ブレッド湖にて(続々々々)

 
 湖を一望した後は、土産物の屋台を見物。フィンガーピアノとピッコロの伝統楽器を触らせてくれた。
 「セニョーラ、これも試してみて」と蜂蜜を差し出されたところを、さっきのモスクワ人が通りかかり、「ハニーがハニーを食っている!」と大喜び。
 モスクワのイーヨー(=知的障害者の意味)たちと、その保護者たちが、バスで慰安旅行に来ていたのだった。彼らがバスで帰ってしまうと、賑やかだった広場はとても淋しくなった。

 その後、つづら折の階段を湖畔まで降りて、湖を一周した。

 湖中央からこちら側は俗化されていて、味気ない四角な建物が並んでいる。が、それらは湖途中から、上手いこと見えなくなっていて、湖はロマンチックな景観を保っている。

 みんな小舟に乗って、教会のある小島へと漕ぎ行く。
 湖畔にはあちらにも、こちらにもカモの一家がくつろいでいる。お母さんガモの周りには、家族によってまちまちなのだが、生まれて間もないヒナたち、あるいはかなり大きくなったヒナたちが、ちょこまかと集まっている。あるいはフワフワの塊となって昼寝をしていたり、あるいはポコポコと浮かんで湖面を泳いでいたり。
 羽を膨らませてドーンと座り込んだお母さんガモがいて、羽の下で、生まれたばかりそうなヒナたちがモコモコと動いている。もう少し近くで見てみようと近寄ったら、カモが鼻息を荒らげて威嚇する。お母さんは勇敢だ。

 イタリアンな女の子が一緒の、ベビーカーを押した家族、それからアジアンな若いカップルと、抜きつ抜かれつしながら、湖畔を歩く。新郎新婦を乗せた馬車とすれ違う。傍若無人に歩行者を蹴散らしながら走る、レンタサイクル中国人団体とすれ違う。

 To be continued...

 画像は、ブレッド湖外れの牧場。

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