雪害の記録 2006 Apocalypse

君死にたもうことなかれ

(青森)雪むろリンゴ モテモテ

2005年04月27日 | 雪害の記録04-05
(青森・浪岡道の駅 「群馬のリンゴの方がうまい」に林檎士・発奮&試作=結果モテモテ さすが!)

青森市浪岡の道の駅「なみおか『アップルヒル』」のりんご園で雪の中に埋めていた「雪むろリンゴ」が人気を集めている。3月末の2日間に約2500個を売り出したところ、完売。雪むろリンゴを作った第三セクター「アップルヒル」の長谷川雄作駅長(57)をリンゴ作りに駆り立てたのは、「青森より群馬のリンゴの方がうまい」という知人の言葉だった。

 販売は、1個150円前後で1箱50~60個入りの50箱に限定した。両日とも2時間もたたずに売れた。下北地方から買いに来た客もいたという。

 雪むろとは、いわゆる雪の冷蔵庫のこと。雪国に古くから伝わる冬の野菜の貯蔵方法だ。定温性と保存性に優れ、リンゴの水分を逃がさず、シャキシャキとした食感と甘みを生み出すという。

 群馬県産リンゴをほめたのは、同県出身で今は青森市で息子が経営する飲食店を手伝う石坂忠義さん(68)。長谷川さんの30年来の仕事仲間で、一緒に酒を飲む度に長谷川さんに、青森リンゴの味についてこぼしていた。

 長期間、出荷するために、早めに収穫して保存するという方法が一般的な青森に対して、観光リンゴ園が多い群馬では、11月中旬に完熟に近い状態でリンゴを収穫、その場で客に食べさせるところが多かった。

 「群馬のリンゴなんて聞いたことがない。何で群馬の人間にバカにされるんだ」。旧浪岡町の農家育ちの長谷川さんはプライドを傷つけられた。

 「いつか、青森のリンゴをおいしいと言わせたい」。2年前、観光客のために冬も収穫せずにいた観賞用のリンゴを使って、浪岡の道の駅ならではの、おいしいリンゴを作ろうと考えた。

 群馬に雪むろでリンゴを保存している農家があることを知り、子供のころ、冬に食べたリンゴのおいしさを思い出した。長谷川さんの育った町では、鳥に食べさせるために、冬も実を残しておくリンゴの木があった。

 北海道での野菜や岩手県でのソバの実など各地の雪むろを参考に、昨冬から雪むろでの試作を始めた。

 リンゴは、熟させるために、通常より10日ほど遅い11月中旬に収穫した晩生種ふじとサンふじを使う。新聞紙でくるみ、プラスチックの箱に入れ、むしろ、ビニールシート、反射シートの順に三つの雪の層をつくって保存。雪むろの中は密閉状態で常に2~3度に保たれる。

 雪むろリンゴを始めて2年目。今冬は雪が降り始めた12月下旬に雪むろに入れた。雪が解けてきた3月に一度、小型除雪車で雪をかぶせた以外は何もしなかったという。

 25日夜、長谷川さんは雪むろリンゴを片手に、石坂さんの店をたずねた。石坂さんは、かみしめるように食べると、しばらく考えた後、一言。「こりゃおいしい。今までのリンゴとは違う」。感想をじっと待っていた長谷川さんは満面の笑顔になった。

 リンゴは29日にも同駅で限定販売される。今冬分の雪むろリンゴとしては最後の販売になる。「アップルヒル」は雪むろリンゴの商標登録を出願中で、今年からは、雪むろリンゴを使ったサブレも販売している。

朝日青森
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