詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

２００９年の脳梗塞から

一年後

父はまた心不全で入院した

この時は

実家近所に住む私の同級生から

携帯に連絡がきた

「Sちゃん、お父さんを今救急車に乗ったんよ、Sちゃんに知らせてくれって」

父は顔が腫れて

息も絶え絶えな様子だったそうで

女性が私の同級生の家に行って

救急車を呼んでくれと

頼んだそうだ

この時の父が運ばれた病院は

母が最後を迎えた病院で

父はICUに入った

女性は

風邪かと思ってたら

だんだん顔が腫れて

息苦しそうだったと

説明をし

救急車の呼び方がわからなかったから

私の同級生に頼んだのだと

集中治療をしていて

面会が出来ない間

待合室で父の心配をして

ドキドキしているのに

女性は突然こう言い出した

「おとさんが、もし、だめなった時に

どうするか、そうだんして決めておかないとー」

まだ父の容態が何もわからないうちから？

ワタシは返事に戸惑い

「今はまだ、状態がわからんし」

と言うワタシの言葉を

まるで無視したように

「あの家はー今だったら〇千万円くらいって

不動産やさんにーおしえてもらった」

は？

いつの間に？

この続きは

こうだった

女性は

父が亡くなったら日本に住む気はないから

母国に戻るために

自分が相続するはずの実家を兄に譲るから

現金に変えて渡して欲しいといい

それをワタシから兄に伝えるように

言ってきた

そのくらいのお金を

兄は出せるのか知りたい

と

しかも

家を譲ってやるんだから

と

しつこく言い回し

父が心配でたまらない

って時に

ワタシは無言で首を横にふって

女性から離れた

つづく