6月15日、午前5時30分、4月26日より出奔していた栗吉を保護した。
長い長い7週間だった。
遡ること2日前
新しい保護器(踏み込み式の捕獲器)に替えて、二晩が経ったが、結局栗吉は入らなかった。
どれだけ警戒心が強いのだろう。
どうしたら保護出来るのだろう。
怪我のことを考えたら、全然時間がないのに。
ここで大幅な方針転換を決意した。
(ローズマリー番長の指示です。)
「太陽作戦」だ。
無理に保護するのではなく、栗吉に、家で暮らしていた時を思い出させよう、という作戦だ。
で、大きなケージの天井を外したものを用意した。
恐がらないようにという配慮だ。
そこに、餌と水を置く。
そうして、栗吉の出没していたユースホステルでの7日目の、長い夜が始まった。
栗吉の出てくる塀の下に仕掛けたセンサーが鳴る。
午前3時だ。
部屋を飛び出す。
そっとえさ場を覗く。
栗吉が、餌の皿に顔を突っ込んでいる。
焦ってはいけない。
知らぬ風を装いながらも、独り言のように声をかける。
おいしいやろ~♪
そんなおいしいもん、たべたことないやろ~♪
おうちに帰ったら、おいしいもん、いっぱいあるな~♪
栗や、そろそろお家に帰ろうよ~♪
けれど、栗吉は、少しでも近づくと、逃げる。
結局、塀の向こうに戻ってしまった。
とぼとぼと、自室に帰る。
次にセンサーが鳴りひびいたのは、午前5時。
栗だ!!
再び部屋を飛び出す。
極力、気配を消しながら。ww
栗吉は、またお皿に頭を突っ込んでいる。
よほど空腹なのだろう。
首輪が食い込んで、ジャンプが出来なくなっているから、ノラ猫たちのえさ場にいくことも出来なくなっていることは、容易に想像がつく。
それゆえ、すぐ近くにある自宅にも届かなかったのだろう。
三角座りをして、目を合わせないようにしながら、徐々に栗吉のほうに膝行っていく。
栗や~
そろそろ帰ろ~
もう疲れたやろ~
おうちはいいよ~
声をかけ続ける。
栗吉が振り向いて、すこし近づいた。
え?
近づいた?
本当に!?
そうろ、っと人差し指を伸ばしてみる。
伸ばした指は、栗吉の鼻に一瞬触れた。
栗吉が少しのけぞる。
嗚呼、失敗したな。
ところが、栗吉は、逃げなかった。
え?
逃げない!?
大丈夫!!?
もう一度、そうろと指を伸ばす。
栗吉の鼻に届く。
そのまま、身を乗り出して、頭を撫でる。
動かない。
そのまま背中を撫でる。
すると、栗吉は、はたり、と倒れて横になった。
お腹を見せて、脱力している。
全身を撫でる。
動かない。
そうっと、抱き上げる。
栗吉が小さく鳴いた。
そのまま抱き上げて、ホテルの自室まで急ぐ。
部屋のドアをどんどんとたたく。
部屋で待機していた夫がドアを開ける。
なんとか、キャリーに栗吉を入れる。
二人で号泣した。
大急ぎで、そのキャリーを抱きかかえて、自宅へ戻る。
キャリーをリビングの机に置いて、中をのぞく。
獣医師からは、捕獲しても、首輪を切らないように、と言われていた。
野生に返ったネコは、どんな危害を及ぼすかもしれないからだ。
けれど、栗吉は、にゃんと鳴くものの、全く抵抗しない。
首輪を外そう!
私がそっと押さえて、夫が調理ばさみで、ゆっくりと首輪を切った。
そこで見えてきたのは・・・
首輪のせいで切れてまくれ上がった傷口と、きつく締まった首輪の痕だ。
動物病院に連れていき、治療と検査を受ける。
傷は脇の下に、5センチ×1センチ
首輪のかかっていた場所に擦過傷
体重は2キロも減っている。
けれど、栗吉は元気だった。
THANK GOD, KURI IS BACK!!
