夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

続 月次の会・九月

2015-09-28 23:11:19 | 短歌
今月も、月次の会の当番の方に、手紙を添え、当日の参加者の詠草を送っていただいた。
(当番の方、ありがとうございます。)
みなさんの詠歌も先生の添削も、それぞれにその意図をいろいろと考えながら読んでいくのが面白い。

今回の私の歌は、先月、上野の東京国立博物館に行った帰り、不忍池に寄った時に詠んだもの。

(提出歌)
  不忍の池を埋むる大賀蓮の葉に天よりの雨降りそそぐ
(添削後)
 不忍の池を埋むる大賀蓮の葉に秋雨の降りそそぎをり

(提出歌)
  風吹けば蓮の大葉も雨水を受けとめかねて露のこぼるる
(添削後)
  風吹けば蓮の大葉より雨水のこぼれこぼるる遊びのごとく


先生の添削を見て、今更のように、歌の内容と表現を調和させ、一首の方向性を徹底させることの重要性を感じる。
一首目は叙景に徹して、「天よりの」などとと余計な言葉を入れるべきではなかったし、逆に二首目は、「受けとめかねて」と説明的に捉えるのではなく、蓮の葉から水がダイナミックにこぼれ落ちる躍動感を、誇張するぐらいに詠んでもよかった。
たとえ連作でも、同じような感じで詠んでしまうのでなく、一首一首それぞれの内容に応じて力点を変え、自立した歌になるよう、もっと工夫を凝らさなければよい歌は生み出せないと思った。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。