チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

シンクロナイズド・オケ?

2012年02月12日 00時39分28秒 | 市原フィル

来週の本場に向けて、チェロパート練習と、総練が行われた。

●チェロ練
3時からのチェロ練では、ブルックナー担当のコンミスが付きっ切りで
「見せる(魅せる)演奏」に向けて、集団としての演技指導をしてくれた。

「もっと演奏している振りをして」というアドバイスに
「こりゃエアーのことかな」と思ったけど、
実は、観客にもっと見える・魅せる演奏パフォーマンスも大事だということ。
例えば、明るく前向きなフレーズなのに、みんな譜面にカオを向けていたら暗い音楽と
間違われる・・・みたいな。

「みんなもっと顔を上げて」とも言っていた。
主席もサイドの人も立派に演奏している。でもコンミスがそう求めるということは、
このアドバイスが自分に向けられていると考える方が自然だ。
そこで気がついた。僕の演奏姿が「演奏しているように見えない」ということは、
うつむき加減だったり、ピッチカートのときに指先だけで弦をはじいていることを言っている。
とくに猫背のままの格好では、確かに上手そうに見えんよな~。

音が出る、音を出す、だけではお客さんを感動させられない。
コンミスはいつも「キラキラ」の演奏を届けるために最大限の努力をしている。
せめて、自分の猫背に合わせて短めのチェロのエンドピンを
少し伸ばして胸張って演奏できるようにしてみようと思う。

●総練
マツゲンさんも最後の追い込みに懸かっている。
「音楽で一番大事なこと、それは数えること」と繰り返し指導してきた効果は出ているようだ。

でもまだまだ、教えられたことを忘れてしまっていたことも多い。
一つは、アインザッツに向けて、指揮者が空振りをする段階から数を数えること。
この練習はハイドンバリエーションで、10回近く繰り返し練習をして掴むことができた。
指揮棒の空振り一振りの中で、6つ数える練習で、演奏する前から数える癖ができると
オケ全体がすごく勢いがある演奏に変るのが分った。

二つは、指揮者やコンミスを見ること。
チェロ錬でもコンミスから
「ここはチェロトップを見て」
「ここはコンマスを見て」」
「出来れば指揮者と、コンマスと、主席を同時に目に入れて」
と繰り返し言われてきたけど、マツゲンさんも、同じことを求めていた。
「さっきからコンミスがシグナルを送っているのに、みんな全然見てない!」と。

こうして、オケ全体が一つのリズム、一つのグルーブで演奏できるようになったとき
「数を数えられるという面では、最初とは全く違うオケのように良くなった」
と褒めてくれた。
しかし「このオケはもっと良くなるはず」とも。

「そのためには何が必要?」
「音程を合わせること」

やっぱそうだよね。でもようやくその問題に取り掛かれる段階なんだと感じた。

そんなこんなで、ハイドンバリエーションを全曲、そして、ブルックナーも第一楽章から
第四楽章まで進めることができた。でも会場の関係で四楽章途中で本日は終了。
明日も午後から、ゲネプロ前最後の練習になる。
「今日伝えたことは、明日は忘れずに演奏すること」
こう念を押して、明日の総練に備えることになった。

シンクロナイズド・オケという言葉が浮かんだ。音楽は時間の芸術だ。
とりわけオーケストラこそ、大規模な時間合わせの芸術を実現しなければならない。
まず、強弱・表情をつける以前に、音が揃って響くことを痛いほど分からせてくれた。

 

●この後、とんでもないことが起こってしまった・・・
でも捨てる神あれば、拾う神ありとハッピーエンドになったけど。
facebookの記事をそのまま転載しておこうっと。
あしたはパンク直してから総練に行けるんだろうか・・・代車だろうか・・・

【FBから】
神仏に救われた気分でデニーズでいっぷく(^。^)y-~してます。
実は、夜の総練習のあと、車で帰宅しようとしてしばらく走ったあとで、
パンクしていることに気づき途方に暮れていたのです。
 すると遥か向こうから、バイオリンの神様とホルンの仏様が夜道を歩いてこられるではないですか。
「あのーパンク直したことありますか」とお尋ねすると、あるあると言って、暗くて寒い夜道で、
楽器を演奏する繊細な手を真っ黒に
して、二人して潰れてペシャンコになった前輪を交換してくれたのでした。
パンクの原因はとてつもなく大きな鉄片か突き刺さっていると、原因究明をしてくれ、
スペアタイヤの使い方まで教えてくれました。
帰宅を急ぐお二人を引き留めることもできずに、感謝感謝でサヨナラしました。
オケの仲間は素晴らしきかな。明日の総練習にもこれで参加できます。   
心から、ありがとう♪ 


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6 コメント

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パフォーマンス (vctaddy@)
2012-02-13 22:16:02
今回もまたまた含蓄のある話しをありがとうございます。
演奏は自分だけのためではなく聴衆のためだけでもなく、ステージと客席との間で感動が生まれるといつも感じています。そうしたなかで「見せる(魅せる)演奏」を考える事ってとても大事ですね。そのやり取りに市原フィルの底力を感じます。

「演奏で大事なことは数を数えること」
市原フィルにとって始めてのブルックナー演奏なので指揮者があえてこのことを強調しているのかなと。
<ブルックナー休止>これが音楽を味わい深いものにしています。でもこの休止=空白と感じてしまうと音楽の流れを損なってしまうことをマツゲンさんは力説されているんでしょうね。
音が出ていないときも音楽してることをぜひ頭の片隅に置いてみてください。
返信する
素敵なアドバイスありがとう♪ (chiibou)
2012-02-14 16:55:15
>victaddy さん

<ブルックナー休止>・・・
初めて知りました。
この一言で深い味わいと響きが伝わる気がします。

<音が出ていないときも音楽してる>・・・
このことを指揮者は伝えたかったんですね。
ありがとうございます♪
返信する
違うよ (政爺)
2012-02-14 22:29:27
数えるってのは、長い音や休みの時も、次の動き出しに備えて、ビートを感じ、周りに伝える事だよ。
返信する
> 政さん (chiibou)
2012-02-14 22:50:55
「休符の間も音楽している」ことと、
「休符の間も同じビートを感じ続けている」
では微妙に違いがありますね。
今回指揮者から教えられているのは、
後者なんですね、はい。
返信する
違う違う (政爺)
2012-02-14 23:01:43
ブルックナー休止とは違う話しって事だよ。


お陰で、よそのオケで吹くとき、遣りにくくなっちゃった。(笑)

ほんと、みんな数えが甘いんだよね。
だから音の出が合わないんだよ、って言いたくなっちゃう。
困っちゃうよ。
返信する
そっちですか! (chiibou)
2012-02-14 23:11:11
「ブルックナー休止」ってのは、突然止まって脈絡もなく始まる・・・みたいなことで、”味わい深い”なんていう話とは全然違うもののようですね。
それもあってか天使から無能者まで、彼は毀誉褒貶激しいということも、にわかブルックナー研究で調べました。お騒がせしました。
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