新・台所太平記 ~桂木 嶺の すこやかな日々~

N響定期会員・桂木嶺の、家族の介護・闘病・就職・独立をめぐる奮戦記を描きます。パーヴォ・ヤルヴィさんへの愛も語ります。

実は豪快でやさしかった「健さん」!~高倉健さんの思い出~

2018-12-03 01:49:55 | 高倉健さんの思い出♪

なんだか、やっぱり「思い出話、打ち明け話」的な展開になってしまったこのブログですが・・・(笑)

T宝時代のたのしい思い出の中に、高倉健さんの思い出があります。

なんどかこのエピソードはご紹介していますが、あらためて健さんの遺徳を偲びたいと思います。

 

結論から言うと、健さんははっきりいって、「神」でした。

(なので、絵文字封印して、まじめにかきますね^^)

 

初めてお会いしたのは、私が26歳のとき。

新婚ほやほやで、邦画の宣伝部に異動になった年の10月におめにかかりました。

 

※初めてお会いしたころの健さん。65歳でしたが、輝くばかりにかっこよくて渋かったです!

 

健さんはちょうど、市川崑監督の「四十七人の刺客」という映画に主演されていました。

私は、その完成披露試写会で、控室係、いわゆるお茶くみ係を仰せつかりました。

お茶くみ、というと、「ええっ、そんなアナログなこと、まだやってるんですか!?」と、

若い方はビックリされるかもしれませんが、

これがなかなか馬鹿にならない、というお話をしたいと思います。

 

健さんは、大変寡黙な印象の方ですが、それは実はまったく違いました。

実は、この写真のイメージがいちばん近いのですが、いつも笑顔でニコニコ明るく、豪快で、

現場のいちばんのムードメーカーでいらっしゃいました。

私は、健さんほどのスーパースターにどうやって接したらいいのだろう、と思いました。

が、健さんが、京都のイノダコーヒーがお好き、と人から聞いて、

イノダコーヒーを、印刷会社の営業さんにお願いして、取り寄せていただきました。(感謝です!)

こちらがイノダコーヒーのインスタントコーヒーです。健さんはこれが大好きと伺いました。

そこで、試写会当日、有楽町マリオンの控室で、このコーヒーをお出しして、もてなしました。

健さんはニコニコしながら、イノダコーヒーを召し上がっていました。

 

しかし、健さんは、悠長にお茶を飲む暇もありませんでした。なにしろ、1000人を超すお客様をお迎えして、

大試写会を行うので、健さんには、政・財・芸能界きっての大物のお客様たちが訪れるのです!

その秘書的に取次ぎをするのが、お茶くみ係の私の役目でもあったのでした。

 

入社3年目で宣伝部にきてまもない私、訳がわからないままに、ひたすら健さんに

「北大路欣也さんがお見えになりました」

「大原麗子さんがお見えになりました」

「尾上梅幸さんと富司純子さんがお見えになりました」といった具合に

伝令よろしく伝えていました。

 

とにかく100人を超す大スターが集結して、健さんにご挨拶されたのでした。

 

健さんはそのたびに「ああ、わかったよ。ありがとう!」といいながら、

よく通る野太い大きなあの声で、「おーい、〇〇!元気でやってるか!」と元気よく挨拶され、

「わっはっは!」と大きな声でよく笑い、楽しく談笑されていました。

北大路欣也さんなどは(すみません、ばらしてしまいますが)、なんと健さんに90度頭を下げて、

「健さん、ご無沙汰しております!」と挨拶されていました。

東映時代から、よく共演されているから、やっぱり体育会的に先輩・後輩ということなんでしょうね。

すぐに納得しました。

 

大原麗子さんは、「お兄ちゃん!」と甘えた声で、健さんにかわいらしくご挨拶。

やっぱり東映時代から共演もおおかったですものね。

健さんは、麗子さんのあだなを呼びました。「おお、ビッチか!(^_-)-☆」

ふたりはほんとの兄と妹のように、仲良くおしゃべりに興じていて、ほほえましかったですね。

 

テレビで見るよりすごい「ショー」に、私はもうビックリでしたが、

だんだん、「健さんってとてもいいひとなんだな~」と思えてきて、

どんどん並みいるスターさんをたのしくご案内できるようになりました。

 

・・・とにかく大変な試写会が終わって、T宝のスタッフたちも引き上げて、お客様も帰ったころ、

ひとり後片付けをしていた私に、健さんと私がふたりきりに一瞬なりました・・・。

すると、「おい、君さぁ、名前なんて言うんだい?」と聴いてきたので、私はビックリ!

「はい、・・・〇〇チコと申します」とようよう答えましたら、

健さんが「入社何年目なの?」というので、

「3年目です。宣伝部には、今年の4月に異動になりました」といいました。

 

すると、健さんが、破顔一笑して、

「〇〇さん、君すごいよな。控室係って結構大変なんだぜ。

よく僕のところに来たお客様の顔と名前、全員一致したね!」というのでした。

 

私は緊張のあまり、「わ、私、高校では校内きっての芸能オタクだったんです。だからです」と答えたので、

健さんが「わーはっはっは」と大爆笑しました。

「君、なかなか面白い子だな。じゃぁさ、来週の映画の初日も、控室係をたのめるかな?

僕が映画業界で生き残るすべをおしえてあげるよ」

とおっしゃったので、私は大感激!

 

そこで、私は、「はい!」と直立不動で、健さんにご挨拶し、お見送りしました。

健さんは笑顔で、スタッフに見送られ、帰っていきました。

で、初日舞台あいさつとなりました。

そこでなにがおきたかは、また明日以降のお楽しみに!!

 



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