小さなおはなし

ベッドタイムストーリーになるような、小さなおはなしを考えて行こうと思っています。

おやこでクッキングーほのか3さいはじめてのおてつだい by 弥生花音

2019-09-22 11:44:05 | 小さなおはなし
あるところに、ほいくえんにかよう、ほのかちゃんという3さいの女の子がいました。

今日は、ほいくえんのせんせいがこんなことをいいました。

「きょうは、みんな、おうちにかえったら、おてつだいをなにかしましょうね。みんな、大きくなったから、できるよね?」

「はーい!!」

ほのかちゃんも、みんなといっしょにげんきにへんじをしました。

いつもどおり、夕方5じはんに、ほのかちゃんのママがむかえにきました。

「ほのか~!おまたせ~」

「きょうも、ほいくえん、たのしかったよ。あのね、ママ・・・」

「なぁに?」

「ほのか、ママのおりょうりのおてつだいしたいの」

(りょうりのてつだいね・・・。ほのかもそんな年になったのね。でも、ほうちょうは、まだあぶないから・・・)

ほのかちゃんのママはかんがえます。

その日、かえりに近所のようふくやさんで、ほのかちゃんようの小さなエプロンをかいました。

その日のメニューは、チキンステーキとマカロニサラダにすることにしました。

ママもほのかちゃんもエプロンをつけて、じゅんびはしっかりできました。

「ほのか、ママ、とりにくをやくから、ほのかはおなべに水を入れてくれる?」

「わかった。火をつけるのは、ママがやってね。ほのかは、『ふっとう』するまで見てる」

「ほのか、『ふっとう』って、よく知ってたね」

ほのかちゃんのママはびっくりです。

「おままごとで、せんせいがいっていたの。ぶくぶくってすることでしょう?」

ほのかちゃんは、目をきらきらさせていいます。

「そうよ。そうしたら、マカロニを入れるの。おゆがはねるとあぶないから、ママがやるね」

ほのかちゃんは、ちょっとざんねんそうです。

とりにくをやいて、おゆをわかしているあいだに、ほのかちゃんのママは、コーンとグリーンピースのかんづめをあけました。

「あっ、『ふっとう』したよ」

ほのかちゃんがママにおしえます。ママがマカロニを入れ、5ふんでゆであがりです。ざーっとおゆをきり、ボウルにいれました。

ほのかちゃんのママが、れいぞうこからレタスをだします。

「ほのか、レタスをちぎってくれる?たべやすいように小さくね。ママのと、パパのと、ほのかのおさらにしいてちょうだい。」

「うん、わかった。」

ほのかちゃんは、ひっしになってレタスをちぎります。ゆかにすこしおちてしまいますが、ママはきにしません。あとでおそうじすればいいだけだからね。

「このくらい?」

「じょうできよ!そしたら、こんどはねぇ」

コーンとグリーンピースのかんづめのとうじょうです。

「これをマカロニにまぜてね。このながいおはしで」

ほのかちゃんは、マカロニのボウルにコーンとグリーンピースを入れてまぜました。

ほのかちゃんのママは、れいぞうこからマヨネーズをだし、ちょっとしんけんにいいます。

「ほのかシェフ、あなたにじゅうようなやくめをまかせます。これをスプーンに3はいくらいいれてまぜて、おいしいかどうかみて、もうすこししょっぱいほうがいいな、とおもったら、すこぉしずつ、たしてね」

「おまかせください」

ほのかちゃんはわらいます。ママもわらいます。

スプーン3はいいれて、ほのかちゃんはいくつかマカロニをたべました。おいしいっ!いっぱいたべそうになります。だめだめ、これはあじみ。ほのかちゃんはじぶんにいいきかせます。