うちのネコたちは、かつてはいつも、外れる首輪をつけていた。
けれど、可愛さに目がくらんで、合成皮革のちょっと可愛い首輪に替えた。
なんと愚かだったことだろう。
なんと苦しい目に合わせたことだろう。
ごめんね、栗吉。
病院から戻った栗吉は、私の傍を離れない。
おんおんと、鳴きながら、ずっと傍にくっついている。
栗や、もうちょっと前に、そういう風に懐いてほしかったわっ!!!怒 www
今回は、くるねこ大和さんのブログに載せていただき、200件を超えるアドバイスをいただいた。
更には、「こはる日和.」のローズマリーさんに、対策と勇気をいただいた。
そのブログの向こうにいる、多くの方々に、力をいただいた。
心より感謝申し上げます。
栗吉を取り戻せたのは、みなさまのお蔭です。
ー 裏話 ー
栗吉の出奔中に、娘の結婚式と披露宴、東京の披露パーティがあった。
その間に、娘の愛するぷぅ吉が亡くなった。
夫が財布を落とした。
クーラーが二台壊れて修理不能になった。
洗面所の蛇口が壊れた。
電動シャッターが壊れて、車が出せなくなった。
けれどね、全部OK!
亡くなったぷぅ吉は、遠いところから、栗吉に戻るように、説得してくれたのかもしれない。
様々な出来事は、毎日を大切に生きることを、思い出させてくれたのかもしれない。
ほんとうに、本当に、ありがとうございました。
で、眉毛ネコの栗吉は、本物の眉毛をつけて戻りました。ww
困った顔になっているけれど。ww
長い長い7週間だった。
遡ること2日前
新しい保護器(踏み込み式の捕獲器)に替えて、二晩が経ったが、結局栗吉は入らなかった。
どれだけ警戒心が強いのだろう。
どうしたら保護出来るのだろう。
怪我のことを考えたら、全然時間がないのに。
ここで大幅な方針転換を決意した。
(ローズマリー番長の指示です。)
「太陽作戦」だ。
無理に保護するのではなく、栗吉に、家で暮らしていた時を思い出させよう、という作戦だ。
で、大きなケージの天井を外したものを用意した。
恐がらないようにという配慮だ。
そこに、餌と水を置く。
そうして、栗吉の出没していたユースホステルでの7日目の、長い夜が始まった。
栗吉の出てくる塀の下に仕掛けたセンサーが鳴る。
午前3時だ。
部屋を飛び出す。
そっとえさ場を覗く。
栗吉が、餌の皿に顔を突っ込んでいる。
焦ってはいけない。
知らぬ風を装いながらも、独り言のように声をかける。
おいしいやろ~♪
そんなおいしいもん、たべたことないやろ~♪
おうちに帰ったら、おいしいもん、いっぱいあるな~♪
栗や、そろそろお家に帰ろうよ~♪
けれど、栗吉は、少しでも近づくと、逃げる。
結局、塀の向こうに戻ってしまった。
とぼとぼと、自室に帰る。
次にセンサーが鳴りひびいたのは、午前5時。
栗だ!!
再び部屋を飛び出す。
極力、気配を消しながら。ww
栗吉は、またお皿に頭を突っ込んでいる。
よほど空腹なのだろう。
首輪が食い込んで、ジャンプが出来なくなっているから、ノラ猫たちのえさ場にいくことも出来なくなっていることは、容易に想像がつく。
それゆえ、すぐ近くにある自宅にも届かなかったのだろう。
三角座りをして、目を合わせないようにしながら、徐々に栗吉のほうに膝行っていく。
栗や~
そろそろ帰ろ~
もう疲れたやろ~
おうちはいいよ~
声をかけ続ける。
栗吉が振り向いて、すこし近づいた。
え?
近づいた?
本当に!?
そうろ、っと人差し指を伸ばしてみる。
伸ばした指は、栗吉の鼻に一瞬触れた。
栗吉が少しのけぞる。
嗚呼、失敗したな。
ところが、栗吉は、逃げなかった。
え?
逃げない!?
大丈夫!!?
もう一度、そうろと指を伸ばす。
栗吉の鼻に届く。
そのまま、身を乗り出して、頭を撫でる。
動かない。
そのまま背中を撫でる。
すると、栗吉は、はたり、と倒れて横になった。
お腹を見せて、脱力している。
全身を撫でる。
動かない。
そうっと、抱き上げる。
栗吉が小さく鳴いた。
そのまま抱き上げて、ホテルの自室まで急ぐ。
部屋のドアをどんどんとたたく。
部屋で待機していた夫がドアを開ける。
なんとか、キャリーに栗吉を入れる。
二人で号泣した。
大急ぎで、そのキャリーを抱きかかえて、自宅へ戻る。
キャリーをリビングの机に置いて、中をのぞく。
獣医師からは、捕獲しても、首輪を切らないように、と言われていた。
野生に返ったネコは、どんな危害を及ぼすかもしれないからだ。
けれど、栗吉は、にゃんと鳴くものの、全く抵抗しない。
首輪を外そう!
