ギリシャ神話あれこれ:牛人ミノタウロス

 
 ゼウスの化けた牡牛はエウロペを乗せ、クレタ島へと泳ぎ着く。エウロペはそこで、ミノス、ラダマンテュス、サルペドンという、3人の子を儲けた。
 その後エウロペは、クレタ王アステリオスと結婚して、ゼウスの子らを養育する。

 さて、王の死後、王位継承をめぐって3人はちょっと揉めるのだが、ミノスは、神寵を受けた自分こそが正当な継承者だ、とうそぶく。その証拠に、神が犠牲のための獣を海から遣わすだろう、と。
 すると、ポセイドンがそれに応えて、海のなかから神々しい牡牛を出して、ミノスに与えた。で、周囲の異義なく、ミノスは王位に就いたわけ。

 が、あまりに美しい牡牛を手放すのが、にわかに惜しくなっちゃったミノス王。ポセイドンには別の牡牛を捧げることにして、美しい牡牛のほうはちゃっかり自分のものにしてしまった。
 粗暴で短気な神さまに対して、この誓約の反故はかなりヤバい。案の定、激怒したポセイドンは、報復にミノスの妻、太陽神ヘリオスの娘でもある王妃パシパエに呪いをかける。結果、パシパエは、ポセイドンの贈った牡牛に対して、救いがたい恋慕の情を抱くようになる。

 気の毒なパシパエ。彼女は絶望的な恋情に日夜苦悶。とうとう、名工ダイダロスを呼び寄せて、ひそかに胸中を明かし、牡牛への恋を成就させる上手い工夫はないものか、と乞う。

 To be continued...

 画像は、ロマーノ「木の牝牛をパシパエに与えるダイダロス」。
  ジュリオ・ロマーノ(Giulio Romano, ca.1499-1546, Italian)

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