「おいしくできたよ」ほのかちゃんが言います。「ママもひとつたべてみて」

ほのかちゃんのママがひとつたべてみます。

「うん、ほのかシェフ、てんさい。じゃあ、レタスの上にもってくれる?」

ほのかちゃんは、かおをかがやかせました。「わかった」

ほのかちゃんなりのこだわりで、おさらにもりつけました。なかなかのできあがりです。

「ただいま~」

「あ、パパだ~。おかえりなさい」

ほのかちゃんが、げんかんまではしっていきました。

パパはほのかちゃんをだっこすると、すばやくエプロンにきづきました。

「おぉ、きょうは、ほのかシェフのはじめてのおりょうりだね?」

「サラダだけだけどね」

ほのかちゃんは、ちょっぴりてれくさそうです。

「ほのか、おりょうりをテーブルにはこぶのてつだってくれる?」

「うん」

ほのかちゃんは、サラダをはこびます。

「いただきま~す」

かぞくみんなでテーブルをかこみます。

「じゃあ、ほのかのサラダからいただこうかな」パパがいいます。

ほのかちゃんは、じ~っとパパのほうをみています。

「ほのかぁ、そんなにみられると、パパ、はずかしくてたべられないよ」

「そっかぁ」

ほのかちゃんがわらいます。パパとママもわらいます。

「おいしいよ。さいこうのあじつけだね」

「ほんとう?」

「ほのかは、りょうりのさいのうがあるなぁ」パパがいいます。

「ほんとうね。ママのよりおいしいわよ」ママもいいます。

ほのかちゃんは、うれしくてたまりません。

ほのかちゃんは、よるごはんのあと、マカロニサラダのえをかいて、「あした、せんせいにみせる!」といいました。

よる、ほのかちゃんのねがおを見ながら、ほのかちゃんのパパがいいました。

「ほのかにもできるりょうりがあるんだな。これからがたのしみだ」

「ママのりょうりより、ほのかのほうがおいしい、っていう日もちかいかもね」

ほのかちゃんのママがわらっていいました。

その日も、いつものように、3人でしあわせにねむりました。

さて、ほのかちゃん、こんどはどんなりょうりにちょうせんするのでしょうか。

たのしみですね。


おしまい。

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On Little Bunny's Birthday Written by Yayoi Kanon

2019-09-20 16:13:29 | stories written in English
Once upon a time, Little Bunny lived in a tiny forest which may have been located close to your house.

Her parents died a year ago because of a illness, and she lived by herself and lonely, but she tried to have a happy life.

One morning, she got up very early as usual, she visited Rooster and Hen’s house.

“Good morning, Rooster, Hen, Little Chicks. Could you share me two eggs? I’d like to cook omelet for my breakfast.” Little Bunny asked.

“Sure. Here they are. Instead, can you play with my girls for a while?” Hen said.

“Luckily, I brought a jumping rope. Come on, girls!! Let’s jump it together!”

Little Bunny was happy.

One, two, three, four. They had a really good time.

“Thank you. Here are the eggs”Hen said.

“Hey, girls!! Can you play with me after breakfast?” Little Bunny suggested.

“We’d love to, but we are busy all day today.”

“I understood…”

Little Bunny was so sorry.

“Hey, Little Bunny. You are going to Yuri’s, Bull and Cow’s, and Bear couple's house, right? Could you bring them these letters?” Hen asked.

“Okay. Thanks for the eggs.”

She put the two eggs and three letters into her basket, kept walking. When she found a small cottage, she knocked the door.

“Good morning, Mr. and Mr. Tanabe, Yuri!! Could I pick up cucumber, lettuce, and tomatoes for my breakfast salad?” she said.

“Good morning, Little Bunny. Of course, you can pick them up as many as you want. I’m afraid Yuri is still sleeping, though.” Mr. Tanabe answered to her gently.

“She is going to school today, right? Oh, this is a letter from Hen to Yuri.”

“She is coming back by 3:00 from school, so please come by. Thank you for bringing her the letter.”

“No problem.”

Little Bunny picked the vegetables up, and put them into her basket. Next, she is going to go to Bull and Cows’house.

“Good morning, Bull, Cow, and Little Calfs. Cow, could I squeeze some milk from you?” she asked.

“Sure”

Little Bunny squeeze the milk, and she gave Cow the letter from Hen.

