夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

学園祭 その1

2016-11-03 20:36:42 | 日記
今日は学生たちが楽しみにしていた文化祭の日。
先日、私の担任するクラスの保護者とメールでやりとりしていたら、
「うちの子は文化祭の実行委員になって、はりきっているみたいです。」
と嬉しそうに書いてあった。

クラスの企画は縁日だったが、実行委員がしっかり仕切ってくれているので、あまり担任の私が出る幕はなく、時々様子を見に行ったり、差し入れをしたりする程度。
差し入れは、他のクラスや部活動、寮などが出している模擬店で調理・販売している食品で、何しろ構内を歩いていると、学生たちがやたらめったら売りつけてくる…。
大体は断るが、ラスク、ポップコーン、フレンチトーストなどを買って、クラスの学生に持って行ってやった。


大勢の人出だけでなく、ライブ、演奏会、カラオケ大会などで、構内が騒がしい中、書道部の展示のコーナーは静謐な空間で心が癒やされる。
短冊、色紙、掛軸などに漢詩や和歌が見事な字で書かれているのを見ると、こういうものこそ、真に文化の名に値するもののように思われる。
写真の色紙に書かれているのは、『和漢朗詠集』下・雑冒頭の、「風」題の漢詩と和歌。二首の和歌は、

秋風の吹くにつけてもとはぬかな荻の葉ならば音はしてまし(中務)
ほのぼのと有明の月の月影にもみぢ吹きおろす山おろしの風(源信明)

で、二首目の方は、今の時期にいかにもふさわしい。