Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

★「アップル社」に選ばれた今・・・

2012年06月26日 | 500px
「アップル社」に選ばれた今・・・

私は写真家であり、同時に北海道の美瑛町で、
小さな料理宿も営んでおりますが、
先日の日曜日(6月24日)はとても大変でした。

と言いますのは、宿の電話に問い合わせが多数来たのです。
もちろん宿泊予約の電話ではなく、殆どがアップル社関連です。

日曜日は宿泊予約の電話も多いので、正直困りました。

多くが雑誌・Web・新聞等のマスコミですが、
これはまだましです。こちらの都合も考えて下さいますから。

しかし一般の方(と言っても写真家だと思いますが…)、
これには参りました。

まず電話時間が長い!
平均15分以上です。

しかも失礼な方が多く、
ご自分の名前は名のらず、訊きたいことだけ話す。

「もしもし、そちらに白石さんて方います。」
「はい、私ですが。」

「あっそう、あなたが白石さんね?」
「はい、そうです。」

「ちょっとお聞きしたい事あるんですがいい?」
「はい、なんでしょうか。」

「アップルにね、選ばれたんでしょう?」
「え!まあ~そうですが・・・あの失礼ですがどちら様ですか?」

「あっ俺?いや俺の名前は別にいんだけどね、一応写真家なんだけどさ・・・」
いや実は訊きたいのはね、何で貴方が選ばれたかってことなんですよ・・・」

想像つきますでしょう。
こんな感じの電話が多いんです。

もし僕がお客様商売をしていなければ、
「貴方に関係ないでしょ!」
そう言って電話切るところなんですが・・・。
さすがにそうも出来ないわけです。

しかしあまりにも常識が欠如していますよね。

多くは中年以上のオッサンです。
若い方でそんな電話寄こす方はいないです。
多分カメ爺でしょう。

今時は、若い写真家より、ほんとオッサンのカメ爺が一番良くないですね!

しかも国内だけではなく、外国からも電話が来ます。
日曜日の夜11時近くに、流暢な日本語で、
「貴方の事を僕の国のWebで見ました。
僕はWebメディア・・・の者ですが、貴方に確認したいんです・・・」

そう言って質問しだして・・・何と40分間です。
これには参りましたね!

その後大切な宿泊予約のお客様には、
「何回電話してもお話中で、そちらはどうなってるの?」と、
怒られる始末です。

どうかお願いですので、宿への電話は止めて下さい!
宜しくお願いします!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで、問い合わせで一番多かったのが、
「なぜ貴方が選ばれたのか?・・・・」

この様な質問される方がとても多かったです。

そこで下記に簡単に書かせて頂きます。

今回アップルが採用した、
Retina displayのRetinaの意味は網膜ですが、
人間の網膜に映る、我々が自然に見ることの出来る色の再生、
まさにそれをアップル社は目指しており、
またそれにふさわしい写真を探していたのです。

そもそもカメラがどんなに進歩しても、
まだまだ人間の眼には勝てない。
この事は大切な事実です。

極論を恐れずに言うならば、
人間の眼に比べれば、カメラは所詮おもちゃです!

それほどに神様が与えて下さった人間の眼は素晴らしいのです!!!

よって僕ら風景写真家のすべきもっとも大切な事は、
カメラという機械の眼で撮られた「不自然な画像」を、
自分のRetina(網膜)で見ている自然な世界に、
いかにして近づけるか !!
そのことが重要なんです。

僕はまさにその事を今までずっと研究してきて、
アップル社が評価し採用して下さったのもそこが大きなポイントだと感じています。

また僕は今、そういう人間の網膜で見るような自然な風景写真を、
今回選んで頂いたアップル社に敬意を払って、
「Retina Photo」
レチナ・フォトと呼ぶ事にしました。

実は今国内のアマチュア向け写真サイトはもちろん、
海外のプロフェッショナルも多く参加する有名写真サイトでさえそうなんですが、

「風景写真」のジャンルで、彩度とコントラストを異常に高くした作品、
およそ自然風景で見られないような色彩の写真が見受けられます。

僕はこれを以前から「デジタル病」に侵された作品と言ってきました。
日本のハイアマチュア&プロ、そして海外の一部のプロフェッショナルにも、
その病気が蔓延しております。

ただ悲しいことに本人は気がついていないのです。
この病気は自覚症状が乏しいのが特徴です。

もちろん意図的にそうしているフォト・アート作品は別ですが・・・。

ところで僕は10年前から、
人間の眼、すなわち網膜で実際の風景を見た時に自然に表現可能な色彩、
簡単に言えば、空の青さであるとか、草木の緑色もそうですし、
全ての自然風景でおよそ我々が違和感無く見ることの出来る色域範囲を、
デジタル表示することを目標に研究してきました。