私がそっと押さえて、夫が調理ばさみで、ゆっくりと首輪を切った。
そこで見えてきたのは・・・
首輪のせいで切れてまくれ上がった傷口と、きつく締まった首輪の痕だ。
動物病院に連れていき、治療と検査を受ける。
傷は脇の下に、5センチ×1センチ
首輪のかかっていた場所に擦過傷
体重は2キロも減っている。
けれど、栗吉は元気だった。
THANK GOD, KURI IS BACK!!
うちのネコたちは、かつてはいつも、外れる首輪をつけていた。
けれど、可愛さに目がくらんで、合成皮革のちょっと可愛い首輪に替えた。
なんと愚かだったことだろう。
なんと苦しい目に合わせたことだろう。
ごめんね、栗吉。
病院から戻った栗吉は、私の傍を離れない。
おんおんと、鳴きながら、ずっと傍にくっついている。
栗や、もうちょっと前に、そういう風に懐いてほしかったわっ!!!怒 www
今回は、くるねこ大和さんのブログに載せていただき、200件を超えるアドバイスをいただいた。
更には、「こはる日和.」のローズマリーさんに、対策と勇気をいただいた。
そのブログの向こうにいる、多くの方々に、力をいただいた。
心より感謝申し上げます。
栗吉を取り戻せたのは、みなさまのお蔭です。
ー 裏話 ー
栗吉の出奔中に、娘の結婚式と披露宴、東京の披露パーティがあった。
その間に、娘の愛するぷぅ吉が亡くなった。
夫が財布を落とした。
クーラーが二台壊れて修理不能になった。
洗面所の蛇口が壊れた。
電動シャッターが壊れて、車が出せなくなった。
けれどね、全部OK!
亡くなったぷぅ吉は、遠いところから、栗吉に戻るように、説得してくれたのかもしれない。
様々な出来事は、毎日を大切に生きることを、思い出させてくれたのかもしれない。
ほんとうに、本当に、ありがとうございました。
で、眉毛ネコの栗吉は、本物の眉毛をつけて戻りました。ww
困った顔になっているけれど。ww
くるさんのところから来ました。
ずっと気になって何度も覗き見させていただきました。
お疲れ様でした。栗吉くんも良かったね。
痛かっただろうけど、今は安心してるかな。
ただ、過去の記事を拝見しましたが、栗吉くんは何度か脱走していますね。
他の猫ちゃん方はちゃんとお家にいるのに、何故何度も外に出てしまうのでしょうか?
今後は脱走できないように対策が必要ですね。
栗吉くんも今回の件でお外は良いことないって理解してると良いのですが…。
だからポン吉さんに撫でてもらって、ああ、おうちに帰ってお母さんに甘えたい!って思ったんでしょうね。
ポン吉さま、ご主人さまも、今夜からはゆっくり眠れますね。
栗吉くんの傷が早く治りますように。
お二人とネコたちが良い夢を見れますように☆
栗吉ちゃん逃げないで甘えてたってことは…外に懲りたんだな…(笑)半月や数ヶ月の長期戦に長引かないで本当に良かったです。
長く長く外遊びに疲れて少しケガもしちゃってお腹も空いちゃって。
お母さんの手が恋しくてたまらなかったに違いない。
本当に良かったです^ ^
くるさんトコから訪ねて来てから私もドキドキ心配でした。
今朝タイトル見て、やった!と声が出ましたよ。
これも何かの縁だと思い、また覗きにきます。
今より元気になった栗吉ちゃんが見れますように☆
栗吉くんはこれが二度目の脱走でしょうか?
前回は開いた玄関から、そして今回は網戸を破壊して。
お互いが辛い思いをします。
これからは脱走対策、頑張って下さいね。
栗吉くんのケガが1日も早く治ります様に祈っています。
本当に良かった、そしてお疲れ様でした。
網戸や網は猫は簡単に破いてしまいます。
ドアも網戸も簡単に開けてしまいます。
どうか徹底的な対策をこれからはなさってください。
1度外の世界を知った猫はまた外に行こうとしてしまいますので…
もう二度とお互いが傷つくことないよう、今はゆっくり休んでこれからです!
本当に良かったです。