“Hey, boys and girls!! Can we play together today?” she asked them hopefully.

“We are so sorry, but we have another plan today.” Their face looked like unfortunate.

Little Bunny was really, really, sorry.

Somehow, she blew away her bad mood, and she walked to Bear couple's cave house.

“Good morning, Bear mother and father, and Bear Cubs!! Could you share me some of your honey? I’d like to put it on my morning toast.”

“Sure, as much as you want.” Bear mother answered gladly.

“And this is for you guys!”

Little Bunny gave her the letter from Hen.

“Thank you”

“Boys, boys!! Can we play together afterwards?” She asked them as brightly as possible.

“We’d love to, but we have something important to do today.” One of bear cubs answered.

“Okay. Everyone has something to do today.” Little Bunny sadly murmured.

On her way to home, she had very hard time not to start crying.

(Oh, my god. Did I do something wrong? My parents aren’t here anymore, and my friends don’t care for me….)

She was too sad to stay awake. So, she went to bed and jump into it after eating breakfast.


“Ding-dong!! Ding-dong!!”

The sound of the chime made Little Bunny woke up.

The clock showed the time just after three.

When she opened the door, Yuri was smiling and said,

“Come to my house as soon as you can.”

Little Bunny’s heart was pounding with joy, and she walked with hand in hand with Yuri.

“Little Bunny, open the door!” said Yuri with smile.

“Paw, paw, paw“

The poppers sounded.

Rooster, Hen, Chicks,

Bull, Cow, Little Calfs,

Bear couples, Bear Cubs,

and Mr. and Mrs. Tanabe were smiling gently.

Yuri brought a cute birthday cake with candle lighting.

“Blow the candle, Little Bunny!”

She blew them.

“Happy 4th Birthday, Little Bunny!!” Everybody said and hug her one after another.

The cake looked delicious, and gorgeous food was there.

The room was decorated like a fantasy world.

“Thank you!! Thank you very much everyone!!” Little Bunny could not stop crying with joy.


(Mom, Dad, I am not, and never will be alone. I will live happily with lots of friends. Thank you for giving me life.)

The happy party for Little Bunny went on until late at night. The day became Little Bunny’s unforgettable happy day.


The End

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童話の翻訳

2019-09-19 15:48:44 | ご挨拶
こんにちは、弥生花音です。

たくさんの皆さまに応援していただき、ランキングでも上位を取ることができています。
ひとえに皆さまのおかげです。ありがとうございます。

ところで、私には、オーストラリア人の友人がいて。彼女のために今まで書いた童話を英語に翻訳したいと思っています。

一応、私、アメリカに留学の経験があって、翻訳の仕事をしていたこともあるので、どうにかなるかな?と思っていますが、童話の翻訳は初めてなのでうまくいくかどうか・・・?でも、ベストを尽くしてみます。

もちろん、そのあいだに、新作のアイディアが浮かべば、新作を書くこともあり得ますが、少し、ペースダウンすることになると思います。

ほんの少しのあいだ、お待ちくださいね。


弥生花音

イルカのライアと3つのおねがい   by 弥生花音

2019-09-17 13:42:43 | 小さなおはなし
むかしむかし、日本のあるところに小さなすいぞくかんがありました。

そこでのいちばんの人気はイルカたちのショーでした。

イルカたちの中で、いちばん小さい子のなまえがライアでした。ライアはすいぞくかんで生まれた子で海を知りませんでした。

ライアはまいにち、まいにち、いっしょうけんめい、技のれんしゅうをしていました。

ちいさいながらもがんばっていて、お客さんたちの人気者でした。

そして、ライアはトレーナーのユキお姉さんとけんお兄さんが大好きでした。

(ふたり、すごくなかがよさそうだな)

