ゾレンについて

 
  当為と意欲があるが、能力がない。
  当為と能力があるが、意欲がない。
  意欲と能力があるが、当為がない。
  即ち、
  なすべきことを欲しはするが、それをなし得ない。
  なすべきことをなし得るが、それを欲しない。
  欲しかつなし得るが、何をなすべきかを知らない。

 「当為(=ゾレン、Sollen)」とはドイツ哲学で、「まさになすべきこと」、「まさにあるべきこと」。「存在」(=ザイン、Sein、「現にあること」)の対概念とされる。
 特に、何らかの行動に先立ち、その実現を可能にするものとして、意義を持つ。

 行動するにあたっては、「意志」や「意欲」、「能力」などが取り上げられがちだが、ドイツ哲学では、この「当為」こそがキーだと考えられているらしい。つまり、「能力」も「意欲」も、条件にすぎないわけ。
 ちなみに、上はゲーテの言葉。

 亡き友人によれば、人は、自分の悩めることしか悩まないという。なぜなら、それ以上の悩みは、その人の関心を呼ばないか、その人を破滅させてしまうかの、どちらかだから。
 なら、「解決は課題と同時に与えられている」という言葉は、やはり正しいわけだ。

 To be continued...
 
 画像は、ヘンリー・ケラー「叡知と運命」。
  ヘンリー・ケラー(Henry Keller, 1870-1949, American)

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