英語な日々

京都在住の英語講師のと猫と英語と美味しいもののお話。
時々、脳動脈瘤のお話もね。

私に何が欠けてるん?

2017-02-07 | 病気
夜に姑のお世話に行った。

姑はいう。

頭が混乱してしもてな
大切なことを言いたいんやけど、分からへんねん
何から謝ったらええんやろ
かっこわるいことや
私の心がみんなに伝えられへんねん
心が繋がってるだけではあかん、ちゃんと口で言わなあかん
けどな
その言葉がでてこうへんねん
それが恥ずかしい

◯◯が家長やし、にぎやかで明るい家庭にしてや
みんなが安心する方法を考えてるねん

おしえて!
おしえて!
私に何が欠けてるん?

なあ、おしえて!
おしえて!
私に何が欠けてるん?

姑は、強く私の腕を握った。
すごい力だ。

落涙する。


おかあさん、みんな分かってるんだ。
言葉が出てこなくて、話そうとした途端に、口の端から言葉が逃げて行って、不甲斐ないのだ。


おかあさん、と言いかけたその時、姑が再び口を開いた。


お国の一大事なんやしな。
トイレにちゃんと座れたし、セーフや♪

お、おや?
なんだか切り替わっちゃった?ww


義理姉によると、姑の話すことは、どんどん記憶を遡っている。
少し前まで、恐らくは、独身時代のことが、話に混ざっていたのに、今日は、小学校の時のことになっているという。


学校行きたくないねん
連絡しといてな

おかあさん、女学校に連絡したらいいですか?

いや、小学校やて
もう今日は行かへんし
ちゃんと連絡してな
爆弾が落ちてくるねん


爆弾?

そこで、義理姉は、気づいたという。
姑が戦時中のことを話しているのだと。

けれど、戦時中にはもう20代だったはずだけれどな。
記憶が混乱しているのだろう。


年をとても重ねると、記憶はどんどん後退すると聞いていた。
幼少期の、特に女性の場合、結婚以前の思い出のほうが強く残るのだと。

その実例を目の当たりにして、考える。
幼い頃の経験って、一体どれほど、それ以降の人生に影響するのだろう。



一枚の写真が、夫から送られてきた。
アジアの犬です。
かわいいな。
けれど、なんだか哲学してる?ww






コメント (3)
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