ギリシャ神話あれこれ:ペルセウスの冒険(続々々々)

 
 あー、言っちゃった。ギリシャの神さまはナメたらいけない。これを聞きつけた海神ポセイドンは憤慨し、もともとが短気で乱暴なものだから、津波を起こすわ、洪水を起こすわ、おまけにティアマトという化け鯨をエチオピアの海岸に送り込み、散々に人々を襲わせた。

 ほとほと困った王ケフェウスが神託を伺うと、王女アンドロメダをティアマトの生贄にすべし、と告げられる。
 泣く泣く、王と王妃はアンドロメダを岩の上に鎖で縛りつけ、海岸で王女の最期を見護っていた。王女がまさに海の怪物の餌食となるところへ、ペルセウスはやって来たわけ。

 で、事情を聞くや否や、ペルセウスはアンドロメダの鎖を断ち切り、海鳴りとともに現われたティアマトに向かって、メドゥサの首を突きつける。
 怪物はあっけなく巨石と化し、ずぶずぶと海の底に沈んでいった。

 無事、アンドロメダを救ったペルセウスは、互いに手を取り合って王宮へと赴く。ティアマトを退治した褒美として、アンドロメダを妻に貰い受けたい、と王に申し出るペルセウス。
 王のほうもこの英雄に反対する理由などなく、二人はめでたく婚約となる。

 ちなみに、有名なカシオペア座を初め、ケフェウス座、ペルセウス座、アンドロメダ座、あと、鯨座は、このエチオピア王家の物語に由来する。
 
 ペルセウスとアンドロメダの結婚に面白くないのは、アンドロメダの許婚だった、ケフェウス王の弟ピネウス。王女が化け物の生贄になるというから諦めていたものの、解放されたとなると、二人の結婚を前に、にわかに怒りがふつふつを沸き起こる。
 で、とうとう、このピネウスめは、徒党を組んでペルセウスに襲いかかった。

 が、メドゥサの首を持つペルセウスに敵うはずもなく、ピネウス一党は瞬く間に石と化してしまう。

 その後、ペルセウスはアンドロメダとともに、一年ほどこの地に逗留。アンドロメダとのあいだに生まれた息子ペルセスを、エチオピア王の後継ぎとして残し、妻とともに、母ダナエの待つセリフォス島へと帰還する。

 To be continued...

 画像は、ポインター「アンドロメダ」。
  エドワード・ポインター(Edward Poynter, 1836-1919, British)

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