三位一体社会

 
 日本は知る人ぞ知る、ねたみ・うわさ・いじめの三位一体社会だ。そしておそらく世界一のストレス社会だと思う。

 諸悪の根源は、リアリズムの欠落だろう。現実を直視しない。考える姿勢や能力を持たない。普遍的な真理の存在を信じない。
 そのために、外的な判断基準を持ってくる。例えば、「みんながそうしているから」、「そのほうが得だから」というような。

 で、自分たちと同じように考え、行動しない人間のことを、あるいはやっかみ、あるいは畏怖し、あるいは憎み、あるいは鬱陶しがって、程度はどうあれ潰しにかかる。彼らの気持ちの奥には、こんな心理があるのだ。……「あなた、ズルいよ。僕だって、私だって、みんな我慢しているんだから」
 つまりあの、おどろおどろしい私物化感情が渦巻いている。虐げられる人間が一人増えれば、自分たち一人一人の不幸は軽減される。すべての人間が虐げられ、自由な人間など存在しないなら、自分の不幸も耐えやすくなる。不幸は平等に分かち合うべきだ。……というわけだ。

 あいにく私は、そんなことを我慢するだけの無神経さは持ち合わせていない。で、とかくねたまれ、うわさされ、いじめられてきた。今でもそう。

 To be continued...

 画像は、L.W.ホーキンス「仮面」。
  ルイス・ウェルデン・ホーキンス(Louis Welden Hawkins, 1849-1910, French)

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