ギリシャ神話あれこれ:12の功業その11(続)

 
 まだまだ続くヘラクレスの道中。あまりにエピソードが盛り込まれすぎていて、当のヘラクレスも大変だろうが、それを伝え聞く後世の人々もまた大変。
 そして絵画は画題に事欠かない。

 さて、ヘラクレスはついにエリダノス川で、ニンフたちから、海の老神ネレウスに尋ねなさい、との助言を得る。
 
 やっとこさの朗報。方々を捜してようやく海神ネレウスを見つけ出したヘラクレス、ネレウスが海岸で眠っているところを取っ捕まえる。
 ネレウスは逃げようとして、得意の変身で、アザラシになったり海蛇になったり、果ては水になったり火になったりと、いろいろなものに姿を変える。
 が、ヘラクレスがなんとしても放そうとしないので、とうとうネレウスも根負けし、へスペリデスの園へ行く道を教えてやる。

 ネレウスに従い、リビアにやって来たヘラクレス。が、リビア王アンタイオスは、またしても極悪非道な輩だった。

 アンタイオスは、大地神ガイアと海神ポセイドンの子だという。旅人に格闘を挑んでは、それを負かして殺していた。勝利するたびに大きくなり、ついには巨人になったともいう。
 で、ヘラクレスも、彼と組み合っては投げ飛ばす。が、実はこの男、母なる大地に体が触れると力を増すので、いくら投げ飛ばされても一向に弱らない。
 鈍なヘラクレスは何百回かの格闘の後、ようやくこの秘密に気づいて、今度はアンタイオスを高々と抱き上げた上で、絞め殺した。

 次に、エジプトまでやって来たヘラクレスが、ナイル川のほとりで眠っていたときのこと。何やらチクチクするので眼を醒ますと、ピュグマイオイ(ピグミー)たちが、針のような剣で突き刺していた。

 画像は、ドッソ・ドッシ「ヘラクレスとピグミー族」。
  ドッソ・ドッシ(Dosso Dossi, ca.1490-1542, Italian)

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