夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

男の伸びしろ3

2014-01-24 22:29:13 | 日記
同題で昨年(8/29、12/18)取り上げた話題の続き。

今日、東北楽天から新移籍制度を利用し、米大リーグ入りを目指していた田中将大投手が、ヤンキースとの契約合意に達したというニュースがあった。

『毎日新聞』によれば、ヤンキースとは7年契約で、年俸総額は1億5500万ドル(約161億円)。もちろん、日本人選手としては過去最高額であり、大リーグの投手でも史上5番目となる大型契約だという。

名門球団で即戦力となることを期待されているが、田中投手は会見で、
「見たことのない世界に行くわけで、これまでとは違った刺激を受ける。自分がもっともっと成長していければいい。」
と答えている。
また、ヤンキースでチームメイトとなるイチロー選手は、
「志のある人間にとっては最高の場所なのではないか。」
と語ったそうだ。

今回、イチロー選手のこの言葉が印象に残った。
志のある人間にとっては、世界というのは意外に狭いものだ。
田中投手が高校を卒業してプロ野球入りしたときは、楽天は創設間もない、地方の弱小球団であった。
しかし、彼はそのことにはこだわらず(そのように見えた)、1年目から即戦力として活躍し、以後も中心選手としてチームとともに大きく成長していった。
昨年、無敗の最多勝で楽天のリーグ優勝、さらに日本シリーズ制覇の牽引役となったことは自他共に認めるところだろう。
そして、日本球界で培った実力と実績を高く評価され、来年からは世界最高の舞台でプレーすることになる。

もちろん、田中投手の成功は、持って生まれた才能と運、圧倒的な努力の量によるところが大きい。
ただし、人がそれぞれの分野で成功できるかどうかは、やはり志が鍵を握っていると思う。
そして、自分の置かれた場、与えられた役割や仕事で、常に最善を尽くすことが成功につながり、自分の活動するステージを拡げ、高めていく。

これから入試での選抜を経て、大学という知と技術、学びのフィールドに入っていく生徒たちには、ぜひこのことを知っておいてほしいと願う。