ライアはいつも思っていました。

そんなある日の夜、ライアはふしぎなゆめを見ました。

ライアの前に、ぎん色のはねをもった、小さなかわいらしい女の子があらわれたのです。

女の子は言いました。

「あなたは、いっしょうけんめいがんばっているから、海の神さまがあなたの3つのおねがいをきいてくれると言っています」

「ほんとう?」

「目がさめたら、声にだしてねがってごらんなさい。ねがいはかなえられるでしょう。このことは、だれにも言ってはいけませんよ」

次の日、目がさめるとライアは思いました。

(3つのおねがいかぁ。ひとつは決まってる。海に行きたい。広くて、大きくて、すてきだって、ジョージおじさんが言っていたもの)

「海の神さま、おねがいをきいてください。ボクを海につれていってください」

すると、ごぉ~っと大きな波が起こったかと思うと、気がつけば、ライアは海にいました。

(ここが海かぁ。広いなぁ、大きいなぁ。)

ライアは楽しそうに、あちこちおよぎ回ります。(そうだ、もうすこしできそうな、3かいてんはんジャンプをれんしゅうしよう)

ライアはいっしょうけんめいとびますが、ぜんぜんできません。いつもおうえんしてくれる、ユキお姉さんやけんお兄さんや、お客さんたちのおうえんがないからです。

(気がつかなかった・・・ボクはとてもしあわせだったんだ。なんでそれに気がつかなかったんだろう。なんですいぞくかんを出ようなんて思ったんだろう。)「神さま、どうかボクをすいぞくかんにもどしてください」ライアの2つめのねがいです。

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そのころ、すいぞくかんは、おおさわぎでした。

ライアがとつぜん、すがたを消してしまったからです。

「おかしいわ。いなくなるはずなんてない。もしかして、さらわれたのかしら」ユキお姉さんは心配そうです

「そんなはずないさ。こどもと言っても、かなりの重さがあるんだから。すいそうのどこかにいるにちがいない。ぼくたちがみおとしているだけだよ」けんお兄さんがちからづけるように言います。

(でも、いったいどこにいるっていうんだ・・・?)けんお兄さんが思います。

「ジョージ、マナ、ジム、サラ、ライアはどこに行ってしまったか知らない?」ユキお姉さんはねがうようにみんなにききます。でも・・・。

「ピー、ピー、ピー、知らないよぉ」と答えるだけです。

「さいしょのショーが10時からだから、それまでに見つけないと!」けんお兄さんはプールにとびこみます。

すると、ふたたび、ごぉ~っと大きな波が起こったかと思うと、ライアがそこにいました。

「ライア、ライア・・・どこにいってたの?どこからあらわれたの?」ユキお姉さんは目に涙をためています。

「ピー、ピー、ピー、ちょっとおさんぽに行ってたよ。さびしかったよ、ユキお姉さん、けんお兄さん」

ユキお姉さんも、けんお兄さんも、わけが分かりませんが、とりあえずほっとしていました。

「おかえり、ライア」けんお兄さんがやさしくライアを抱きしめました。

「よかった、ホントによかった…」ユキお姉さんもプールに入り、ライアを抱きしめます。「もうどこにも行かないで・・・」

「ごめんね、ユキお姉さん、けんお兄さん。大好きだよ」

そして、10時から、ショーが始まりました。はなやかなぶたい。イルカたちがあざやかにジャンプをきめていきます。おきゃくさんのはくしゅ。

(ボクはほんとうにしあわせだなぁ。)ライアは思いました。

「ここで、子イルカのライアがれんしゅう中の技をやってみます。失敗するかもしれませんが、みなさま、あたたかい目で見守ってください」

けんお兄さんがマイクで言います。

(よぉし、がんばるぞぉ!)ライアがかくごをきめます。

いきおいをつけて、ジャンプ!くるり、くるり、くるり、くる!!みごとな3かいてんはんジャンプです。

「やりました!!はじめてのせいこうです。みなさん、大きなはくしゅを!!」

わぁ~、すご~い!!パチパチパチパチ!!パチパチパチ!!われんばかりのはくしゅ。

(ボク、ここでショーをやっててよかったなぁ。すいぞくかんで生まれてよかったなぁ)

