来年2月16日の市原フィル定期演奏会のメインは、チャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」。
そのポスターが配布された。
ポスターとチケットが配られたことで、演奏会が急に近づいてきたことを感じ、
前回弦トレでお世話になった宮川正雪さんの言葉を思い出した。
10月後半にあった弦トレ冒頭で宮川さんは
「皆さん定期演奏会はまだ先だと思っていませんか?」と現実を突きつける問いかけをされたのだった。
確かに「来年」という言葉は魔法のような作用を及ぼすもので、12月末になっても「来年」は遠い先のことのように思ってしましがちだ。
宮川さんから見ると、チャイコの1番のさらい方があまりにレベルが低く、弦楽合奏以前にもっと個人で練習してくるべきと感じたに違いない。
のんびりしたというか、まだまだ練習不足のまま合奏に出てきた私たちの姿勢に厳しい一言を浴びせて目を覚まさせくれた。
「今日は厳しくやりますから」といつもと違ったタッチで指導を開始されたが、それでも難しいフレーズの運指の取り方、弓の使い方など、初歩的な指導を沢山していただいたっけ。
それからもう3週間、今日の総練では小出さんの指揮で第1楽章から第3楽章を合わせた。
弦トレ時と比較すれば、少しは進歩したかもしれないけど、聴衆を「冬の日の幻想」にいざなうことは難しいと感じた。
交響曲第1番には美しい旋律が多く盛り込まれているものの、特に1楽章には♯や♭が沢山くっついた速いフレーズが結構出てくる。
その中にはチェロだけがソリで演奏する部分もあり、残念ながら僕は今のところ真っ当な演奏速度では弾きこなすことができない。
こうした難所を着実にクリアーしてゆかなければとてもキラキラの演奏にはならない。
でももっと問題だな~と感じたのは、第2楽章冒頭の美しい弦楽アンサンブルのような部分。
CDなどで聴くとAdagioでの和声はロシアの冬の光景が浮かぶようで、その透明な響きに引き込まれる。
しかし今日の総練では美しいというには程遠い。
今の不完全な和声にさらに自分の音を重ねたら、もっと濁った響きになりそう・・・
と怖かったので、自分で音を出せずにいた瞬間もあった。
第2楽章で冬のロシアを感じてもらうには、全員がキッチリと和声を作ってゆかないと、「冬の日の幻想」が「冬の日の幻滅」になりかねない。
チャイコフスキーは聴くのは好きだし、バレー組曲「白鳥の湖」など演奏しても楽しい曲目に参加したこともあったけど
交響曲第1番でお客さんに感動を提供するには、速いフレーズをしっかりさらうことと、音程を確実につかまえて演奏するという基本を踏まえ
心で歌えるレベルに近づかないととても難しいと感じた。
定期演奏会は「来年」のことではなく、もう3ヶ月以内にやってくるのだから。
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