その観点から言えば、
「デジタル病」に侵された作品は、自然風景可視色域外で、
普通に見ますと違和感を感じるはずです。

なぜなら皆さんが見ている自然風景の世界では普通存在しない色だからです。

もちろん何事においてもそうですが例外はあります。

しかし一般的な話で言えば、
「自然界に存在しない色で作られた作品はRetina Photoではない!」

またそういうデジタル病に侵された作品では、
世界で評価の高い、ナショナル・ジオグラフィックの国際フォト・コンテスト、
これに入賞することはまず不可能ですし、
また当然アップル社に評価・採用されるのも難しいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて長々書きましたが、最後に、
上で書いた長電話寄こした外国人も、
それから最近取材を受けた新聞社の方も「ある疑問」をお持ちでした。

・・・それは、

今までのアップル社の歴史では、
作品採用された写真家は、名前はどこにも出ないし、自分でも語らないはず・・・。
そういう疑問をお持ちのようでした。

ハッキリ言いましてそれは事実です。
実は僕も最初そのように言われました。

・・・しかし、
今ここでは詳しく書けませんが、
自分の意見を率直に話、色々相談させて頂いた結果、

「白石さんは特別にご自分のサイトやブログ等で語る事を認めます・・・。」
そういう契約になりました。

その意味でもアップル社の歴史上初めてかもしれませんね!

いずれにしましても、
プロフェッショナルである以上、
自分の作品であると名のれないのは問題で、
これが自然であり当然だと思っております。

以上書かせていただきましたが、
くどいようですが、どうか電話でのお問い合わせはお止め下さい!
宜しくお願い申し上げます。

追伸:

実は先ほど海外写真サイトで知り合った仲間からメールが来ました。

彼は世界の写真サイトである500pxや1x.com等にも写真を掲載しておりますし、
もっとプロが掲載するサイトにもよく投稿しています。

その彼が自分もアップル社には何度も売り込んでいるんだけど、
今までメールの一通も来たことがないそうで、

「Kent! 君はGreatだよ!・・・でもどうしてそう出来たか教えて欲しい?」

そんなメールが彼から来ました。
う~~~~ん困ったな~と言う感じですね。

選ぶのは僕じゃないですからね・・・。

ただ正直に言いまして、
彼の作品は今後も選ばれることはないような気がします。

確かに彼は1x.comにも多数掲載され、500pxでも人気者です。
しかし僕に言わせれば、残念ながら「デジタル病」だと感じます。

ただ外国の写真サイトではデジタル病が人気者になりやすい。

別にその事自体、何の問題もありません!
本人さえそれでよければ、どんな病気にかかろうとへっちゃらでしょう。

・・・ただし、
ナショジオのフォトコンを目指したり、
アップル社に採用されたいなどと思うのなら、
それはまず間違いなく、かなわぬ夢に終わるでしょう・・・。

なぜなら、ナショジオで審査する写真家、
またアップル社のフォト・プロデューサー達の審美眼は、
デジタル病の作品を選ぶ事はまずありえないからです。

したがって本人が気がつかない限り、多分チャンスはないと思います。

ここで偉そうな事を書かせて頂きますが、
私が上で書いたように、自然風景可視色域外について正しい知識を持つべきです。

己の自己判断ほどいい加減なものはありません。
客観的な尺度が必要です。
そしてそれには論理的な発想と知識が不可欠です。

僕は今後、「Retina Photo」のジャンルを確立させ、
自然界に存在する色で作品創作するよう普及活動に努めます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さらに追伸

ここまで書いて、一日経ちましたら、
僕が思っていた通り色々な意見を頂きました。

それはそれでとても良いことだと思います。
皆さん色々な考え方があるのは当然ですから・・・。

ただ誤解しないで頂きたいのは、
写真の表現は自由であると言うことです。

どのように表現されようと、アートである以上、
自由に自分がされたいように表現すれば良いと思います。

僕自身、色々加工した作品も大好きで自分も創作しています。
基本的には何がダメで何が良いとかいうのはないんです。

・・・ただし、

上で僕に意見を求めてきたような方達は、
なぜ僕が選ばれたのかを訊きたいわけですから・・・
その事に対してはきちんと意見を言わせて頂きました。

「Retina Photo」とは、
人の眼で見えるような自然な写真の事ですから、
風景をイメージと考え、過剰な加工をした作品は別ジャンルになります。

問題はその事をご本人が分かっていればOKですが、
僕にメールをよこした外国人などは、全く自覚がないわけです。

ようするに彼は、
自分の作品も「Retina Photo」だと考えているわけです。
しかしそのジャンルから見て、僕が判断しますと、
それは「デジタル病」の作品と見なされます。