ライアは心からそう思いました。

その夜、ライアはまたゆめでぎん色のはねの女の子に出会いました。

「2つのねがいがかなえられました。のこりされたねがいはひとつです。こうかいのないようにえらびなさい」

「はい・・・もうきめています」

「では、目がさめたら、ねがってごらんなさい。きっと、かなえられるでしょう」

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次の日、目がさめて、ユキお姉さんとけんお兄さんにからだにちょうしのわるいところがないか、見てもらってから、ライアはねがいました。

「このふたりが、ずっとなかよくいられますように。これがぼくの3つめのねがいです、海の神さま」

それからも、ライアは毎日、れんしゅうをしていました。ユキお姉さんとけんお兄さんもなかがよさそうです。

(ボクのねがいがかなっているのか・・・な?)ライアはしんじていいのか、よく分かりませんでした。

そんな1か月後のある日、ライアはユキお姉さんのひだりゆびにきらりと光るものをみつけました。

(なんだろう・・・?きれいだなぁ)

「ジョージおじさん、ユキお姉さんのゆびに光るふしぎなものはなに?」ライアは一番年上のジョージにたずねます。

「あぁ、あれはなぁ、ダイヤモンドという石だよ。こんやくゆびわと言ってな、男の人が女の人にけっこんのやくそくとしてわたすものだよ」

「けっこんって・・・?」

「2人がず~っといっしょにくらすことだよ」

「じゃあ、あれは・・・」

「けんお兄さんからのものだな」

「わぁ~い!!」ライアは、うれしくて、うれしくて、プール中をおよぎまわって、ジャンプをして、おおよろこびでした。

その日の夜、ユキお姉さんとけんお兄さんは、レストランにいました。

ユキお姉さんが言います。「けっこんしきのことなんだけど、あのね・・・わたし、イルカプールでやりたい」

「えっ?」けんお兄さんはおどろいています。

「だって、2人がであったばしょだし、イルカたちにもおいわいしてほしい」

「そうだね・・・せきはあるから、できないこともないとおもうけど」

「わたし、なんとなくあのこたち、わたしたちがけっこんするのわかってるきがするの」

「ユキらしいというか、なんというか・・・。よし、そうだんしてみよう」

そして、いろいろばたばたはあったようですが、しきじょうはイルカプールに決まり、けっこんしきの日がやってきました。

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さて、けっこんしきの日。この日はけっこんしきのためにすいぞくかんはお休みです。

ウエディングドレスとタキシードにきがえるまえ、ユキお姉さんとけんお兄さんは、けっこんしきのためにキラキラにかざられたイルカプールにいました。

「今日は、あなたたちもいっしょにたのしんでね」ユキお姉さんが言います。

「いいジャンプを見せてくれよ」けんお兄さんがガッツポーズをします。

「ゆき、そろそろきがえる時間だね」

「そうね。じゃあ、みんな、またあとで」

「ピー、ピー、ピー、ピー、待ってるよ」イルカのみんながいっせいに言います。

結婚式が始まりました。タキシードすがたのけんお兄さんがまっているところに、ユキお姉さんのお父さんとうでをくんだ、ウエディングドレスのユキお姉さんが一歩ずつ向かいます。

