英語な日々

京都在住の英語講師のと猫と英語と美味しいもののお話。
時々、脳動脈瘤のお話もね。

MITSOUKO『ミツコ』

2019-12-05 | 日記
MITSOUKO『ミツコ』という香水がある。
ゲランの代表作だ。
最近、あちこちの雑誌で、この古い香水のコマーシャルを見かけるようになった。
『ミツコ』誕生1世紀を機に、大々的に売り出しているらしい。


それで思い出した。
幼い頃、この『ミツコ』の香水瓶が大好きだったことを。

母は全く香水をつけない。
けれど祖母は、ハイカラなものの大好きな人だった。
祖母の部屋には美しいものがたくさんあった。

水晶や、様々な貴石のネックレス。
真珠のブレスレット。
反物の切れ端を綴ったもの。
それに、沢山の香水瓶。
祖母が留守の時に、そっと部屋に忍び込んで、そういった『宝物たち』を眺めるのが大好きだった。

祖母は一人息子(私の父)が亡くなった後、ネックレスやブレスレットを引きちぎり、ばらばらになった石たちは、霧散霧失してしまった。
今でも部屋の隅に転がっていた、涙のような水晶玉を覚えている。

それでも香水瓶はいつまでも残っていた。
香水が好きだったのだのだろう。
私は、その中でも特に『ミツコ』と『レールドュタン』(時の流れ)がものすごく好きで、こっそり瓶を開けては匂いを嗅いでいたものだ。


大人になり、結婚して子育てをして、香水を纏うこともなく時は過ぎる。


そして、再び出会った『ミツコ』である。


もしかしてまだあるかもしれない。
実家の古いタンスを開けてみる。
あったのだ、小さな『ミツコ』の瓶が、長い時を経て、そこに。

けれど、瓶の底には、濃い琥珀色になった液体がわずかに残っているだけだ。
美しい香りをそのままに。



なんだかな〜
切なくなった、極月の夜。


『切なさとは無関係のネコ1匹』
とりあえず、貼っときます。












コメント (4)
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