そして結果として、
今後もそのような作品ではナショジオやアップルには選ばれないだろうと、
僕はそう考えますが、
ご本人が何をどう作品にしようと、どう加工されようとそれは全く自由です。

あくまで同様な質問が多く寄せられるので、
私個人の意見を述べているだけです。

皆さんがどう考えるかは自由ですので・・・。

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コメント (10)   この記事についてブログを書く
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10 コメント

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Unknown (宮島 明子)
2012-06-26 14:31:19
この度はアップル社Wall Photoの採用おめでとうございます。
(難しいことはわかりませんが・・・)彩度を目いっぱい上げてメルヘンな世界観を作るのもや、圧縮効果を使ってあり得ない距離感に見えるものも、一つのアートなのかな?と思ったりもしますが、私は自然の力を感じる写真が好きなので白石さんの写真には感動しました。

私も写真好きとして、自分の目で見た感動を伝えられるようになりたいです!
いつか(きっと近い将来?)宿に予約させていただき、白石さんの写真にある景色を目で見て写真におさめたいと思っています。
日本にもこんな素晴らしい景色があることを知るきっかけを作ってくださった、白石さんに感謝!お忙しいとは思いますが、大自然に癒されて頑張ってください。※お忙しいと思いますので、返信コメントは不要です。
写真表現は自由です! (Kent Shiraishi)
2012-06-26 16:00:07
はじめまして!

まずもっとも大切な事は、
写真表現は自由であるということです。

僕自身も色々加工したフォト・アート的作品も大好きなんですよ。
それはそれで色々な表現方法があってよいと思います。

ですから僕が上で書いた「Retinal Photo」という自然な表現も当然あるべきと思っています。

今まで風景写真はありえない色、彩度・コントラストまで全て含めて「風景写真」でした。

僕はハッキリとここで、
風景写真の新ジャンル「Retina Photo」を宣言します。このジャンルを確立したいですね!
拝読させていただきました。 (荒木則行)
2012-06-26 16:00:34
前略。突然の書き込みでごめんなさい。
私、写真家の荒木則行ともうします。

ブログのご意見、全くもってうなずけます。
今、いろいろな意味で意識を高く持ち続けていなければならないプロが、自身の職分を弁えず、勝手なことばかりをしていると感じています。

また、デジタル化の中で「自然なトーン」を理解もしないのに、
異様に彩度の高い、不可思議な発色に馴染んでしまった人々の何と多いことかと思います。

私自身も今の日本の写真界の異様さに触れて、
拙いけれどPodcastの番組を続けさせていただいています。

Podcast・Photoralism
http://itunes.apple.com/podcast/id428420936

撮影以前に様々な情報が入れば、
いろいろとご心労もあるかと思いますが、
どうか、これからも素晴らしい写真を撮り続けて下さい。

荒木写真事務所・荒木則行。
共感。 (篠塚康史)
2012-06-26 21:05:00
こんばんは。

白石さんのご意見、よくわかります。

人間の目は素晴らしい。
同時にきれいと感じるのは脳の働きも多分にありますよね。
「きれいだな!」と思っても写真では表現しにくいときもままあります。

今日も朝日、夕日と、目では非常に素敵な光景も、あまりにも露出に差がありすぎて、たくさん撮りましたが、
どうももっと勉強しないとうまく現像できそうにありません。

夕方、就実の丘近くでサンピラーのようなものを見ました。
一体なんだったか不明ですが、厚くなって水蒸気が多かったための現象でしょうか...。
お礼をさせてください。 (marbee)
2012-06-26 21:26:45
新ジャンル「Retina Photo」良いですね。

私はkentさんの写真がAppleに採用された事をキッカケにこのブログで写真投稿サイト500pxの存在を知る事ができました。
500px・・・ガチで勝負している写真が多くて刺激を受けますね。
まだ始めたばかりですがハマってます。(笑)

お礼がしたくてコメントさせていただきました。
ありがとうございました。
Unknown (Unknown)
2012-06-27 03:39:29
失礼な電話が殺到している事については、非常に遺憾な事と思います。

ただ、それにしてもわざわざ加工写真を「デジタル病に侵されている」などと、貶す必要は無いのではないでしょうか。
違和感や不自然さが効果的に作用する作品表現もある訳ですし。

貴殿の作品には感動を頂いただけに、今回のコメントは残念に感じました。
もちろん写真表現は自由です! (Kent Shiraishi)
2012-06-27 07:27:25
コメント頂きましてありがとうございます。

お書きになられたように、
「違和感や不自然さが効果的に作用する作品表現もある」

もちろん全くその通りです。
僕はそれを貶してはいません。

むしろ逆で、写真家として、
可能なあらゆる表現について考えています。

加工作品も大好きです。

だからこそ「Retina Photo」
眼に自然に映る作品を創作するジャンルがあっても良いのではないですか?