(ユキお姉さん、とてもきれいだよ)ライアは思いました。

ユキお姉さんのお父さんがけんお兄さんにお姉さんをたくしたところで、まず、ぽん、ぽん、ぽ~ん、とイルカたちがジャンプします。

けっこんのちかいのことば、ゆびわのこうかん、そして、ちかいのキス。

イルカたちがいっせいにロープをひいてかねをならします。からん、からん、から~ん、から~ん。

さいごに、ライアの心を込めた3かいてんはんジャンプ。

そうして、ぶじにけっこんしきはおわりました。

ユキお姉さんとけんお兄さんは、ウエディングドレスとタキシードのまま、みずぎわまできてイルカたちをなでます。

「ありがとう。本当にありがとうねぇぇぇ。。。」ユキお姉さんの顔は涙でぐしゃぐしゃです。

「しあわせに・・・しあわせになってね」

その思いをこめて、イルカたち全員が大きなジャンプをしました。

おまけにさいごに、ライアの3かいてんはんジャンプです。

「おまえだけ、目立ちやがって~」ほかのイルカたちが笑って言いました。

「ゆきお姉さん、けんお兄さん、すてきなふうふになってね」ライアは言いました。

「伝わったよ、みんな。伝わったよ、ライア。わたしたち、ぜったいしあわせになるね」

けんお兄さんは、ユキお姉さんに、もう一度、やさしくキスをしました。

「ピー、ピー、ピー、ピー、おめでとう」

いつまでも、いつまでも、イルカたちのしゅくふくがつづくのでした。


おしまい。

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(くぅちゃんシリーズ 2)きょうりゅうのきょんちゃん、ゆくえふめいじけん  by 弥生花音

2019-09-13 13:41:12 | 小さなおはなし
むかし、むかしのこと。みずきちゃんいう5さいの女の子とぬいぐるみのくまのくぅちゃんがなかよく幸せにくらしていました。

くぅちゃんとみずきちゃんは、ふとしたきっかけでねる前の1時間だけ、おしゃべりできるようになっていました。

みずきちゃんは、くぅちゃんに話しかけます。「明日、晴れたらピクニックに行こう。おべんとうもって。ね?」

くぅちゃんは答えます。「いいねぇ。太陽ぽかぽかはきもちいいもんね。でも、ぼく、昼間はたべものものみものもダメなんだ」

「ぬいぐるみさんだもんね。わかってるわ。ふりだけね」

「においだけでも、おいしいもの。楽しみだなぁ」

くぅちゃんもみずきちゃんもわくわくしてきました。

「じゃあ、みずきちゃんは、早めにねてね。ぼくは、12時から、お茶会に行ってくるから」

「行ってらっしゃい、くぅちゃん。おやすみなさい」

「おやすみ」

次の朝は、雲ひとつない青空でした。みずきちゃんは、ママに手伝ってもらっておべんとうを作りました。

「みずき、ねぇ、ほんとうにひとりで電車、だいじょうぶ?」

「心配しないで、ママ。くぅちゃんがいるから。それに、あやかちゃんもくることになってるの。きょうりゅうのきょんちゃんをつれて」

「そう。じゃあ、気を付けて行ってらっしゃい」

みずきちゃんは、くぅちゃんをだいてでかけます。電車にのって、2つ先の駅まで行きました。そこから、歩いて少し。あやかちゃんとの待ち合わせの丘までやってきました。

「あやかちゃん、まだみたい。ちょっと、のんびりしてようか」みずきちゃんは、くぅちゃんに話しかけるとシートを広げてねっころがります。

どのくらいたったでしょうか。みずきちゃんはいつのまにかねてしまっていたようです。

「みずきちゃん、みずきちゃん」目を開けると、目に涙をためたあやかちゃんがいました。

「どうしたの?」

「きょんちゃんがいなくなっちゃったの。ねる前は確かにだいていたのに、朝になったらいなかったの」

(きっとお茶会に行ったんだわ。でも、どうして帰ってこなかったのかしら)

(みずきちゃん、お茶会のことはひみつだよ。ぼくがなんとかするからしんぱいしないで)くぅちゃんがみずきちゃんの心にかたりかけます。

(ほんとうに?どうするの?)

(夜、ぼくがさがしにいってくる。みずきちゃんたちは、家の中をさがして)

