の方が剪定をしたとき

一度巣が落とされてしまったのだが、

夏の間にまた作っていたらしい。

葉が落ちたので、気が付いた。








おそらく、カラスの巣。

春になると、新しい命が巣立つんだろうな。

自然の中で暮らす命は、本当にたくましい。










(* ̄▽ ̄)フフフッ♪

きみたちに野生のたくましさは期待していないよん







家事情

2017年01月13日 | ひとりごと


記録


昨年の8月から10月まで

くきちゃんちは工事現場になっていた。







塀の洗浄・塗装に

泥はね防止の工夫。







裏口の増築と家の外壁の洗浄・塗装。

家の周囲に足場を組んでいたので

頭ゴツンで、犬の散歩も大変だったね。








夫が改善したいところをいろいろ提案して

少しずつ住みやすいように直してくれた。

私、きちんとお礼を言ったかな?

本当にありがとう。









ふたりが入ろうとしているところは

以前は直接庭にでる、裏口のドアがあったところ。




小さいけれどひと部屋作ってくれたおかげで

いろいろ便利になった。








昨日はワインセラーが届いたので

冷蔵庫に入りきらなかった卵や

使いかけの料理用のワインを入れてもらった。







備え付けの収納棚がたくさんなので

私の好きなかごも置き場所ができたし

災害用の備蓄の水もたくさん置けるようになったね。





雨の日の散歩も

濡れずに家の中で犬の足を拭ける。




何よりひと部屋あるだけで

家がこんなにも暖かいとは

私、思いもしませんでした。








でも、ミリーちゃんは

裏口のマットの上で眠るのが好きだったの・・・

今は、ここ。

ごめんよ。






おまけ

部屋にピクチャーレールもついた。






おかげで時計を吊るすことができました。


犬の時計は何年か前にいただいたもの。

しっぽがチクタクかわいいのだ。

くださった方、ゴル好きのわが家をよくご存じ