全てを一緒にする必要はないのです。

ただし上でも書きましたが、
今回皆さんの質問が多く、訊かれることはほぼ同じ内容です。

もし「Retina Photo」のジャンルで審査するならば、「デジタル病」であるという作品も当然出てきます。

それは他のジャンルに行けばアートになるかもしれません。

ここでは選ばれたのはなぜかと言う質問に対して、
「デジタル病と見なされるような作品では無理である」と、
そう率直な感想と意見を書いているだけです。


誰がどう何を表現しようと、全く自由です。


激しく同意 (Tao)
2012-06-28 11:16:11
見たままを表現するのが、何と難しい事か。
感動しました!! (aki)
2012-06-28 16:18:28
はじめまして!akiです!

今回の記事はたまたまツイッターで拾ったのですが読んで良かったと思いました。

私は絵を描いているのですが(と言っても萌え絵なのですけど)とても共感出来る部分が多くて驚きました!正直、私は写真に関してはド素人ですが、まるで自分が普段絵を描く時に気をつけている部分や違和感の原因を書かれていましたので、その部分でもの凄く親近感を感じました。

特に、作者様が仰っている「デジタル病」の部分は絵を描いている方にもとても多く、私も常日頃から感じている部分でした。

もちろん、追記の部分でご説明されているように表現は自由なので、ソレが全て悪いわけではありませんがあまり使いすぎればやはり違和感や気持ち悪さに繋がってしまう所なのでかなり気をつけなくてはならない部分だと思います。

逆に、構図の中に何か物語性を付けたいのであればアクセントとして使う・・・ぐらいの考えのほうが見てて目が辛くなることもありませんし、飽きないと思います。

そう言った意味で作者様の意見は写真家ではあるけれども絵を描いている方にも是非見て頂きたいと思えるようなものでした。

また、作者の名前を公表するのが自然だという事にも賛成です。やはり、写真であれ絵であれ何であれ、自分が作ったものをより多くの方に見て頂きたいと思うのは本当に自然な事ですので・・・。

最後に、どの業界でも有名になればアンチや誹謗中傷が酷くなってしまうと思いますが、作者の白石様のような自分の考えをしっかり持った方がより多くの活躍の場に恵まれるよう応援させてもらいます!!
とても嬉しいコメントです! (Kent Shiraishi)
2012-06-28 23:10:32
まずはお礼申し上げます!

この様なコメントを頂きとても勇気づけられました。

今まで10年間、ひたすら撮影・現像・研究と、
自分なりに頑張ってきたつもりですが、
実は途中何度もくじけそうになりました。

・・・それは、
写真の世界も、華道や書道に似たところがあり、
なかなか大変な世界だからです。

特に「・・・写真家協会」の世界は、
一体何のための協会なのかと思うことが時々ありました。

そういう中で、
全く新しい発想・理論で、新しい分野に挑戦するのはほんとに大変なことでした。

僕が日本から飛び出し、世界に挑戦すると決めましたのも、
それが大きな理由です。

また僕が頑張れば、後から多くの日本人が続いてくれるはずと考えました。

何でもそうですが最初の開拓者は大変です。
よほど強い意志と高い意識がなければできません。

特に自分が研究している分野では、
世界の誰にも負けたくない。
いや負けないはずだ!

そういう気持ちが僕を世界に向かわせました。

作者の名前を公表することも、
僕の後に続く日本人の事を考えましたら、
絶対妥協できないことでしたので、
粘り強く説明し、理解していただきました。

嬉しいのは、今やっと少しずつですが、
写真界の変革を感じています。

若い方はもちろんですが、ご年配の方でも意識が変わってきました。

私が指導している71歳の女性も、
まもなく世界企業の仕事をします。

これからは歳に関係なく、やる気があれば、
世界で仕事をする時代です。

僕はこの先日本人が世界で活躍しやすいように、
環境作りもしていきたいと考えております。

どうか今後とも応援宜しくお願いします!

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