「あやかちゃん、きょんちゃん、どこにいくはずもないから、家の中をさがそう。みずきもいっしょにさがしてあげる」

電車に乗って、あやかちゃんの家に行きました。あやかちゃんの家は、みずきちゃんの1ことなりのえきの近くです。

「あら、みずきちゃん、いらっしゃい。ピクニックは終わったの?」

「家で遊ぼうってことになって・・・かくれんぼするので、バタバタするかもしれません」

みずきちゃんとあやかちゃんは、あちこちさがしまわりました。ベッドの下、机の下、押し入れの中、トイレ、おふろ・・・でも、きょんちゃんはどこにもいません。

「あたし、きょんちゃんになにかしたかなぁ。おこって、出て行っちゃったのかなぁ」

泣いているあやかちゃんをなぐさめる言葉をみずきちゃんはおもいつけませんでした。だって、もし、くぅちゃんがいなくなったら・・・。

かえりたくなかったけれど、5時に家につくために、しかたなく、みずきちゃんとくぅちゃんは家にかえりました。


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その日の夜、みずきちゃんはくぅちゃんにたずねました。

「きのうの夜、きょんちゃんはお茶会に来てたの?」

「来ていたよ。だから、かえり道でなにかあったのかもしれない。さがしてくるよ」

「みずきもいっしょに・・・」

「みずきちゃん、危ないことはしないってやくそくしたでしょ?ぼくにまかせて。おやすみ」

みずきちゃんは、少しさびしかったけれど、くぅちゃんとのやくそくです。くぅちゃんにまかせることにしました。

「じゃあね」

くぅちゃんは、ぽぉん、とまどからとびおりて、たっ、たっ、たっ、と走って行きました。

そのすがたを見送って「くぅちゃん、がんばれ!」とつぶやくみずきちゃんなのでした。

くぅちゃんは、お茶会のある森に入って行きました。そして、まず、お茶会の小屋に行ってみます。

「ねぇ、みんな、きょんちゃんは?」くぅちゃんがみんなにたずねます。

「まだ来ていないね。きょんちゃんは、いつも、早く来る方だからおかしいな、と思っていたところだよ」

うさぎのラビちゃんがこたえます。

「ぼく、ちょっと、さがしてくるね。助けがひつようなら、もどってくる」

「気を付けてね」みんなが口々に言います。

(さがすっていってもなぁ・・・まず、ものしりのこうもりさんたちに聞いてみようか)

くぅちゃんは、森のおくのどうくつにむかいます。どうくつにはいると、びっくりしたこうもりさんが、ばたばたととびまわります。

「なにか用かね、ぬいぐるみのくまさん」いちばん年をとったこうもりさんがたずねます。

「ぬいぐるみのきょうりゅうさんをみかけませんでしたか?」

「みかけないねぇ。なんだい、いなくなっちゃったのかい。それはしんぱいだね。そとのせかいのことなら、ふくろうさんたちのほうがくわしいから、ききにいってごらん」

「ありがとう、こうもりさん」

くぅちゃんは外に出て、ふくろうさんをさがします。「ふくろうさん、ふくろうさぁぁん」

「なんだね、うるさい」ふくろうのおばさんが答えます。

「あの、きょうりゅうのぬいぐるみさんをみかけませんでしたか?」

「え~~っと、そうだねぇ、ピンクとむらさき色の、トカゲの大きいのみたいのだったら、見かけたよ」

「その子です。どこでですか?」

「その先の、がけの下で横たわっていたよ。助けようと思ったけど、つめできずつけちゃいけないからねぇ」

「ありがとうございました」きょんちゃんは、大きくおじぎをしました。

「気をつけていくんだよ」

「はい。ありがとうございます」もういちどおじぎをすると、くぅちゃんはがけにむかってかけだしました。

がけの前にたどりつき、大声でよびます。がけのなかは、まっくらで何も見えません。「きょんちゃ~ん!!」

「くぅ・・・ちゃ・・・ん」

よわよわしい声がきこえます。

「どこだ~い?」くぅちゃんは、ひっしにさけびます。

「がけの、いちばん、下。足を・・・すべらせちゃったんだ」

5メートルくらいはあるがけです。ひとりで助けるのは、むずかしそうです。

「ロープをもって、みんなを連れてくるからちょっとまってて。もうすこしのしんぼうだよ」

「ありが・・・とう。まってる」

くぅちゃんは、大急ぎで森の小屋まで走って行き、みんなになにがおこったか、話しました。

「ロープと・・・あかりがひつようじゃな」いちばん年をとったくまのサムじいさんがいいました。大切に、大切にされているので古くはなっていますが、元気です。

「5人くらいいればいいじゃろう。行こう」

くぅちゃんと、サムじいさんと、犬のコロちゃんとなつちゃん、うさぎのラビちゃんが、がけに向かってでかけます。

がけのそばについて、サムじいさんが、あかりをがけの下にむけます。「おぉ、そこだね。今から、ロープをおとすからね」

ロープがきょんちゃんのところまでとどき、きょんちゃんがロープをつかみました。

「おねがいしまぁす!」きょんちゃんがさけびます。

よいしょ、よいしょ。5にんはいっしょうけんめいにロープを引き、ついにきょんちゃんを助け出すことができました。

「ありがとう。助かったよ。でも、ぼく・・・どろどろになっちゃったよ」

きょんちゃんが、今にも泣き出しそうです。

「そういうときは、ぬいぐるみのようせいさんにたのむんじゃよ」サムおじいさんは言いました。

「ぬいぐるみのようせいさん?」きょんちゃんも、くぅちゃんも、みんなも、はじめてきく名前です。

「ららら、りるりるりるら~、ぬいぐるみのようせいさん、来ておくれ~♪」サムじいさんが歌います。

すると、にじいろのはねを持った、小さなようせいさんがあらわれました。

「あらあら・・・おこまりのようね。わたしのまほうで、もとどおり、きれいにしてあげる。きょんちゃん、いらっしゃい」

とまどいながら、きょんちゃんがようせいさんのまえに出ます。

「きれいにしてあげるね。くりーら、くりーら、くりくりくりーん♪」

ようせいさんが、ステッキをふると、あらふしぎ、きょんちゃんは、もとどおり、きれいなピンクとむらさきいろに。

「ありがとう、ようせいさん」きょんちゃんはびっくりしながらも、おれいを言いました。

「なにかあったら、また、呼んでね」

ようせいさんは、ウィンクをすると、とおい空へ羽ばたいていきました。

いつのまにか、たいようが上りかけていました。

「もうすぐ夜が明けるよ。きょんちゃん、かえろう」くぅちゃんが言いました。

「みんな、ありがとう。また、今日の夜、お茶会でね」

「今度はおちないようにね~」みんなが笑って言いました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

きょんちゃんが、あやかちゃんの部屋のまどから、そっとはいったとき。

「う・・・ん?きょんちゃん?」

あやかちゃんが、いっしゅん、目をさましました。

「おやすみ、あやかちゃん、また、あしたね」

きょんちゃんは、するり、ときょんちゃんのうでにすべりこみ、あやかちゃんもねむりにおちました。

「きょん・・・ちゃん」ねごとであやかちゃんが言います。

「もう、2どとはなれないからね」きょんちゃんは、ささやきました。

じりりりり・・・けたたましく、あやかちゃんのめざましが鳴ります。


「ふわわ~・・・・っと、えっ?きょんちゃん?」

あやかちゃんのむねに、うれしいおどろきがひろがりました。

「きょんちゃん、どこに行ってたの?帰ってきてくれて、ありがとう!」

ドダダダダ・・・大急ぎでかいだんをかけおります。

「こらっ、あやか!!走ってかいだんをおりないの!」あやかちゃんのママがあきれて言います。

「みずきちゃんに、でんわしたくて・・・あっ、みずきちゃん?きょんちゃんが帰ってきたの。気がついたら、いっしょにねてた」

「へぇ、ふしぎだね。でも、よかったね」

「こんなこと言うのへんなんだけど・・・夜中に、きょんちゃんがおしゃべりした気が・・・やっぱりへんよね。わすれて」

「へんじゃないよ、ちっとも」

「え?」

「なんでもない。また、あそぼうね」

(あやかちゃん、それは気のせいでもなんでもないよ。いつか、ちゃんときょんちゃんとおしゃべりできる日がくるといいね。それは、きっとすぐだよ)

みずきちゃんは、やさしくそう思ったのでした。



おしまい。


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